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死ぬのって、本当に怖い?

1.「先のことを考えて生きる」の究極は?

どうせいつかは無に帰すのだから、無に帰すという点から現世を見ると、今すぐ死んでも遠い先に死んでも大差はないだろう。

要するに、生き生きと楽しく生きようと、暗く寂しく生きようと、死んでしまって無に帰したあとから見ると、何も違いはない。

よく「行き当たりではなく、先のことを考えて生きよ」という言葉を耳にする。

先のことを考える、とはどのくらい先のことだろう。1か月か、1年か、はたまた10年か。

これを延長していくと、最も先にあるのは、死である。

つまり、「先を考えて生きよ」の究極は「死のことを考えて生きよ」だ。

将来の「夢」や「希望」の話ではなく、将来の「無」の話である。そこから見ると、一般的にいう「先のことを考えて・・・」は、夢や希望にフォーカスを当てすぎていて、死についての思索が不十分である。

徹底的に死について考えれば、今死んでもあとで死んでも所詮は同じだ、という結論にたどり着くはずだ。

2.人生は絶望か、希望か?

では、本質的には意味のない人生を、私たちはどう生きればいいのだろうか。以下の相反する二つの方向性があり得る。

1.どうせ人生は無意味なのだから、はかなく悲しい、と絶望に向かう生き方。

2.人生には定められた意味などないのだから、人生の足かせを取り去り、むしろ自由に人生をデザインしてのびのびと生きていこう、という希望に向かう生き方。

どちらも、人生は本質的に無意味だという結論につながる点では同じである。

3.宇宙史上最大のラッキー

生きることは死刑と同じである。どうせいつかは死ぬ。このむなしい人生を1と捉えるか2と捉えるか。

あなたはもともとお金を持っていなかったとしよう。ところが、何らかの理由で今は1万円を持っている。しかし、いずれ、やはり何らかの理由で、そのお金は無くなる。これをあなたはどう捉えるだろうか。

どうせお金はなくなるんだから、はかなく悲しい、と絶望するか、たまたま1万円を持っている、と希望を持つか。

これと同じである。

あなたはもともと生きてなどいなかった。ところが、何らかの理由で今は生きている。しかし、いずれまた無に戻る。

つまり、人生とはあぶく銭だ。

生まれる前には何もなかった。まったく、何もなかった。ところが、何の因果か、宇宙ができ、有機物の塊が生物になり、それが進化して、人間になった。その中の一人として、なんの偶然か、あなたが生まれた。生まれたての時には何も考えていなかったが、脳が成長・学習して今に至った。これがラッキーでなくてなんだろうか。

あなたにとって、宇宙史上最大のラッキーの一つだ。死刑というよりは、恵みだ。

そんな奇跡を楽しまずして、この奇跡が再び失われてしまうことにフォーカスを当て続けるなんて、もったいないではないか。それよりも、この刹那の偶然を、大いに楽しもうではないか。

1万円を得た奇跡的な現在を喜ぶか、その1万円を失う未来を憂うか。その違いが1と2の違いである。

このラッキーな一万円を、幻想だと知りながら使おうではないか。そして、なくなったら、なくなったときだ。くよくよしたって仕方がない。もともと持っていなかったのだ。

悩んでいないで、潔く、またゼロ円に戻ろうではないか。

1万円の例えが微妙であれば、とあるゲームに置き換えて考えてみよう。想像するゲームは何でもよい。今回は、2020年現在流行っている「どうぶつの森」を用いる。

あなたは最新作の「どうぶつの森」を無料で手に入れたとしよう。しかし、そのゲームは試作品なので、遊べるのは一週間だそうだ。一週間後には、すべてのデータが削除され、あなたが遊んだ痕跡は一切なくなる。

これをあなたはどう捉えるだろうか。

一週間後にデータが消えるので、はかなく悲しい、と絶望するか、一週間無料で遊び放題だ、と希望を持つか。

これと同じである。

この記事を読んでいるあなたの年齢が何歳なのかは分からない。どうぶつの森無料体験期間の何日目に当たるのか分からない。

だが、確実に言えることは、”楽しまなければ損”だということだ。

あなたは、もしかしたら自分の容姿が気に入ってないかもしれない。しかし、どうぶつの森において、顔の初期設定が気に入らなかったと感じ続けながら一週間を過ごすのか?いや、きっと違う。メインは”その森でどう生きるか、どう楽しむか”であろう。

最初の家、自分の顔、住んでいる街、周りの住民、などといった変わらないことにフォーカスを当てて続けるのはやめにしよう。

何か一つのことを極めるもよし、どうせなら色々なことに挑戦し、たくさんの場所に行ってみるのもよし。ただ、いやなこと、辛いことを続けるのはやめよう。時間の無駄である。

勉強なんて無理にするもんじゃない。夢なんて無理に探すものじゃない。

「人生」という、サービス終了が決まっているゲームをとことん遊びつくそう。




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