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岡山大学を卒業した僕から、4年前の僕への手紙。唯一後悔していること。

「研究室見学へ行け」


岡山大学1回生の長谷川健へ。

岡山大学理学部物理学科入学おめでとう。
私はさっき岡山大学を卒業した。

4年間本当に色々あったが、楽しかった思い出や、成功体験を書くことはしない。そんなネタバレは君自身が一番嫌いだろうから。

ただ私は唯一、本当にひとつだけ後悔していることがある。

うん、分かる。普段から私は「後悔」という言葉が嫌いで、何か失敗したときは「反省」「経験」と捉えているので、この言葉には違和感があるだろう。

ただ、それを踏まえた上で、「後悔」と呼べることが一つだけある。

それは「研究室見学をしなかったこと」だ。

ここで言う研究室見学とは、4回生時の配属を決めるためにプログラムとして行うものではない。それは1回生や3回生でみんながやる。

私が言いたいのは、学部学科を超えた研究室見学だ。
君は物理学科だが、生物学科の研究室、数学科の研究室をやっていることを知らずに卒業する。
君は理学部だが、工学部の研究室、農学部の研究室にほとんど行くことなく卒業する。
君は理系だが、文学部、経済学部が何をしているのか全く知らずに卒業する。

「いや、何で総合大学来たん?」

履歴書に”岡山大学卒業”の1行を追加するためだけに4年間を費やしに来たのか?
色々なことに挑戦するかもしれないが、それは大学生じゃないとできないか?
本当の”大学生の特権”は何だ?

考えは巡り、やはり「大学は研究する場所」という結論に至った。

先日、とある農学部の研究室を30分だけ訪れた。
サツマイモのことを研究している場所だ。
数十人の学生と教授が、日々サツマイモと向き合っている。

簡単に説明すると「品種改良により、虫食いに強いサツマイモを作り出す。これにより、食品ロスが減り世界の食料問題の解決に繋がる。」

ざっくり説明すぎて門田先生に怒られそうだが、
あくまで例として挙げさせてもらった。

私自身の都合上、短い時間ではあったが、
「また遊びに来てね!」と言ってもらった。

農業のことに関する知識は皆無で、生物選択もしていない私だが、
なんとなくの概要は理解できたつもりだ。何より、面白かったし楽しかった。

1年生から動いていれば、この経験があと100回以上できていたかもしれない。これが心残りでならない。

「教授へのアポ取りのハードルが高い」

そう言うかもしれない。

それなら周りの友人やバイトの先輩経由で行けば良いだけだ。

「どんな研究しているんですか?」だけでも、
面白い話が聞けるかもしれない。

せっかく大学生協でバイトしていたのに、
聞くのは就職活動のことだけだった大学3年生の俺。

なにをしているんだ。。。


-進学か就職か?-

高校の時に「文系か理系か」という究極の選択があった。
あれは酷い。多くの人は「なんとなくどっちが好きか」「どっちが向いてそうか」で決めるしかない。

しかし「進学か就職か」は違う。

大学生活の3年間をフルに使って判断することができる。

就職活動でインターンシップに行く人は多いが、
研究室訪問に力を入れる人は少ない。

なぜか。なぜなのか。

きっと誰も話題に出さないからだろう。

だから私は今ここに書いている。

確かに僕も、「博士課程になったら就職が…」「教授になるってどうなの…(笑)」と思っている時があったが、今では全教授を大尊敬している。

研究には必ず新規性が求められ、誰かが既にやったことは研究にはならない。研究をすることで、その分野でのトップオブトップになることができ、さらに未知のテーマに挑む習慣がつく。

この事に気づくのが遅すぎた。

「院に行くと就職の選択肢が増える」という解像度の低い視点でしか検討できていなかった。

研究者は凄い。

今後AIの発達により、様々な仕事が取って代わられようと、
研究することの価値が下がることは無いだろう。
AIを作るのも研究者なのだから。

話が逸れたが、「進学か就職か」に正解はない。
現に私は、どちらでもない選択を選んだ。

ただ今後、自分とマッチした会社に就職するかもしれないし、
研究がしたくなり大学に入り直すかもしれない。

ただ、私が言いたいのは、

「君はせっかく大学に入学したんだから、研究者が何を想って何をしているのかは触れておこうよう」

ということである。


-大学教育が思ったのと違う-

ここからは、#春から岡大 界隈やnoteを呼んでくれている君に話しかける。

大学に入り「なんか違うな」と思うタイミングが必ず来る。

むしろ「授業毎日楽しすぎる!!!」と思う人の方が稀だろう。

そんな時に、
・授業がつまらない
・教授の教え方が下手
・自分でやったほうが早い
なんて考えや愚痴は無意味だ。

彼らは研究のプロだ。
内容を理解するならヨビノリや本屋の書籍の方が良い場合が多々ある。

ただ、いくら授業が眠くなる教授でも、自分の研究内容についてなら熱く語ってくれるだろう。それはまさに教授自身の人生なのだから。

大学を数年過ごしてコレジャナイ感だけで退学を決めるのはもったいない。

休学や退学という言葉が頭をよぎったとき、
「どうせだし、大学全部の研究室まわってみよう」
くらいの好奇心で動いてみてはどうだろうか。

自分の中で「あ、面白そう」と思うものが見つかるかもしれない。

現に今日数年ぶりに会った友人は、
薬学部で入学し、文学部で卒業していた。

自分が本当に納得のいく研究内容、大学の過ごし方を見つけたのだろう。


-最後に-

本当の意味で「選択肢を広げる」「今しかできない事をする」の結論は、
今日書いた通りのことだ。

私はもう卒業したが、今後もOTDチームをディレクションしながら、
個人ツイッタラー(ブロガー)としても書き続けていく。

では、また次の記事で。
(もう一つ長いの書きます。)

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