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2022ファジアーノ岡山にフォーカス35-金沢戦- 『始まりのとき』

 始まるときは2パターンある。目標を達成して次のステージが始まるとき。2つ目は、現在の目標が、失敗に終わり、次の挑戦が始まったとき。

 厳密に言えば、自動昇格の可能性は残されているが、追走することでプレッシャーをかけて勝ち続けるという目標は、極めて困難になった。ただ、次の試合を一つ落とすだけでも、乱れれば可能性は残っている。

 よって、奇跡の自動昇格の挑戦と同時に、プレーオフを勝ち抜けるチームへの挑戦が、始まるかもしれない。その前に、3位以上を確定させる戦いやチームのオプションや完成度を高める戦いが残っている。

 一つのステージが終わっても既に次のステージが始まっている。そこに気付いて挑戦できるかどうか。そう考えると、下を向いている時間は、岡山にはない。

 常に上を前を向いている選手や監督のためにもしっかり後押しできるかどうか。そこが問われていくととなる。

 さて、前置きが長くなってしまったが、いつも違うゴール裏から見た金沢戦を振り返っていきたい。

 全文無料公開。スキーやフォローや、購読などをして頂ける記事を目指しています。一人でも多くの方に読んでいただけると嬉しいです。

2022 J2 第39節 ツエーゲン金沢 vs ファジアーノ岡山 石川県西部緑地公園陸上競技場

1、サイドのスペース


 この金沢戦を語る上で、ここは避けては通れない。3バックのサイドのスペースは、弱点とよく言われるが、問題ない試合もあれば、この試合のように、終始そこから崩される試合もある。

 その理由として考えられるのが、中央を経由した攻撃が、金沢に少なかったことである。中央に26本山 遥と34輪笠 祐士という守備力のある選手を揃えてもそこから金沢が攻めてこなければ、違うタスクを担うことになる。

 仙台戦でもそうであったが、ドリブルで持ち上がって、スペースやパス交換で崩していくというタスクの比重が多くなる。

 仙台戦では、サイドは、基本1人であり、4-4-2のように、サイド攻撃が失敗してももう一人いるという保険がなくて、サイドで奪ってしまえば、前にスペースが、仙台戦ではあった。

 対して金沢戦では、サイドでフリーになるどころか、一人対応する選手がいるだけでなく、SHとSBに囲まれるシーンすらあった。決定機を作るためには、“崩すためのアクション”が、どうしても必要となってくる。

 岡山のボランチの両名と強力CB陣で対応していたが、金沢にスピード勝負とスペースを突く攻撃を徹底されたことで、CBが外に釣り出されてそこのスペースを突かれるシーンやCBが置き去りにされるシーンが繰り返し生じた。

 1失点目も5柳 育崇が置き去りにされて、2失点目も戻りながらの守備となりボールホルダーがフリーとなっていた。3失点目も同じように、サイドから破られて、フリーで押し込まれた。

 リードする展開となっていれば、5バックのようにして、カウンターを狙うこともできたかもしれないが、この試合では、岡山がリードすることはなかった。

 よく考えてみれば、勝ち点3が必要な岡山が一歩前に出てしまう(前がかりになってしまう)ことは、心理的には、極めて自然である。

 ただ、金沢としては一巡目の対戦で、5-1の大敗を喫しており、“失点しないこと”を最重視すると共に、引き分けでも大丈夫という意識。

 木山 隆之監督は、このスタート時点の心理的な部分を読み誤ったと言わざる得ない内容と結果になってしまった。

 思い起こせば、有馬ファジの最終戦も前への意識や勝利への意識から、オーバーワークと攻守のバランスを崩して、無敗対決で千葉に破れたことが記憶に新しい。

 内容は全く違っても同じスコアである3-1で破れたことは、偶然でもないかもしれない。

 ただ、これは結果論に過ぎない。もっと言えば、3-4-2-1の実戦での回数も少なく、こういった脆さをカバーする戦い方や違う戦い方を採用するという結論に至れなかったのもまた敗因となった。

 金沢は、90分間通して、4-4-2のブロックを構築して、SBの選手がサイドのスペースへのロングパスやミドルパスを入れていくという戦い方を徹底し、その形だけで3得点奪い、岡山対策というよりは、3バック対策と守備への執念で、ゴールに蓋をして守りきったという試合であった。

この部分は試合後の柳下 正明監督のコメントからも感じる。

柳下 正明監督(金沢)
「攻守とも狙いをみんなが合わせてプレーできたんじゃないかと思う。攻撃については1つディフェンスラインの背後のスペースを使おうということを狙いとしてやっていて、2トップはよく流れてそのスペースを使ってくれた。守備に関しては向こうの強みであるセットプレー、あるいは(ミッチェル)デュークに入れたボールを拾って展開してクロス。そのあたりも体を張って90分通して集中を切らさずやれた。こちらの強みであるロングカウンターも、どんどん追い越してスペースに出ていくということもできていた。」

Jリーグ.jp(公式) 試合後コメントより一部引用

 岡山が、残り3試合で、3-4-2-1の形にトライするのか、3-1-4-2や4-4-2(4-2-3-1)を仕上げていくのか。

スポーツナビのスタッツでは、

金沢:支配率(43%)、シュート(11本)
岡山:支配率(57%)、シュート(22本)

 この数字を見ても主体的に繋いで戦う唯一のオプションだけに粗探しをして、完成させたい部分もあり、木山 隆之監督の決断一つで、チームの方向性が決まるということを強く感じているシーズンでもある。

 また、岡山の決定機の一つでも決めていれば、違った結果になったかもしれない。しかし、金沢の見せた失点しないという気持ちは、勝者に値するものであり、岡山の勝利を目指して、リスクを負ってでもせめて行く姿勢も本物であった。決して下を向く必要はない。

2、木山マジック(金沢戦)


 2失点目を喫した段階で、すぐに木山 隆之監督は動いた。8ステファン・ムークに代えて38永井 龍、26本山 遥に代えて27河井 陽介。

 先ほど、中央での攻撃のタスクが必要という話をしたと思うが、26本山 遥を諦めて、27河井 陽介に変更したことで“間”で受けるシーンを作ることができるようになった。

 38永井 龍と15ミッチェル・デュークの2トップにしたことで、金沢のラインを押し込むことができるようになった。

 38永井 龍が、前線で体を張り、中央のエリアで待つことで、バイタルエリアでのパス交換は劇的に増加して、27河井 陽介の中央でのチャンスメークの難度が上がったことで、金沢が奪って、カウンターというシーンは、サイドの逆襲に限られてくるようになった。

 中盤の守備力でなく、中盤や前線の攻めの力で、守備を安定させることが出来ていた。今季の岡山は、受ける組織的な守備ではなく、積極的な姿勢で、攻撃機会を増やして、守備を安定させてきた。まさに、これはそういった戦い方の1つであった。

 22佐野 航大のゴール前でプレーや16河野 諒祐のクロスが増えていたのもこの交代の効果であった。しかし、同点に追いつけないので、次の一手を打つ木山 隆之監督。

 34輪笠 祐士に代えて44仙波 大志、14田中 雄大に代えて、9ハン・イグォン。中央に守備的MFは不在となったが、攻撃的なボランチの選手だある22佐野 航大や27河井 陽介を投入することで、中央にパワーを生む。

 9ハン・イグォンと19河野 諒祐のサイドからのドリブルの仕掛けや推進力、ラストパス(クロスやパス)でのチャンスは、より増えた。しかし、どうしてもゴールを割れない。

 そこで、最後の手を打つ木山 隆之監督。チームトップのアシストを誇る16河野 諒祐をすっぱり諦めて、24成瀬 竣平を投入する。

 この交代の背景として、金沢のSBが、あまり上がらずスペースを消しつつ、SHやCFの左右の選手へのパスの配給することを徹底したことで、23ヨルディ・バイスのロングフィードを封じられていることにあった。

 そのため、なかなかフリーでクロスに上げる状況や金沢のゴール前の守備密度が低い状態で、クロスを上げることはできなかった。

 思い起こせば、サイドからの岡山の決定機のほとんどは、マッチアップする選手が、常に岡山の選手の前に立ちふさがった。そして、密度が高いことで、22佐野 航大や9ハン・イグォンの決定機は、金沢の鬼気迫る守備の寄せや粘りによって、シュートコースが狭くなり、あと少しというシーンで決める切ることができなかったのである。

 24成瀬 竣平を投入して、打てる手を打った岡山であったが、無常にも次の一点は、金沢の方に生まれた。この失点により、勝ち点3は、絶望的となったが、最後までゴールに迫り、この試合で、前半途中から流れを変えるために投げまくった41徳元 悠平のロングスローやセットプレーで、最後まで攻め続けたが、1点が遠く、プレーオフがかなり絶望的となる敗戦となってしまった。

 多くのシュートシーンがあった38永井 龍やドリブル迫った22佐野 航大の仕掛け、9ハン・イグォンの強さやスピードからの仕掛け、ゴール前で再三あった岡山の決定機は、金沢の壁の前に流れからはシャットアウトされてしまった。

 PKの流れから1点を返して、一度は追いついたが、PKも一度は止められて、押し込んでの得点であったように、岡山の“決定力不足”で負けたという結論にいたりたくなるところではあるが、金沢の徹底したサイド攻撃と、ゴール前の鬼気迫るブロックもSBがあまり上がらないことで守備密度を作るという戦術的な判断と準備によって、そういった内容や結果になったという評価を出すことで、今度は岡山もそういった戦術的な勝利に繋げることができると信じたい。

 金沢の選手の気持ち、魂を燃やして戦ったことが分かる試合後のコメント。

35孫 大河選手(金沢)
「--セットプレーも含め、入ってくるボールをかなりはね返していたが?
岡山さんの特徴は理解していた。そこで負けたらこの試合も負けると思っていた。何回か負けてしまったところもあったが、結果としてはね返してチームのリズムを作れたのは良かった。」

Jリーグ.jp(公式) 試合後コメントより一部引用

11杉浦 恭平選手(金沢)
「--1-5の敗戦もあって気持ちも入っていた?
その記憶もあったし、全員がそういう気持ちが残っていたと思う。やり返してやろうという気持ちはみんな持っていた。勝てて良かった。」

Jリーグ.jp(公式) 試合後コメントより一部引用

 木山マジックの多くは、こうした敗戦から試合の主導権を握る為のトライ・アンド・エラーを繰り返することで、前進するというマリオネットストラテジーによって、今の岡山があるといっても過言ではない。

 この敗戦という結果によって失ったものは、正直かなり大きいが、この敗戦を消化して、糧にするとこができれば、気持ちや3-4-2-1を含めた総合力をより高めることができると信じたい。

 自動昇格への挑戦は、まだ完結していないが、選手や監督のコメントにある通り、プレーオフを意識した戦い方や準備、立ち振る舞いを行っていくとこで、様々なダメージを力に変えることができるのが、ファジアーノ岡山であると思っている。

 繰り返しになるが、これは絶望でなく、始まりに出来るかどうかは、残り3試合の先のステージにある。

3、ファジアーノ岡山スピリッツ

 この項では、選手や監督のコメントから岡山を語る。

木山 隆之監督(岡山)
「数字的にはまだ自動昇格の可能性が残っているかも知れないが、難しいものと感じている。あとは、1つでも上の順位で、しっかりホームで戦える権利を得てプレーオフに繋げていけるように、全力でまた頑張っていきたい。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 感情を表に出したくなる結果と内容であったが、しっかり受け入れて前を向く。それが、今季の岡山の強さである。特別な言葉ではないが、そこには、岡山らしさを感じられた。

14田中 雄大選手(岡山)
「--悔しい残念な敗戦になってしまいました。
同点になったあとのシーンを自分が決めていれば。そうすれば勝ったとは言い切れないですけど、良い展開でゲームを進められたかなと思います。個人としてすごく責任を感じますけど、まだ望みはありますし、ここで落ちていってしまったら本当にここまで積み上げてきたものの意味がないと思うので、しっかりと切り替えて、より強い気持ちを持って準備したいです。」

 Jリーグ.jp(公式HP) 試合後コメントより一部引用

 サッカーにも「たられば」は、付き物であるが、選手だから感じる悔しさは、サポーターの想像する以上である。ただ、14田中 雄大が語っている通り、ここで落ちていってしまったら、意味がないですし、積み上げてきたものは、本物であることを証明できるチャンスは、幸いにも残っている。

堀田 大暉選手(岡山)
「(試合終了後の円陣で)監督からは「下を向く必要はない。自分たちがやることは1戦1戦、勝ちを目指してやっていくだけだ」と言われた。切り替えるしかないし、すぐに甲府戦がやってくるので、それに向けて全力で準備をしていく。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 今回のレビューで、繰り返しになるがというワードを何度も使っている気がするが、ファジアーノ岡山もJ1昇格を、今季の目標にした場合に、早々に敗者になる可能性もあったが、その度に立ち上がって、蘇ってきた。23ヨルディ・バイスの過去のコメントのように、最終的に勝者になる可能性はあるので、岡山サポーターとして、最後まで応援して、気持ちだけにはなるが、一緒に戦い抜きたい。

①ヨルディ バイス選手(岡山)
「でも我々はファジアーノ岡山で、資金的にも特別裕福ではないし、J2の中でもビッグクラブと言えるほど大きなクラブでもない。それでも、まだこの3位にいるということは素晴らしいこと。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 23ヨルディ・バイスは、熱い選手でもあるが、考えが深い。そして、その先を見据えている。だからこそ、自分達(ファジアーノ岡山)のことをよく理解している。一流の選手は、こういった自己分析が的確で、自分の武器を全面に出せて、弱点を目立たないようにできる。

②ヨルディ・バイス選手(岡山)
「やれることを続けていくだけだし、今シーズン、ここまでで既に色々歴史も作ってきた。今日は負けてしまったが、残りの3試合、勝点9を狙っていくし、加えてプレーオフの3試合、全部勝つ準備をしていきたい。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 例年と比べて、敗戦は少なく、引き分けになっていた内容でも勝てるチームになっている。その中で、敗戦は毎回つらい。しかし、その度に、23ヨルディ・バイスの言葉に、何度も救われてきた。サポーターでもこれだけ心強いので、ピッチの選手は、心強いことは間違いない。

③ヨルディ・バイス選手(岡山)
「勝つ時も負ける時も我々はファン・サポーターの皆さんと一緒だし、一緒に喜び合えるだけでなくて、一緒に泣くこともある。そこから強くなって戻ってくることも、また皆さんと一緒にやるものだと思っている。自分自身としては、皆さんが一番の守備の壁になってくれていると思っているし、今日のように大勢来てくれてサポートをしてくれたことにも驚きは全くない。なぜなら、シーズン当初から同じようにサポートしてくれているからだ。だからこそ、最終的に皆さんに値するものをプレゼントしたいと思っている。
我々は常にファン・サポーターの皆さんために戦っている。残り4試合を残した状態からプレーオフ進出が決まっていたことで、まずサポーターに一つ恩返しができたと思っているが、皆さんはまだより多くのものを手にすることに値する。これから最低でもプレーオフには進出するが、そのプレーオフ自体もただ遊ぶとか楽しむためにやるものではなく、もちろん勝つために戦う。それ以上でもそれ以下でもなく、ただそれだけ。まずは残りの3試合に集中して、その後プレーオフへ行くことになれば、その次の3試合にも集中するだけだ。
最後に一つだけ言っておきたい。我々はファジアーノ岡山なので、絶対に諦めることはない。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 ファジアーノ岡山は、23ヨルディ・バイスの言葉を一冊の本にして、バイス語録として、次の世代に残すべきだ。

 バイスに限らず、心を動かす言葉や熱くする言葉、強くする言葉、そういったものをサポーターや子供たちに伝えていくことで、“ファジアーノ岡山”が“ファジアーノ岡山”であり続けることができるはずだ。

 また、金沢戦では久々にゴール裏で観戦することとなった。色々と視野が広がった中で、ゴール裏の武器は、熱量だと思っていた。改めて感じたことは、熱さの中に冷静さもあることを感じた。

 試合の流れをよんで、声のトーンやボリュームの調整、一体感を作る。色々と考えて行くと、選手や監督に力を届けるために、時には、自分達の感情を抑えたり、時には熱い気持ちを前面に出していたりなど、私にはとても語る事ができない魅力や奥深さが、ゴール裏にもあった。

 また、こうした気持ちは、選手に確実に届いていて、この試合の23ヨルディ・バイスのコメントのように言葉として、残してくれている。一万人の集客が、難しい試合が続いていたが、プレーオフに回る事となっても、選手に声を届ける事で、プレーオフへの勇気に繋がるかもしれない。

 私が言うまでもなく、多くのサポーターは、そうだと思うが、今は自動昇格の可能性がある限り、そこに向けて応援し、プレーオフに向けて選手を後押しするために、スタジアムに足を運ぶことは、チームの歴史の塗り替える力になるかもしれない。

 そして、この試合の金沢の選手のような粘りのある守備や徹底して戦うという力の原動力になるかもしれない。

 最後まで、戦い抜こう!

4、写真コーナー

特急のサンダーバードから見た琵琶湖。

 まるで海だ。湖とは思えない圧倒的な景観である。

正面

 公園の作りが非常に整備されていて好き。

洒落た噴水

迷わなくて、本当に美しい。遊園地や○○村のようなところに来たような感覚。

めっちゃ美味しかった!
とろけます!
メニュー
とろける塩パイカの担々飯

 私が食べてきた中で、歴代ナンバー1のフーズ。売店としては、異次元の巧さ。観ての通り、担々飯なので、辛いのだが、辛いのが駄目な私でも食べきれる。そして、飯には、紫蘇の風味が、辛さの中で独立していて、辛いだけではないことをより際立て、味と辛さの両立した上に、第三の刺激を生み出している。そして、なんと言ってもパイカ。謳い文句通りとろけます。また、塩がしっかり自己主張。コーンも柔らかい。

 この美味さを表現するなら今季の木山ファジ。強烈な個性を絶妙なバランスで、各自が光っている。ファジフーズを含めて、個人的には、歴代ナンバー1の美味さでした。

お好み焼き?

 こちらは、柔らかくマヨネーズが存在感、具材もそれなりに入っている。

焼きそば

こちらは、売店の定番だ!

金沢のゴール裏

私の画像は違いはほぼ分からない赤。どこか親近感がある金沢のゴール裏。

バックスタンド

岡山と同じで屋根はない。

メインスタンド

こちらも屋根はない。津山に近い感じ。角度によっては、見えない席もあるかも?

ゴール直後の23バイス

 手を離した隙にガッツポーズ。決定的なシーンをしっかり撮れる方は、本当に凄い。

 そして、ゴール裏から見える景色みたいな感じのタイトルに本当は、したかった。

円陣

 ピンとこそずれているが、ゴール裏だと両円陣を同じ画角に入れることもできるし易い。

入場者数

 多いことにこしたことはない。Jリーグクラブが増えてきて、代表人気が落ちる中で、Jリーグをどうやって盛り上げて行くのか。コロナの中で、直面する現実は、大変だが、向き合っていかなければならない問題。

整列する両チーム

前を向くしかない。悔しい敗戦。

帰る際に撮影

 シャトルバスの便数に限りがあった。色々としてバタバタしたが、良いスタジアム、良いグルメ、良いサッカーであった。勢いのようなものを感じた。負けてしまったことで、可能性が低くなったではなく、負けたことで、強くなれた試合にできるどうかは、今後のファジアーノ岡山次第。

文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・Photo=Masaaki Sugino

試合後コメント引用元紹介

アディショナルタイム(おまけ)

ファジ造語

チアゴ・タイム
 7チアゴ・アウベスのプレーの一つ一つにサッカーを楽しむという遊び心があり、そこに技術が伴った左足の凄さを称えて「悪魔の左足」と、呼ばれている。その左足を活かして、何処からでも何時でも狙っていて、7チアゴ・アウベスが出場している時間帯は、岡山の大きな得点源と言える。

本山丸(イメージは真田丸)
 大阪の陣で、大阪城に迫る徳川の軍勢に対して、真田丸は、大阪城の弱点を補う出城として築かれた。23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の弱点は、釣り出されたときや、スピードであるが、26本山 遥かが主に、そういった守備対応をすることで、3選手の良さをお互い引き出すことで、守備が安定して、堅守を構築に繋がっている。

参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777


ヤバス要塞
 語呂を意識して、5柳 育崇の「ヤ」と、23ヨルディ・バイスの「バとス」の二文字を抽出して、「ヤバス要塞」と、表現した。防衛において重要な地点の砦。砲台もある砦のことも指す。高い対人守備だけではなく、ロングパスの精度やセットプレーの得点力があり、まさしく要塞と言える。攻守で強みを発揮できる「ヤバス要塞」として、難攻不落を目指す。

梅田アウォール
 ファジの最後の壁。ファイアウォールに比喩した表現。戦術や個の力、連動性といった攻撃で、ゴールを狙ってくる様々な攻撃をシャットアウトする。そして、バックパスの受け手として、フィードや組み立てる一人として、パス交換(情報通信)。後方からの冷静なコーチング(情報の発信)。多くの情報を整理し、最的確な決断ができるGKである1梅田 透吾の良さを表現したファジ造語。

0バックシステム
 攻撃的で積極的なオーバーラップや得点力のあるCBである5柳 育崇や23ヨルディ・バイスのCBの2選手と、SBが本職である26本山 遥といった流動性のあるDFラインを形成することで、攻守において、自由に動くことで、攻守での手厚い状態を作り、数的不利になりがちな局面で、数的有利の攻撃シーンを演出し、守備でも積極的なアクションで、事前にピンチの芽を摘み、流動性から生じる集中力と緊張感から、カバー&フォローで、リズムを作り出す戦術システムのファジ造語。

木山ファジVer1
 2022シーズンの開幕からトライした新システムの4-3-3。超攻撃的なサッカーで、7チアゴ・アウベスを軸とした、自由と個の力を前面に展開していく。選手のコンバートやルーキーの積極起用で、勢いと爆発力があった。攻撃だけではなく、前からの守備でも効果的で、嵌める・奪うから得点に繋げることのできた試合もあった。ただ、対戦チームの対策が進む中で、勝ち点3が遠く、順位を下げて行く中で、4-3-3の戦術的アップデートの一時中断からの路線変更を余儀なくされた。

木山ファジVer2
 10節という節目で採用された4-4-2。4-2-2-1-1とも言える形で、4-2-3-1とも言えるが、ダブルボランチを採用することで、攻守での安定感が高まった。有馬ファジの4-4-2とは違い攻撃的な選手と、ロングパスの得意な選手が多く、速攻を主体として、速さ・強さ・高さを前面に出して、ゴールに出したことで、今季のメンバーに寄せた4-4-2。効果的なサイド攻撃やカウンター攻撃は切れ味鋭く、中央ラインの強固さで、J2屈指の堅守となった。

ヤバスギタ山城
 柳の「ヤ」、バイスの「バ」と「ス」、喜山の「キ(’’)」、堀田と梅田の「タ」、そして本山と喜山の「山」。まさしく攻略の難しい山城。そしてセットプレー=飛び道具が効果的な組み合わせとして、岩政 大樹時代を彷彿させる高さと強さを感じる。今後も色々な選手や形を試して行く中で、より強固にして欲しい。

木山ファジVer2.5α
 現状の個の力に赴きをおいたサッカーに組織力を強化することで、攻守でのより高みを目指す。特に重視するのが、「主導権を握るサッカー」。ただ、現状は、後で回すだけに留まり、プレスを受けてしまうことやパスコースが限定される中で、前線の選手の自由が制限されてしまうことで、パスがカットされたり、ゴールに向かってシュートに行く前に奪われたりと、逆にカウンターを受ける事が多くなってしまっている。もしかすると、別の形を模索することとなるかもしれないが、現状は明確な方向性のサッカーを体現できていない。

木山ファジver3
 前半は、15ミッチェル・デュークを軸としたサッカーを展開し、7チアゴ・アウベスの投入を皮切りに、パスに赴きを置くサッカーに展開して行く中で、22佐野 航大のプレーの変化や15デュークと7チアゴの連携、SBの関与、セットプレーの回数を増やす事で、ゴールに迫るスパークをかけることで、90分間での得点機会増に繋がっている。ただ、自分達が主導権を握るサッカーという点では、依然として課題が残っている。そこを残り約10試合で、カバーできるかどうか。

雉プレス(ファジアーノプレス)
 90分間のフルタイムの間、岡山式のハイプレスを続けること。2トップ、2列目、アンカーの7選手が積極的に、前からプレスをかけて、相手の組み立てを大きく牽制し、ボールを奪えれば、強力な2トップと2列目の選手が襲いかかる。そのプレス網を抜けても最終ラインの選手が、前に出て対応し、プレスバックで、自由を与えない攻守一体の岡山式プレス。

木山ファジBEST Ver1
 木山ファジの完成形。岡山が採用してきた3バック、4バック、5バックを1つのサッカースタイルとして体現。時間帯によって形を変える事で、対戦チームの対策を許さない。個性豊か選手を巧く起用することで、個の力を最大限引き出す。チアゴタイム、本山丸、ヤバス要塞、雉プレスと組織と個を融合した攻守にアグレッシブな完成形の1つ。

木山マジック
 あらゆる選択肢と可能性にセオリーや絶対はない。挑戦から修正、そして正解に近づいて行く中で、サッカーの完成度、総合力を高めていく。チームとしての戦術の幅は広がり、対応できないサッカーにより近づく。徹底した個人戦術と、組織的に戦術を兼備。予測不可かつ大胆な起用や策は、実は最適格。正攻法もしっかり採用し、その本質を見抜く慧眼と決断する豪胆さを持った勝負師でありながらリアリスト。その一手で、勝利を手繰り寄せる。

岡山一体
 輪笠 祐士が「秋田一体」のDNAを岡山に持ち込んだ。その時と同時にチームは、コロナで主軸に陽性者が続出の危機的状況に陥った。ただ、「秋田一体」のようにチームの総力戦で、新加入の輪笠を含め、横浜FCにこそ敗れたが、結束して2勝1敗に乗り越えた。こうした経験がチームを一つにし、粘り強さと勝負強さを兼ね備えた結束力が、今の岡山にはある。

「岡山一体」のファジ造語の由来は、もちろんブラウブリッツ秋田の「秋田一体」

Okayama Style
 「ハードワーク・堅守・デュエル」の3本柱をベースに4バックと3バックのメインシステムを軸にしつつ、攻守や状況に応じて変化する可変式を採用しつつも、システム自体も変更できる点が武器で、戦術の幅が広い。自由な発想をベースに個の力も躍動。自由と組織が一体となった新しいKIYAMA STYLEとも言える2022シーズンのファジアーノ岡山のサッカースタイル。

マリオネットストラテジー
 操り人形という意味ではなく、操り人形の構造をイメージしたファジ造語。選手と監督が意図(糸)で繋がっているが、選手と監督に主体性が存在して引っ張り合っても、切れない意図(糸)。それが、絶妙な組織力として強さに繋がっている。2022シーズンのJ2においては、試合の意図したように操る。この戦い方を極めていくことで、岡山の土俵で戦える術を岡山は、磨いてきた。対戦チームには、異質(別の競技)のサッカースタイルにも映るかもしれないが、これが、Okayama Styleの完成を目指すマリオネットストラテジー(主導権を握る戦略)によって、作り出されたサッカーなのだ。

ウルフシステム
 後方の守備のバランスとパスの選択肢を増やす事で、攻守でより手堅く戦える受けの守備スタイルカラーを強めた形。スペース(隙)を少なくして、距離感を良くすることで、安定が生まれた。その結果、前線の1トップ2シャドーは、攻守でより自由に動けるようになった。中盤からのインターセプトからのカウンターの切れ味や中盤から前に出て行く推進力もこの形の武器であり、魅力。今後のオプションの1つで、雉プレスも新たなフェーズに突入した。

代表作

2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907


筆者紹介

杉野 雅昭
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。