見出し画像

自給菜園のすすめ


 種を蒔いて野菜を育てる。春は最適な季節です。最近「畑をしてみたい、野菜を育てたい」という声をよく聞きます。私のまわりに限ったことでいうと、今年ほどそういった声をあちこちから聞く年は初めてです。国民皆農とか硬い表現は以前からありましたが、もしかしたらそんな掛け声倒れでなく、さらっと皆が畑に立つ時代がやってきたのでしょうか。私はなぜか家庭菜園という言い方があまり好きではありません。何か、内向きな気がするのです。これはあくまでも私のイメージ。そこで、自給菜園という言葉にしました。家族でも、仲間とでも、いろんなつながりの人が関われる、多様な形の菜園があちこちに出現する、ともう空想しています。

自給菜園を始めるポイントをいくつかあげてみます。

画像2


① すぐに始める。
畑をしてみたい、野菜を育ててみたい。何年も「みたい」と言っている人がいます。「みたい」はなかなか実現しません。やるのは「いま」です。場所がなければプランターでもOK。「F1の種はちょっと・・・。固定種でなきゃあ。」とかはおいおい考えたらいいので、なんでもいいから直ぐに蒔く。何年も考えてる人がいますが、考えていても芽はでません。

画像2

② 菜園に名前をつける
畑でもプランターひとつでも名前をつけましょう。名前をつけると何だかとても親密になった気がします。アクセサリーでもペットでもそうでしょう。菜園も名前をつけると、いつも気にかけるようになります。たとえば菜園「えっちゃん」、朝起きると「えっちゃんどうしてるかな?寒くなかったかな?のど乾いていないかな?」となります。えっちゃん、かわいいですねえ。

画像3

③ 菜園に失敗はない。プロセスを愉しむ
プロの農家さんは失敗は命取り(ある意味大袈裟))になりますが、自給菜園は芽が出なかったり、虫に食べられたり、たくさん収穫できなかったりというのは失敗ではありません。そこでいろいろ観察したり、考えたり、次はこんなことしてみようと計画を立てたりしながら、目の前に展開される野菜たちの波乱万丈のいのち劇場を愉しんでください。育つプロセスも含めての自給菜園です。
私は耕さないで肥料もほとんど使わず自然農の畑をしています。そこで野菜が育っていくプロセスを見る・共にするのはとても楽しいことです。収量や見栄えを優先していくと見えてこない世界が見える気がしています。

画像4

④ 自給菜園は種から食卓までがひとつながり
自分で種まきして、育てて、創意工夫して食卓にのせる。そしてそのプロセスまるごとをいただきますの前に語ることで、この料理はいのちのストーリーのフィナーレになる。こんなすばらしいことを家族や仲間と共有できる。

画像5

⑤ 自給の輪をひろげよう
菜園を始めて自給するのは野菜だけではありません。野菜をたくさん自給するなんて考えずに、できたものを食べる。足りないものは買ってくればいいんです。それよりも、菜園を始めることで日々のストレスが減ったり、気持ちが大らか、晴れやかになったり、家族関係が変化したり、仲間が増えたり、そんな事も大きな意味での自給ととらえてみたらどうでしょうか?そして自給菜園の輪が広がっていったら、そこに新しい世界が見えませんか?

画像6

すぎな農園では「のらたまの庭」という農体験をしています。自給菜園を始めるために体験していただくこともできます。
また、自給菜園よろず相談の出前企画も準備中です。
くわしくはFacebookでメッセンジャーにご連絡いただくか suginanoen@gmail.comまでお問い合わせください。


すぎな農園は自然農の畑をしています。草がたくさん生えて、草のチカラで畑が豊かになっていきます。「草は宝だ」と日々実感しています。

__________________________________

竹渕進 Susumu Takebuchi
1958年群馬県東吾妻町生まれ。
花園大学仏教学科禅学専攻。上智社会福祉専門学校児童指導員科。
31歳で群馬県倉渕町に就農する。
2018年から赤城山麓に農園を移して百姓継続中。
やまの子ども農園の先生もやってます。
2020年は "みんなの自給農園 出張ファシリテーター"はじめました。
ご要望の方は、ご連絡ください。みなさんの畑におじゃまします。
__________________________________

画像7

すぎな農園
前橋富士見町で平飼い養鶏と自然農で、野菜と穀物を栽培しているすぎな農園です。すぎなは畑の嫌われもの。でも、すぎなは、珪酸をはじめ、多くの薬効ある成分を、地中深くから地表に運んでくれているのです。
“かえりみられなかったもののなかに宝はある”「すぎな農園」という名前には、そんな思いが込められています。
たまごは、ひよこからお米を中心としたエサで育てたニワトリが産んだ平飼いたまご。 耕さない畑で、農薬や化学肥料を使わずに季節の野菜を栽培しています。
お問い合わせは suginanoen@gmail.com竹渕 まで。
これまでのブログもぜひ読んでみてください。https://plaza.rakuten.co.jp/suginanouen/diary/201611190000/

photo by Eri Maruyama

この記事が参加している募集

おうち時間を工夫で楽しく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?