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ドストエフスキー地下室のラプソディ
(2018.07.19の記事の転載です)
当店金庫室での演劇3日公演「地下室のラプソディ」が無事閉幕しました。
演者である桐子さんとカウンターを通してお話をして構想を伺い、また、構想の段階でも、どんどんと変化して行きました。 リハーサルと本番も違いました。
3日間の公演の全てが一回として全く同じものではありませんでした。
日々変化し生成されて行く、その都度内側から溢れ発せられるような全力さと真剣さが、二度と繰り返されない一瞬であり、その時はそうでなければならなかったかのような・・・舞台が作られる作業そのものが「人の生きること」そのものを思わせられて感じ入るものがありました。
ドストエフスキーの「地下室の手記」をテーマに舞台を実現させたい、と聞いたときは、想像がつかず、本当にうまく行くのか心配でした。
ところが、最初は間違いなく桐子さんの頭の中にだけあったものが、照明や音楽に反映され、スタッフの方々に共有され、とうとう具現化して行きました。
その創造的な過程は、未だに、一体どうしてあんなことが実現しうるのか、不思議で驚きに満ちています。
パフォーマンスには真に迫るものがあり、断片的な台詞は、胸に突き刺さるようで、また、音楽も観客の気分の高まりを助長させたと思います。
行き場のない閉塞感のうちにあって、喘ぎながら、収まりようもなく限界を超え出ようとする人間の感情の力強さとギラギラとした生々しさ、そして祈りにも近い叫びにもにた煌めきのようなものを感じました。
パフォーマンスの影響力というものは、演劇を見て終わった人々の顔色をみればわかります。
店主と致しましては、目の前にこうして集ってくださる人たちがいること。
ましてや、一つの舞台がここから生まれるということ自体が未だ信じがたく、奇跡のように思えます。
Tetugakuyaが今ここに在るということが未だ当たり前のこととは思えず、けれども、この店を作るという人生があって良かったと心から思います。
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