菅原伸也

美術批評・理論  ユルめの感想を書く場にしたいと思います。  https://suga…

菅原伸也

美術批評・理論  ユルめの感想を書く場にしたいと思います。  https://sugawarashinya.wordpress.com/  連絡先:shinyasugawara.critique(at)gmail.com

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ネット上で読める僕の文章やインタビュー

展評 2023 「有識者が選ぶ2023年の展覧会ベスト3:菅原伸也(美術批評家)」(ウェブ版美術手帖) 「2つの監獄、そして監獄からの視点──Now and Then。ある展示とパ…

菅原伸也
4年前
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クレア・ビショップの2023年ベスト10について

クレア・ビショップが自身のブログで、ARTFORUMの編集長であったデイヴィッド・ヴェラスコが解雇されたことへの抗議として、ARTFORUMの2023年ベスト10記事を取り下げていた…

菅原伸也
3か月前
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クレア・ビショップ「『人工地獄』10周年記念再版本への序文」について

 もう一昨年のことになるが、2012年にクレア・ビショップの『人工地獄』原書が刊行されてから2022年で10年となった。それを記念して同年VERSOから10周年記念再版本が発売…

菅原伸也
3か月前
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Tania Bruguera, or on the Expanded Notion of Participatory Art

Shinya Sugawara 以前書いたこの論考のほんの少しだけ改稿した英語版です。This is the slightly revised English version of this essay originally written in Japanese…

菅原伸也
11か月前
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移民運動インターナショナルによる「移民宣言」試訳

タニア・ブルゲラがイニシエーターとして関わっていた移民運動インターナショナルによる「移民宣言」の試訳をシェアします(おそらく著作権的にも問題がないと思うので)。…

菅原伸也
1年前
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クレア・ビショップの論考「情報オーバーロード Information Overload」について

クレア・ビショップが『アートフォーラム』誌の2023年4月号に「情報オーバーロードInformation Overload」という論考(BISHOP, CLAIRE. “Information Overload.” Artforu…

菅原伸也
1年前
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「ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏」(東京ステーションギャラリー)

註)かつて2016年に「ART CRITIQUE ウェブ版」というところに投稿した文章なのだが、ページ組みまで終わってあとはサイトにアップするだけという段階になって初めて原稿料…

菅原伸也
2年前
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ボリス・グロイス「Trump’s America: Playing the Victim トランプのアメリカ:被害者を演じる」について

今回は、e-flux journal 2017年9月号に掲載されたボリス・グロイスの論文「Trump’s America: Playing the Victim トランプのアメリカ:被害者を演じる」を紹介したい。原…

菅原伸也
4年前
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ボリス・グロイス「The Museum as a Cradle of Revolution 革命の揺籃としてのミュージアム」について

今回は、e-flux 2020年2月号に掲載されたボリス・グロイスの論文「The Museum as a Cradle of Revolution 革命の揺籃としてのミュージアム」について書いてみたい。原文は…

菅原伸也
4年前
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タニア・ブルゲラ「NOTES ON POLITICAL TIMING SPECIFICITY」について

  前回の続きで、タニア・ブルゲラが「ポリティカル・タイミング・スペシフィシティ」という概念について論じた文章に関して書いてみたい。前回のクレア・ビショップの論…

菅原伸也
4年前
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クレア・ビショップ “Rise to the Occasion”

  『ARTFORUM』2019年5月号に掲載された、クレア・ビショップ “Rise to the Occasion”という文章を取り上げ、その簡単な紹介と感想を記しておきたい。原文は以下で全文…

菅原伸也
4年前
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グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』

グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』小磯洋光訳、フィルムアート社、2019年 本書の原書のタイトルは『The Descent of Man』。「The Descent of Man」でググるとまず出て…

菅原伸也
4年前
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ネット上で読める僕の文章やインタビュー


展評

2023

「有識者が選ぶ2023年の展覧会ベスト3:菅原伸也(美術批評家)」(ウェブ版美術手帖)

「2つの監獄、そして監獄からの視点──Now and Then。ある展示とパレスチナ問題に寄せて」(Tokyo Art Beat)

「現代的な、あまりに現代的な」
「ユージーン・スタジオ / 寒川裕人 想像の力 Part 1/3」展レビュー

2022

「15人が選ぶ「2022年ベス

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クレア・ビショップの2023年ベスト10について

クレア・ビショップが自身のブログで、ARTFORUMの編集長であったデイヴィッド・ヴェラスコが解雇されたことへの抗議として、ARTFORUMの2023年ベスト10記事を取り下げていたことを明かし、そのベスト10記事をブログに掲載していた。
ビショップが何を選んでいるのかは実際の記事を見てもらいたいが、ここで取り上げたいのは、ビショップが10位を「ARTFORUM, 1962–2023 (New Y

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クレア・ビショップ「『人工地獄』10周年記念再版本への序文」について

 もう一昨年のことになるが、2012年にクレア・ビショップの『人工地獄』原書が刊行されてから2022年で10年となった。それを記念して同年VERSOから10周年記念再版本が発売された。それに際してビショップが「10周年記念再版本への序文 (Preface to the Tenth Anniversary Re-edition)」という文章を新たに執筆し、10周年記念再版本に増補されている。これは、

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Tania Bruguera, or on the Expanded Notion of Participatory Art

Shinya Sugawara

以前書いたこの論考のほんの少しだけ改稿した英語版です。This is the slightly revised English version of this essay originally written in Japanese.
一番下にPDFファイルもあります。There is the PDF file down below.

Tania Bruguer

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移民運動インターナショナルによる「移民宣言」試訳

移民運動インターナショナルによる「移民宣言」試訳

タニア・ブルゲラがイニシエーターとして関わっていた移民運動インターナショナルによる「移民宣言」の試訳をシェアします(おそらく著作権的にも問題がないと思うので)。ブルゲラ研究の一環として個人的に翻訳していたものです。この宣言は、移民運動インターナショナルが2011年11月に開催した会議「21世紀の移民を再概念化する Re-Conceptualizing the 21st Century (Im)Mi

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クレア・ビショップの論考「情報オーバーロード Information Overload」について

クレア・ビショップの論考「情報オーバーロード Information Overload」について

クレア・ビショップが『アートフォーラム』誌の2023年4月号に「情報オーバーロードInformation Overload」という論考(BISHOP, CLAIRE. “Information Overload.” Artforum International, Apr. 2023, pp. 122–89.)を発表したので、久しぶりに(本格的には3年ぶりくらい?)noteを更新してざっくりと紹介す

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「ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏」(東京ステーションギャラリー)

註)かつて2016年に「ART CRITIQUE ウェブ版」というところに投稿した文章なのだが、ページ組みまで終わってあとはサイトにアップするだけという段階になって初めて原稿料が支払われないということが知らされるという最低なことをされた経緯があるので、ここに転載しておく。

ほとんど重大な出来事が起こらなかった人生を神秘化する形や、もしくはその作品の「静謐さ」や「精神性」を詩的に礼賛する形で、モラ

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ボリス・グロイス「Trump’s America: Playing the Victim トランプのアメリカ:被害者を演じる」について

今回は、e-flux journal 2017年9月号に掲載されたボリス・グロイスの論文「Trump’s America: Playing the Victim トランプのアメリカ:被害者を演じる」を紹介したい。原文は以下で読むことができる。https://www.e-flux.com/journal/84/150668/trump-s-america-playing-the-victim/ 2年

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ボリス・グロイス「The Museum as a Cradle of Revolution 革命の揺籃としてのミュージアム」について

今回は、e-flux 2020年2月号に掲載されたボリス・グロイスの論文「The Museum as a Cradle of Revolution 革命の揺籃としてのミュージアム」について書いてみたい。原文は以下で読むことが可能だ。https://www.e-flux.com/journal/106/314487/the-museum-as-a-cradle-of-revolution/ 芸術の有

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タニア・ブルゲラ「NOTES ON POLITICAL TIMING SPECIFICITY」について

  前回の続きで、タニア・ブルゲラが「ポリティカル・タイミング・スペシフィシティ」という概念について論じた文章に関して書いてみたい。前回のクレア・ビショップの論考と同じARTFORUM2019年5月号に掲載されたものようだ。以下のサイトで全文を読める。https://www.artforum.com/print/201905/notes-on-political-timing-specificit

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クレア・ビショップ “Rise to the Occasion”

  『ARTFORUM』2019年5月号に掲載された、クレア・ビショップ “Rise to the Occasion”という文章を取り上げ、その簡単な紹介と感想を記しておきたい。原文は以下で全文読むことができる。 https://www.artforum.com/print/201905/claire-bishop-on-the-art-of-political-timing-79512
  一

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グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』

グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』

グレイソン・ペリー『男らしさの終焉』小磯洋光訳、フィルムアート社、2019年

本書の原書のタイトルは『The Descent of Man』。「The Descent of Man」でググるとまず出てくるのはチャールズ・ダーウィンの同名の著書である。その邦訳は『人間の由来』もしくは『人類の進化』という題名になっている。おそらくそれなりに素養のある英語話者であれば、本書のタイトルを見るとすぐにダー

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