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短編小説から見る社会

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菅原ゼミで読んだ短編小説の書評を順次掲載していきます。書評は全てゼミ生が書いています。授業期間中の毎週末ごろ更新です。  ※ネタバレありですので気になる方はお気をつけください。
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2020年12月の記事一覧

石牟礼道子「七夕」書評

石牟礼道子「七夕」書評

今週2本目の書評も西野乃花さんになりました。石牟礼道子の短篇を書評していただきました。

石牟礼道子「七夕」(日本文藝家協会編『現代小説クロニクル1990-1994』講談社文芸文庫、2015年)

評者:西 野乃花

 この物語は、妙という女性によって語られているが、彼女とは別にもう二人の主人公がいるような感覚を覚えた。作者である石牟礼道子による詩的な言い回し、たった十六ページの長さの中に描かれ

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恩田陸 「かたつむり注意報」書評

恩田陸 「かたつむり注意報」書評

今週紹介する書評の1本目は、恩田陸「かたつむり注意報」です。評者は西野乃花さんです。

恩田陸 「かたつむり注意報」(池内紀ほか編『日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』2015年)

評者:西 野乃花

「この世ならざる者への憧れと肯定」

 旅人の「私」は、憧れの作家、シン・レイの伝記を書くためにとある町を訪れていた。その町は、芸術家たちが思索と

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三浦しをん「冬の一等星」書評(2)

三浦しをん「冬の一等星」書評(2)

今週の書評2本目です。平山大晟さんに三浦しをん「冬の一等星」の書評をしていただきます。

三浦しをん「冬の一等星」(池内紀ほか編『日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』2015年)

評者:平山大晟

 あくまで可能性の話ではあるが、我々が眠る時に見る夢は過去の経験や脳内に眠る記憶の影響を受けて形成されているのかもしれない。この「冬の一等星」はその可能

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三浦しをん「冬の一等星」書評(1)

三浦しをん「冬の一等星」書評(1)

今週の書評です。小家康寛さんと平山大晟さんに三浦しをん「冬の一等星」の書評をしていただきます。まずは小家さんです。

三浦しをん「冬の一等星」(池内紀ほか編『日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』2015年)

評者:小家 康寛

生きるためには

 この小説は、主人公である映子という女性が車の後部座席で寝ている最中に見る夢の話から始まる。しかし彼女自

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ボブ・ショウ「去りにし日々の光」書評

ボブ・ショウ「去りにし日々の光」書評

今週2本目の書評は、竹中菜南子さんです。イギリスのSF作家ボブ・ショウの短篇を書評していただきます。

ボブ・ショウ「去りにし日々の光」(大森望編『時間SF傑作選 ここがウィネトカなら、きみはジュディ』ハヤカワ文庫、2010年)

評者:竹中菜南子

 私たちが過去を思い出として振り返ることができるのは写真、動画などによってだ。それらはその当時の状況を鮮明に現在まで残すことが出来る。しかし、鮮明に

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ケン・リュウ「良い狩りを」書評

ケン・リュウ「良い狩りを」書評

今週の書評1本目は、ふたたび根本龍一さんです。

ケン・リュウ「良い狩りを」(『もののあはれ ケン・リュウ短篇傑作集2』ハヤカワ文庫SF、2017年)

評者:根本龍一

発明における功罪の表裏一体性

 いわずもがな、一つの技術の発明がもたらす恩恵と既存権益の破壊は表裏一体である。新しい技術が生まれ、この利便性が周知のものとされるとき、多くの人はこれに希望を抱き、より便利になる未来への展望を想う

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角田光代「くまちゃん」書評

角田光代「くまちゃん」書評

今週2本目の書評は成山美優さんです。

角田光代「くまちゃん」(池内紀ほか編『日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』2015年)

評者:成山美優

恋を乗り越えたとき

 恋愛小説を読むとき、自然とハッピーエンドになることを願ってしまう。恋愛はうまくいくに越したことはないが、実らなかった恋にも意味はちゃんとある。この小説は、恋愛を通して前に進んでいこう

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伊集院静「朝顔」書評

伊集院静「朝顔」書評

今週も2本の書評を紹介します。まずは江藤優多さんです。

伊集院静「朝顔」(池内紀ほか編 『日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所』2015年』)

評者:江藤優多

「年を経てなお繋がる思い出」

 年を重ねるにつれ、幼かったころの思い出は色褪せ、記憶の片隅に追いやられてしまうものである。そのような思い出が、誰しも、必ず一つや二つはあるだろう。しかし、

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