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自分の人生に、どんなふうに“子ども”を登場させるか

noteを始めて、わかったことがひとつある。たとえまだ結婚をしていなくても、なんなら付き合っているひとがいなくても。自分の人生に“子ども”というピースを、どんなふうに組み込むか。または、組み込まないか。同世代の女性のほとんどが、なんだか悩んでいる。

正直に言って、そんなにみんなが考えているとは、思っていなかった。特に、まだ産むことも産まないことも決めていない友達――いわば、子どもに関するさまざまな選択肢を残しているひとたちが、ずいぶん悩んでいる。自分の人生に、子どもをどんなふうに登場させるか、みんながそんなにも思案しているなんて、考えてもみなかった。

子どもを産むか、産まないか。私は産めるのか。産むとしたら、仕事はどうするか。辞める? 両立するなら、どんなふうに。そもそも、いつ産みたい? パートナーの意志はどうか。私の人生は、子どもでどう変わる? 自分の人生に、どんなふうに“子ども”に存在してほしい? ――ふつうの顔をして暮らしながら、一問一答を繰り返して、誰もが自分にとっての最適解を求めているみたい。

私のまわりには、子どもを産んでも仕事を手放したくない女性が多い。私もそうだったけれど、その場合は産むと決めたあとに、仕事との付き合い方を考えることになる。それまでの人生で自分が大切にしてきたことと、あらたに加わる大切なものの、ポジション取りの問題。でも正解なんてなくて、自分がここちよくいられるバランスと、それを実現するための方法を探して、なんとかやっていくだけなんだと思う。

先日受けたインタビューで「子育てをしながら、働き続ける理由は何ですか?」と、聞かれた。そういえば、考えたことがなかった。仕事が面白くて、好きだから。自分で収入を得たいから。外の世界とつながっていたいから。箇条書きの理由はすぐに思い浮かんだけれど、どれもあまりしっくりこない。結局ぽろりとこぼれたのは「自分の人生を大切にしたいから」という答えで、あとから自分でも、そうだったのかと思った。

私が妊娠したとき、友人や知人のほとんどが驚いた。祝福のあとに、たいがい「まだしばらく夫婦2人でやっていくんだと思ってた」と言われたし、何人かには「子どもはいらないんだろうと思ってた」とも言われた。周りからそんなふうに見えるくらい、私は当時の生活に満ち足りていたし、実際に「今すぐ子どもがほしい」というタイミングを迎えないまま、妊娠をした(詳しい決意の経緯はこちらの記事で)。

でも、子どもはいらないと思ったことはない。夫婦2人の生活もすごく素敵だけど、もし授かれるなら、いつかはほしいと考えていた。私が“自分の人生を大切にする”ということのなかには、自分のスタイルや仕事を尊重するだけでなく、できれば愛するひとと子どもを育ててみたい、という興味も入っていたから。自分の選択と納得にもとづいて、主体的な幸せに満ちた人生を送りたい。そのうちのひとつのピースとして、子どもが自然と組み込まれていた。

だけど、子どもを生み育てることと、私が自分の人生を生きることは、またすこし話が違う。子どもを育てるという選択は、確かに私のものだけれど、私がそれまで大切にしてきたことの代わりには到底ならない。子育ては、私の人生に加わるもの。決して、なにかに取って代わったり、なにかを奪っていくものじゃない。子どもを慈しみ育てていきながら、私は私の人生を、引き続き淡々と積み重ねていく。それが、いまの私の最適解。

Photo: 幼なじみの子どもと、私の子ども。

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