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読書日記~森達也「虚実亭日乗」

 来月、水道橋博士のイベントに森達也監督が出演するということで、日帰りで地元から吉祥寺まで往復する予定が、急遽2泊することに変更しました。
今からかなり興奮していて、「福田村事件」のパンフレットや森監督の本を引っ張り出して読んでいます。

 森監督の作品を好きになったのは深夜に見た「放送禁止歌」がきっかけだったりするんですが、放送された頃に通っていた中古レコード屋さんがかなり濃い方々が集まっていて、山平和彦さんの「放送禁止歌」も話題になったりしていたんですね。
勿論、岡林信康さんの「手紙」や「チューリップのアップリケ」辺りの事情も。

 「職業欄はエスパー」や「死刑」に「オカルト」といった作品での森監督の文章もとにかく好きでしたが、この「虚実亭日乗」は他の作品とはちょっと違った感じで好きな作品なんですよねー。
じゃ、行ってみよー。

・森達也」虚実亭日乗」(紀伊國屋書店)

 この本は元々、紀伊國屋書店が出しているフリーマガジン「scripta」に連載されていたものをまとめたものでして、文芸PR誌を読み始めた時期、ライヴを見学する前に読んでいたらあまりにも面白くて、森達也さんの印象が結構変わってしまったんですよね。
帯にある通り、「(前略)フェイクドキュメンタリーを活字で試みる意欲作」な印象を持ったんですよ。

 私が初めて読んで感動したのはラジオ局の「不思議の国のアリス」出演前に藤井誠二さんと緑川南京さんが大喧嘩してしまい、渡辺真理さんがたしなめるという内容だったのですが(一部変名あり)、完全に冗談だとはわかっていても、それぞれのキャラクターがメチャクチャ上手く表現されていて、電車で笑いをこらえるのに必死だったんですねー。
森達也さんといえば、シリアスなテーマを真面目に描く監督だし、文章家だと思ってましたから、かなり意外だったわけです。
その時点では「scripta」をどこで入手したかわからなかったし、そもそも月刊誌なのかすらわからなかったわけですよ(実は季刊誌でした)。
奥付にその辺が書いてなかったので、近くの書店に行く時は必ずチェックするようになりました。
が、森達也さんの連載は読み始めてから、割とすぐ終わってしまったはずです。

 単行本が出た2012年には、その藤井誠二さんと緑川南京さんの大喧嘩を読みたくて、出たばかりの時期に購入してますね。懐かしい。。
この単行本で素晴らしいと思ったのは、最後の1ページに書かれている言葉でした。真面目な話。

 ではまたー。

 

 

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