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読書日記~水野仁輔「カレーライスの謎」の巻。

・水野仁輔「カレーライスの謎」(角川SSC新書)

 この本の出だしには、タモリさんによる名言が書かれています。

「おふくろのカレーが一番うまいという男を私は信用しない」というものです。

この言葉におもいっきり納得してしまうのは、自分で作るカレーが自分の好みに一番合うものを作ることができると思うからです。

 小学生の頃に家で作っていたカレーを思い出すと、母と父方の祖母のどちらかが作ったものでした。
共通しているのはハウスバーモントカレーのルーを使って、かなり水っぽい仕上がりだったことです。
二人ともかなり節約精神が強かったのか、目分量で作るカレーは水っぽくて薄味だった記憶があります。

 ちなみに私が外食する時、必ず食べていたのは、これまたカレーライスでした。
家で作るカレーに比べて複雑な味がして、かなり辛いといつも思っていましたね。
ま、当時食べたものは特別美味しいカレーだったわけではなく、所謂業務用のカレーが中心でしたけど。
それと添えてある福神漬も特別なものに思えたのです。

 カレーに私がこだわるようになったのはある漫画との出会いがきっかけでした。

・杉村啓「グルメ漫画50年史」(星海社新書)

 それは「包丁人味平」という週刊少年ジャンプに連載されていた作品です。
カレーを作る際に醤油を入れて一晩寝かせる味平カレーを作ったのが、自分で作るカレーとして初めてのものだったのです。
野菜と肉を炒めてルウを投入し、醤油を隠し味として入れたまでの記憶はありますが、実は味のことは全く覚えてないんですよね。
捨てた記憶がないので、そこそこの味だったのではないでしょうか。

 ちなみに「包丁人味平」が連載されていたのは、あまりにも昔過ぎる話なのですが、(私が)中学から高校にかけて、原作・牛次郎さん&作画・ビッグ錠さんのコンビで描かれた作品があります。
月刊少年マガジンに連載されていた「スーパー食いしん坊」です。
この作品に載っていたレシピは今でも参考にしていますね。
簡単に書きますと、玉ねぎのみじん切りを鍋にラップに穴を開けて水を入れずにずっと待ちます。
漫画ではパイナップルを入れていましたが、それだと甘くなりすぎるので、トマトを代わりに入れて煮込みました。肉は確か鶏肉を使った記憶がありますね。
このために買ったS&Bのカレー粉と小麦粉を炒めたものを入れて、塩コショウで味を整えて完成といった感じでした。
これはなかなか美味しく出来て、カレーのルウを使う形で何度も作っています。

 大学に入って、一人暮らしを始めてからはことあるごとにカレーを作りました。
が、水の関係があったり、すぐに傷んでしまったり、と失敗することも多々ありましたね。
大学を卒業してからもカレーを作る日々は続きまして、料理本のカレー特集は必ず買って読んでいました。
一番役に立ったのは料理雑誌「dancyu」の別冊カレー特集でしたね。有名店のレシピが載っていたり、色々と参考にしました。

 「カレーライスの謎」を読むと、カレールウの進化やレトルトカレーの歴史など、自分がカレーに苦労したことを思い出してしまうのです。
実家に戻って、カレーの作り方もまた変わってしまったのですが、こうして書いているうちにまたカレーを作りたくなっています。

 カレーに限らず料理本をじっくり読みながら料理したいですね。日々の生活にいっぱいいっぱいで、楽しんで料理することがなくなったからです。

 明日はまた隠れ名曲、名演コレクションを書いてみたいと考えています。

 ではまたー。

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