菅井 篤/教育心理学研究者

教育方法と学習効果の研究者です。以前は、小学校の先生でした。今は、学校の先生の卵の温め…

菅井 篤/教育心理学研究者

教育方法と学習効果の研究者です。以前は、小学校の先生でした。今は、学校の先生の卵の温め役です。著書「研究者の子育て」「アクティブ・ラーニングを拓く学習環境のデザイン」ほか。リサーチマップ:https://researchmap.jp/sugai_a

マガジン

  • 無料記事【学術研究をみんなのために】

    無料で読める以上の価値があると感じ、有意義な知識を得ることができたと感じたら、「気に入ったらサポート」からお心づけをいいただければ幸いです。学術研究を向上させ、教育現場へ還元させるための教育研究の資金に充てさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

  • 教育研究活動報告

  • 担当講義録

    担当した講義録です。ご活用ください。

最近の記事

  • 固定された記事

菅井 篤/研究者Profile

Publication 学歴・2007年3月 茨城県立日立第一高校 卒業 ・2011年3月 横浜国立大学教育人間科学部 卒業 ・2017年3月 横浜国立大学大学院 教育学研究科 修士課程 修了 ・2021年4月ー現在 東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科 博士課程 職歴・2011ー2012年 川崎市北部児童相談所 児童虐待専門相談員 ・2012ー2018年 桐蔭学園小学校 教諭 ・2018ー2021年 開智望小学校 教諭 ・2019年10月ー2020年2月 横

    • 豊富な教育経験のある先生がもたらしてくれる恩恵について

      教師自身が学ぶための資源になる教育経験教師の資質・能力の向上(=教師教育)は、今までもこれからも学校教育における大きな課題です。その課題解決のための答えは、一義的に正解が定まるようなものではありません。「指導力」という言葉で語られる教師の専門的スキルは、いかにして、育まれているのでしょう。 学校現場で毎日、教育指導に徹している教師が、児童生徒と共にさまざまな経験を積んでいることは間違いのない事実です。一方で、教師には教員研修など、学校現場を離れて、教育を受ける機会があります

      • ADDSと菅井研究室の合同ゼミ開催報告!!

        2022年6月9日(木)に、特定非営利活動法人ADDSの理事 加藤愛理さんをオンラインでお招きしました。 ADDSは子供たちへの発達支援に取り組むNPO法人です。私は学生の時にADDSの学生セラピストの1期生として、発達障害について学ばせてもらった経験があります。そのような繋がりから、本ゼミの研究にご助言をいただくことになりました。 本ゼミには、小学校教員を目指す学生が所属しています。教育支援に発達障害への理解は不可欠です。発達障害児支援の一線で活躍するADDSの加藤さん

        • 3年ゼミにConnection of the Childrenの代表理事加藤功甫さんをお招きしました!

          2022年5月26日(木)に特定非営利活動法人 Connection of the Childrenの代表理事 加藤功甫 氏をオンラインでお招きしました。 国際色豊かな教育経験の視点から、本研究室での研究に助言をいただきました。また、最後には「未来百景Project」のワークショップを開催いただき、学生共々にぎやかに取り組みました。 できあがった「未来百景」がこちら(抜粋)。 加藤さん、どうもありがとうございました!

        • 固定された記事

        菅井 篤/研究者Profile

        マガジン

        • 無料記事【学術研究をみんなのために】
          9本
        • 教育研究活動報告
          2本
        • 担当講義録
          2本

        記事

          教育は人を変えられるか、という問いから学校での体罰問題をひも解く

          ある高校のスポーツチームでの暴行問題が、最近のニュースの話題になっています。 指導者から暴行を受けている部員の動画がSNSで拡散され、その後、暴行を受けた生徒を含めたスポーツチームが謝罪動画をアップした、という経緯があります。その後、謝罪動画は削除されました。 こうした躾、あるいは体罰とラベリングされる暴行行為は、なぜ教育的指導として、生徒、指導者に許容されてしまうのでしょうか。本記事では、この問題を2つの点からひも解いてみましょう。 1.教育は人を変えることができる、と

          教育は人を変えられるか、という問いから学校での体罰問題をひも解く

          変わる報道番組ABEMA Prime #アベプラに出演するまでの話

          変わる報道番組#アベプラ【平日よる9時~生放送】 - ABEMAに出演しました2021年12月16日(木)21:00~22:00の放送でした。 なぜ出演することになったのか放送当日の午後3時ごろ、大学事務から研究室に電話がありました。 「TV局の方が、先生(私)とお話がしたいと、外線が入っているので対応してほしい」とのことでした。代わってみると、テレビ朝日アベマプライムのディレクターの方から、「愛知県の中学生刺殺事件の被害者保護者への批判があることについて意見を伺いたい。先

          変わる報道番組ABEMA Prime #アベプラに出演するまでの話

          国際バカロレアPYP認定小学校:教育特徴のまとめ

          国際バカロレアとは?国際バカロレア(International Baccalaureate:以下、IB)とは,グローバルな人材育成を目指す「国際教育プログラム」、及び「大学入学資格」です。日本では IB 認定校等を200 校以上に増やす政府の方針で,IB 教育の導入が急激に増加 しています(2015 年 35 校→2021 年 175 校、2021/12/31時点)。 2021年3月31日時点で、IB 初等教育プログラム(Primary Years Programme:以下

          国際バカロレアPYP認定小学校:教育特徴のまとめ

          デザインド・リアリティ〈有元典文・岡部大介 著〉大学横断読書会の開催

          【増補版】デザインド・リアリティー集合的達成の心理学〈有元典文・岡部大介 著〉北樹出版の大学横断読書会を開催しました。 こんなことから読書会は始まりました2018年度センター試験国語に出題された有名な書籍です。このような読書会が開催されたのは、twitterでのひょんなきっかけです。東海大学富田先生がこんなtweetをしました。 すると、まさかの著者ご本人の横浜国立大学有元先生からのリプライがありました。 そして、もう一人の著者、東京都市大学岡部先生からのリプライがあり

          デザインド・リアリティ〈有元典文・岡部大介 著〉大学横断読書会の開催

          子どもが話す 「ウソ?」「ホント?」の真実

          「親なんだから」とか「毎日一緒にいるんだから」とか、何か理由をつけて子どものウソとホントを見抜けているつもりになっていませんか? 実は、それ、当てにしない方がよいのかもしれません。 子どもはいつから嘘をつくの?Law and Human Behavior(法と人間の行動)というアメリカ心理学会の研究 ジャーナルの記事の内容をお伝えします。これまで子どもがどれだけ他人に嘘をついて、その嘘がどれだけ見抜かれているかの研究は少なく、その実態が明らかになっていませんでした。しかし

          子どもが話す 「ウソ?」「ホント?」の真実

          学習効果を上げる “Revoicing”

          学習は共同作業学習は、個人の独力で行われるものではありません。子どもは、コミュニケーションを通じて、わかり合ったり、共にできるようになったりしながら、知識を生成し、理解を深めていきます。 学習内容を丸暗記してしまうような勉強をしていたら、その知識は生きた知識として日常生活で使っていくことができなくなってしまいます。 学校教育の目的は「転移」教育の目的のひとつは、学習したことを、日常経験文脈へ転移させることです。簡単に言うと、知識を、日常生活でたくさん活用できるようにするこ

          学習効果を上げる “Revoicing”

          グループワークでの発話量と学力の関係の話

          個人学習よりも、グループワークの方が成績が良くなるという研究があります。(詳細は下記リンクより) グループワークはコミュ力の高い子向き!?我が子の成績向上を目指すならば、我が子をグループに放り込んで、友だちといっぱい言葉を交わしながら、勉強すればよいというように思うかもしれません。 友だちと仲良くおしゃべりしながら勉強をする子どもたちを見ていると、親も先生も誰もが「楽しそうに勉強していていいなあ」と感想を持つでしょう。いっぱいしゃべって、子どものコミュニケーション力もつい

          グループワークでの発話量と学力の関係の話

          「教えない授業」が成績を上げる!?学校での学習を効果的にする方法

          先生の話を聞くだけでは学校の成績は上がらない家庭で我が子に、こんな声をかけていませんか。 「先生の話をしっかり聞いて覚えなさい。」 「授業中は静かにするのよ。」 学校では、静かに話を聞くようないわゆる「いい子( ?) 」でいることが、成績向上につながるのでしょうか。 教えない授業と子供の成績2014年、横浜市内の小学校で、ある研究が行われました。そのテーマは「子どもが漢字を効率よく覚えるには、どうしたらよいか」です。研究はとても簡単なものでした。 (詳細は、下記の書

          「教えない授業」が成績を上げる!?学校での学習を効果的にする方法

          子育てストレスへの対処法

          ストレス・コーピングについて知っていますか。本記事では2011年に発表された研究を紹介します。 小学生の子どもを育てる母親が感じているストレスとコーピング(対処)についての研究です。 ストレスとは?子どもを育てている母親は日々、多くのストレスに直面しています。ストレスという言葉は、もともと工学用語なのですが、1936年にカナダのセリエという学者が「刺激を起因とした生体反応」をストレス理論として提示したことに始まります。 小学生の子を持つ300人の母親に調査研究では、計3

          子育てストレスへの対処法

          Publications

          学位論文1.菅井 篤(2011)児童期の発達障害児を持つ母親のストレスに対する支援の可能性 横浜国立大学教育人間科学部卒業論文 2.菅井 篤(2017)初等教育におけるアクティブ・ラーニングの効果の実践的検討-「教え合い活動」による漢字学習を事例として- 横浜国立大学大学院教育学研究科修士論文 査読付き論文1.児童期の発達障害を持つ母親のストレスに対する支援の可能性(2011) 菅井 篤・高木秀明 横浜国立大学大学院教育学研究科教育相談・支援総合センター研究論集,教育相談

          学校の勉強が難しいのはなぜ? 勉強がもっと楽しくなる学習法

          勉強が難しい。それでも、「よい成績を収めたい!」と誰しもが考えることでしょう。そもそも、年齢や学年が上がると、勉強が難しいと感じることが多くなるのはなぜなのでしょうか。どのように勉強の難しさに立ち向かえばよいのでしょうか。 勉強とは学ぶこと。学ぶことはリスクがあること。学年が上がるにつれて「勉強が難しくなった」と感じる機会が多くあるでしょう。もしそうならば、小学生・中学生・高校生はみんな、難しい勉強をどうやって克服していけばよいのでしょうか。 このような勉強の難しさに立ち

          学校の勉強が難しいのはなぜ? 勉強がもっと楽しくなる学習法