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「質問力」を身につけると、人生を思い通りにコントロールできる、という話。

私は他人との会話で質問をするのがあまり得意ではない。「わかるー」「そうだよねー」という共感や、「えーそうなの?」「びっくり!」という感嘆はよく表現するけれど、そこで会話を止まらせたり、相手を自分の土俵に引き込んだりしがちだ。

もちろんキャリアコンサルタントをやっているので、仕事上では相談者に対して問いかけ・質問などで自問自答してもらうことはよくある。むしろ得意なほう。でも仕事で出来るからと言ってプライベートでも意識しているかと言われると別だし、日常会話が自問自答ばっかりだと相手も疲れるはず。

そんな背景があり、質問力を身につけたいと思って読んだ本が
「いい質問が人を動かす」

著者はメディアでも活躍されている弁護士の谷原誠さん。弁護士だけあって、相手をコントロールする質問の威力というものを実体験をもとに知ることができる。特に法廷での弁護人質問などは読んでいて「なるほど」と思うところが多い。

そんな質問力について、日常や仕事上でも活かせる点をいくつかピックアップしてみた。

1、質問が持つ力

質問は、相手を強制的に特定の方向で考えさせる力を持っている。
たとえばいま私があなたに質問をするとしよう。
「なぜ、いま質問する力が求められてると思いますか?」
こう質問されると、あなたは「なぜ求められるのだろう?」と考えますよね?
そう考えさせてしまうことこそが、質問の力である。
質問力を手に入れれば自分の思う方向にコントロールできるからこそ、質問に対して丁寧に向き合う必要がある。

2、質問の種類

良く知られている「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」について、ここではより詳しく記述されている。
※ちなみに、クローズドクエスチョンはYES,Noの2択で答えられる質問で、オープンクエスチョンは2択では答えられない、5W1Hを用いた開かれた質問のこと。

それぞれを目的に合わせて使い分けることが大事というのは言わずもがなだが、さすが弁護士という視点で使いわけられている。例えば・・・

オープンクエスチョンを使う場面
・自由に話させたい時
・相手自身に方向性を打ち出してほしい時
・考えてほしい時
クローズドクエスチョンを使う場面
・余計な話をしてほしくない時
・誘導したい時
・自由に考えさせたくない時

また、それぞれのクエスチョンをさらに細分化している。

①フルオープンクエスチョン「この本はどうですか?」
 ⇒制限なく自由に考え答えてもらう
②セミオープンクエスチョン「この本を読む目的は何ですか?」
 ⇒目的により制限している
③セミクローズドクエスチョン「本をどんな場面で活かしたいですか?」
 ⇒仕事という制限と場面という制限を加えている
④フルクローズドクエスチョン「この本は好き?嫌い?」
 ⇒答えは2つしかない

3、会話を続ける上での最適な質問タイミング

会話のティッピングポイントを逃さず、相手の自尊心を満足させながら質問を繰り返すと会話が盛り上がる。
たとえばこんなシーンが来たら絶好の質問のチャンスだと思おう。

・相手にとって自信がある話題
・相手にとって関心がある話題
・相手が心地よい話題

※今がチャンスかどうかが分からない時は、質問ブーメランで相手の関心や自信があるかを見抜いてみよう。

4、「なぜ?」という質問には注意が必要

欲しい情報を過不足なく答えてもらうためには、5W1Hが求められるが、特に「WHY」の使い方だけは注意が必要だ。その理由は、人は「なぜ?」と聞かれたら「なぜなら~」と論理的に答えなければいけないと頭を働かせ、時に苦痛を感じるからだ。なので、相手に気持ちよく答えてもらい、且つほしい情報を得るためには「なぜ」を言い換えることも必要だ。

「なぜそんなに怒っているの?」を変換するならば、

【WHAT】何が気に入らないの?
【WHO】誰のことを怒ってるの?
【WHEN】いつのことを怒ってるの?
【WHERE】どこで起きたことを怒ってるの?
【HOW】どうすれば怒りが収まるの?

などに言い換えることで、相手が具体的かつ気持ちよく答えをイメージできる。(もちろんビジネスの場面では論理的な答えを求めることもあるので、なぜを使うこともたしかだ。)

5、喜んで質問に答えるのはどんな相手からか?

質問の話にフォーカスしてきたが、人間は感情を持つので誰が質問するかによって答え方を使い分ける場合もある。つまり好きな人の質問には何でも答えてしまうもの。我々がよき質問者になるためには、相手に好意を持たれることがなにより必要になる。そうすれば、相手は喜んで情報を提供し会話を楽しんでくれる。

そして、人に好かれるための6つの法則(by心理学者R・チャルディーニ)も紹介されている。それは、

①外見の魅力
②類似性
③賞賛
④単純接触効果
⑤協同
⑥連合

そして、この6つ以上にもっとも効果があるもの。

それは、「その人を好きになること」である。

読み終えて

キャリコン養成講座時代の恩師の言葉を思い出した。
「相手に興味・関心・好意を持ち、全神経を100%相手に注ぎこむこと。会話が途切れたり気まずくなるのは、関心の矛先が自分に向いているからだ。それを直すことがスタートラインだ。」
質問の技法ならたくさん学んできたけど、一番大切なことはそういうことなんだ。
と思い出したので、改めて頭に留めておきたい。

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