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神が細部に宿るファンタジーな韓国ドラマ8本

韓国ドラマを観ていて感じることのひとつが、「ファンタジーとしてのクオリティの高さ」。近年の作品は予算規模も大きいのか、映像美や技術が際立つ印象のものもたくさんあります。結構これは日本のドラマと比べてしまうポイントでもあって、近しさもある隣国が舞台とはいえ、ただでさえ外国の作品という非日常感があるところに加えて、違和感なく仕上がっているファンタジー世界に感銘を受けることもしばしば。今回はその視点で作品を選んでみました。

ザ・キング: 永遠の君主(イ・ミンホ、キム・ゴウン)

何せ設定が「パラレルワールドを跨いだラブロマンス」なので、ファンタジーとしての質が高くなければ成立しません。とはいえ、主人公ふたりの生きるそれぞれの世界(大韓民国と大韓帝国)は普通の人が暮らす現実世界を下敷きにしているので、ちゃんと庶民的なリアリティを保ちつつ、別世界と行き来する場面であったり壮大な王宮の景色、騎馬での闘いなど要所要所にかなり細かい仕事を感じさせます。韓国エンタメの本気を感じた一本。

「ザ・キング: 永遠の君主」 - 圧倒的な世界観に散りばめられた極上のエピソード群

シーシュポス:The Myth(チョ・スンウ、パク・シネ)

タイムトラベルを軸に、SFに真っ向勝負を挑む本作品。戦争を経て荒廃してしまった未来から世界を救うためにやってきた(めちゃめちゃ戦闘能力の高い)美少女と(イケメンの)天才科学者が、協力して悪に立ち向かい時空を超えたロマンスを育む王道も王道のドラマです。この王道さをもってして安っぽくならないのはまさに韓国ドラマ(とNetflix)の実力。

「シーシュポス:The Myth」 - 戦闘と幻想、巡りめぐる世界線を楽しむ

悪霊狩猟団: カウンターズ(驚異的な噂)(チョ・ビョンギュ)

うどん屋を営むおじさんとおばさんと綺麗なお姉さんとちょっと頼りない男子高校生がお化け退治をするという、なんというか「面白い漫画の設定」独特の気配がぷんぷんするドラマ。かくしてそれを実写でまったくもって不足なく描き切っているのが本作です。映像はもちろんアクションなど役者の演技まで含めて実にハイクオリティ。なんなら最後は号泣してしまうので言うことありません。

「悪霊狩猟団: カウンターズ(驚異的な噂)」 - 痛快なのに愛が満ちて泣けるSF

Sweet Home -俺と世界の絶望-(ソン・ガン)

徹底した映像クオリティというより、最初はどこかディズニーランドのアトラクションにでもいそうな愛嬌と隙を感じさせるゾンビたちに不思議な違和感をおぼえます。が、このゾンビたちがどこから来たのかが分かってくると、むしろそこにリアリティが生まれるから面白いのです。人と人ならざる者の境界を手を抜かずに描く世界観が圧巻。

「Sweet Home -俺と世界の絶望-」 - 人を傷つけるのも癒すのも人

トッケビ(コン・ユ、キム・ゴウン)

時代劇なシーンもあればカナダでの撮影も交えたスケールの大きさを誇るこのドラマは、とにもかくにもビジュアルが美しい。盛りだくさんにも程がある要素をまとめあげている脚本力にも感服しますが、全てを納得させ、最後には言葉にならない感動を残してくれるファンタジーな世界を映像で実現していることが凄いです。

「トッケビ」 - 圧倒的パワーを感じさせる"最後まで作りきった"ドラマ

ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた(ソ・イングク、パク・ボヨン)

死や破壊といった「滅亡」を具現化した存在が主人公という設定の難しさを、軽快に巧みに映像で表現する意欲作。ラブロマンスとしての美しさも徹底して描き、「死」というテーマに新たな視点をもたらしています。ソ・イングク演じる「滅亡」の特殊な能力をスタイリッシュに魅せてくれるファンタジー力の高さに注目。

「ある日、私の家の玄関に滅亡が入ってきた」 - "死"が人を愛するとき

星から来たあなた(キム・スヒョン、チョン・ジヒョン)

宇宙人と女優という前代未聞の組み合わせによるロマンス。全力のファンタジーなのに思い切りラブコメ。時にサスペンス。最終的には大号泣。これができてしまうのが韓国ドラマの凄みです。こればかりは、言葉で説明するよりとりあえず観て欲しい作品。SFというものへの認識が変わります。なお私はひとえにパク・へジン推し。

「星から来たあなた」 - 食べたいものを全部並べてみたような満足感を

アスダル年代記(チャン・ドンゴン、ソン・ジュンギ)

正直このドラマを観たとき、SFとしてこれ以上の作品を作るのは難しいのではないかとすら感じました。とにかく壮大でありながら、日本の大河ドラマ的な物語の奥行きと地に足のついた人間模様、そして突出した役者たちの演技。SFと言っても舞台自体は狭い範囲の世界を描いていることが多い気がするのですが、この作品はなんだか地球を感じさせるような、そんな不思議な感覚に陥りました。ファンタジーに必要なのは「やりきること」だと思わされた一本です。

「アスダル年代記」 - 覚悟を感じるスケールで描く人間の欲望

シンプルに言えばお金がかかっているということなのかもしれませんが、実写のファンタジー作品で感動をもたらすというのは並大抵ではないと思います。個人的にはそこに、今こうして市場を圧倒している韓国ドラマのパワーを感じてピックアップしてみました。本当は他にもいっぱいあるのですが…!まずはこの辺で。


▼その他、ドラマの観賞録まとめはこちら。

喜怒哀楽ドラマ沼暮らし

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