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上海の穴場古鎮で日帰り旅 〜穴鎮めぐり 新場古鎮〜
上海観光といえば外灘や豫園に南京路歩行街など、絶対に外せない代表的スポットが多数あるが、風情ある中国を楽しむなら郊外の水郷古鎮がオススメだ。「キラキラ上海」に飽きたら「しっとり上海」を楽しんでみるのも良いかもしれない。
「水郷古鎮」とは、上海・江蘇省・浙江省エリアにある、水路や昔ながらの住居・生活様式が残る古い街並みのことで、古鎮によっては数百年、数千年の歴史をもつものもる。現在では観光地化され商業スポットとしてリノベーションされている古鎮も多いが、当時の状態のまま保存されている古鎮もまだまだたくさん残っている。
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上海近郊で特に有名なのが上海市西部の「朱家角」と蘇州市の「周庄」あたりではないだろうか。さすが水の都蘇州と言われるだけあって、水郷古鎮も立派なものだ。休日には古き良き中国を求める観光客で賑わっている。
だがしかし、私は人混みが嫌いだ。特に中国の人混みが大嫌いだ。あの人たちは避けない、ぶつかってくる、不良マンガなら次のページで血祭りになっていることだろう。でも古鎮は好きだ。それなら人の少ない古鎮に行こう。そこで登場するのが穴場の鎮スポット、「穴鎮」だ。今回は上海東部の「新場古鎮」を紹介しようと思う。
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市内から90分の旅
2019年5月、思いつきで人混みの少ない古鎮を目指す。当時はまだ感染症も発生しておらず、どこへ行くにも思い立ったらすぐ行動ができた。2022年5月現在での新場古鎮へのアクセスは、上海市内から地下鉄16号線「新場駅」で下車し、新場古鎮行きのバスに乗り換えるのが最もスマートだ。出発地点にもよるが移動時間は60〜90分程度だろうか。
でも私は車窓からの景色が好きだ、ここからゴールまでバスで行ってやろうではないか。人混みが嫌いとか車窓が好きだとか、いい歳こいてわがままが止まらない。今回は上海交通大学が出発地点、まずは浦東の龍陽路駅まで向かうバス「大橋六線」に乗車。路線名が大橋巨泉っぽい。
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龍陽路駅のバスターミナルから、快速線「龍港快線」に乗り換え、新場古鎮へと向かう。流れる景色を眺めながらの移動時間合計はたっぷり2時間半、長い。帰りは確実に地下鉄をチョイスすることだろう。
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塩から生まれた新場古鎮
12世紀の南宋の時代、海水から塩を精製することで、元々この辺一体は塩の一大産地であった。その後生産基地の移転を行い、その新たな場所として「新場古鎮」が誕生した。集落としてもとても栄えていた。
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新場古鎮へ到着すると、まさに私にぴったりのサイズ感と混雑具合、やはり鎮は穴場がベストチョイスだ。また、それほど強力に商業化リノベーションされておらず、適度に昔ながらの民居や生活様式、草木など自然も保存されている。
お店に並んでいる物といえば地元のグルメや民芸品など温かみのある商品が多く、観光地でどさくさに紛れて売られている貴金属品やアイラブ上海Tシャツなどは見当たらない。ナイス穴鎮。
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鎮ぶらではさまざまな軽食を楽しむことができる。中でも豆腐花は軽めにお腹を満たすにはおすすめだ。鶏スープに豆腐を浮かべ、海苔やネギ、干しエビなど薬味を加えた、食べ応え満点のスープがするりと胃に収まる。朝の市場の豆腐花のデラックス版と言えば分かりやすいだろうか。
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メインストリートと交差して流れる水路は、石畳の通路や緑に囲まれた橋など、古鎮ならではの風景を手にとって感じることができる。また、水路沿いには地元料理を提供するレストランや茶館も多く、いつかみんなで円卓を囲んでみたい。
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古鎮内には古民家や屋敷を改装した博物館や芸術館も有り、ここへ訪れた際にはぜひ足を運んでいただきたい。新場古鎮の歴史やアート作品を静かに楽しむことができる。
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新場古鎮最南端の南山古寺
水路や土産物屋の立ち並ぶ観光・商業スポットは、南側の石門を境に住居エリアへと落ち着いた街並みへ変化する。石畳の通路と白壁の民家が並ぶ路地が続き、まるで中国を舞台にしたオープンワールドゲームの中を歩いているような感覚だ。
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住居エリアを抜けると新場古鎮最南端に仏教寺院の「南山古寺」がある。1306年に開山された南山古寺は、紅葉の季節になると多くの参拝客で賑わう。真反対の季節のこの日は客ゼロだった。おかげで広々とした敷地や建物を静かに見学することができた。
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新場古鎮メインストリートと博物館&芸術館、そして南山古寺をぐるっと散策して3〜4時間、往復の移動時間を3時間と考えると、休日一日を使った小旅行にはちょうど良いサイズ感だ。
上海にはまだまだ「穴鎮」こと穴場の古鎮が多数ある。過去に訪れた穴鎮、これから訪れる穴鎮、また機会があれば足を運んで写真を撮って記事を書いてみようと思う。もちろん行きはバスだ。
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