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百冊で耕す┊︎人を愛するってどういうこと?

本を読むとは忍耐のあることだと書いた。もっといえば、本を読むとは、孤独に耐えられるということも意味する。世界に一人きりになっても、本の世界に遊ぶことができる。
それはつまり、人を愛せる、ということだ。

p217

人を愛するってどういうことだろう。
『幸せになる勇気』に「自立とは誰かを愛すこと」という内容が書かれていて、わたしはそれがどういうことなのか知りたいのだ。

大切に想う相手に何かをしてあげたい、何かをして喜んでもらいたい。
そう思ったり行動すること事態は愛情であろう。
しかし、時にはその言動が相手にとって不要であったり、余計なお世話、むしろ嫌なことの場合もあったりする。

この場合に「こんなにしてあげてるのに!」「あなたのためなのに!」と押し付けてしまうのは愛じゃない。
それは他者への愛ではなく、利己愛。

よかれと思ってしたことを断られれば、悲しいし怒りが湧く。
けれどもそれをぐっと堪え、自分も相手も受け止める。これこそが愛なのではないか。
だとしたら愛には忍耐が必要だ。

そして断った方も「私を想ってしてくれたんだよね、ありがとう」という感謝の気持ちを贈る。これも愛には必要なんじゃないか。
余計なことをされて心がザワザワしていたりもするけれど、相手の愛情事態はきちんと受け取っておく。

こういうのが愛し愛されるということなんじゃないだろうか。
自分の人生を振り返ってみると、「愛されたい」が先行した言動では自己と他者が傷つく場面が多かったような気がする。

この問題のなにが難しいかというと、常に「愛す」立場てあり続けるのが至難であること。
人間、調子を崩して落ち込んだり不安なときには無意識的に愛されたいがゆえの行動をとるものだ。

「自分が愛す」と「愛されたい」を行ったり来たりしながら進んでいくんだろう。
それはとてもめんどくさい。
でもきっとそれが自己と大切な他者を守るんだと思う。

そうそう。もし世界に一人きりになったら、本を読むくらいしかやることなさそうだなぁ。

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