鼻呼吸のメリット
みなさんこんにちは!パーソナルトレーナーの吉田です。
前回は「口呼吸と睡眠時無呼吸症候群」と題してお送りしてきました。
今回は「鼻呼吸のメリット」と題してお送りしていきます。
■前回のおさらい
◾️「睡眠時無呼吸症候群」には
・口や鼻から肺の入り口である声帯に至る空気の通り道が細くなるために発生する「閉塞型」
・呼吸を調整する脳の働きが低下するために発生する「中枢型」
・上記の両方が関係する「混合型」
があり、この内「中枢型」の睡眠時無呼吸症候群は「中枢性睡眠時無呼吸症候群」と呼ばれ、「脳から呼吸指令が出なくなる、呼吸中枢の異常によるもの」とされている。
◾️中枢性睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因の1つが睡眠中の「口呼吸」。
◾️口呼吸を改善することは、中枢性睡眠時無呼吸症候群の予防にも繋がる。
詳しくは、ぜひ前回の記事もご参照ください。
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■呼吸の基本は鼻呼吸
呼吸の基本は鼻呼吸です。
その理由は何点かあるのですが、そもそも口は呼吸できる使う器官ではなく、胃や腸などと同じ「消化器」に分類されているんですね。
一方、鼻は呼吸で使われる「呼吸器」に分類されています。このことからも、呼吸は鼻で行う、すなわち「鼻呼吸」が呼吸の基本と言えるのです。
例外は走ったりでスポーツなどの激しい運動を行っている時のような、通常よりも拠り所多くの酸素を必要な場面ですね。このような時には補助的に口も使って呼吸を行います。
しかし、普段のリラックスした呼吸(安静呼吸)は鼻呼吸が基本です。
■鼻呼吸のメリット
ここからは「鼻呼吸のメリット」と題して、鼻呼吸の利点をいくつかご紹介していきます。
●鼻呼吸のメリット① 呼吸のし過ぎを防ぎ、体内環境が安定する。
鼻呼吸のメリットの1つが「呼吸のし過ぎを防ぎ、体内環境が安定すること」です。
「呼吸を多くし過ぎること」はかえって脳や身体への酸素の供給が正常にできなくなり、健康に悪い!これまでご紹介してきました。
※詳しくはこちらの記事もご参照ください。
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鏡でご自身の顔を見るまでもなく、口と鼻の穴の大きさを比べると、圧倒的に大きいのは口です。
鼻の穴は小さく、狭いうえに鼻毛や粘膜などがあるため、口から息を吸うよりも、鼻から息を吸うときの方が空気が通りにくくなります。
(実際に鼻呼吸は口呼吸に比べて、約50%多く抵抗が発生すると言われています)
そのため、空気を多く吸い過ぎることがなくなり、血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが良くなります。
このため、体内での酸素と二酸化炭素の交換が円滑になり、一回一回の呼吸で身体の細胞に適切に酸素を行き渡らせることができるようになるのです。
その結果、脳や身体の隅々にまで酸素が行き届くようになり、
・脳の活性化
・代謝の促進
・疲労回復やストレスの解消
など、脳や身体の働きが正常に保てるようになるのです。
このように、「呼吸のし過ぎを防ぎ、体内環境が安定すること」が鼻呼吸のメリットの1つです。
●鼻呼吸のメリット② 免疫力が上がる
鼻呼吸のメリットの1つは「免疫力が上がること」です。
これは、鼻呼吸で外気が鼻腔(鼻の穴)を通ることで温まり、喉をストレスや乾燥から保護してくれるためです。
また、鼻腔は粘膜や鼻毛が存在し、これらが「フィルター」の機能を果たすことでホコリやウイルス、空気中の不純物が体内へ侵入するのを防いでくれます。
さらに鼻呼吸で空気が温められることで、空気の湿度を80~85%も高め、体内にウイルスが生存しにくい環境をつくることもできると言われています。
このように、「免疫力が上がること」が鼻呼吸のメリットの1つです。
●鼻呼吸のメリット③ 一酸化窒素の働きで体温が上がり、血管の修復&拡張を促し、血の巡りを良くする
鼻呼吸のメリットの1つが「一酸化窒素の働きで体温が上がり、血管の修復&拡張を促し、血の巡りを良くすること」です。
先ほどご紹介した「吸う空気の量」の他に、鼻呼吸と口呼吸の決定的な違いがあります。それが「一酸化窒素の有無」です。
「一酸化窒素」は鼻腔から分泌される物質で、
・血管の壁を修復し、拡張することで血の巡りを良くする
・体温を上げる
・リラクゼーション効果
などがあることが判っています。
このため鼻呼吸で空気が鼻腔を通る過程で、この一酸化窒素が一緒取り込まれ、肺と血管にまで届きます。
一方、一酸化窒素は口腔内(口の中)ではほとんど分泌されません。そのため、口呼吸では一酸化窒素が体内に充分に取り込むことができないのです。
このように、「一酸化窒素の働きで、体温が上がり、血管の修復&拡張を促して血の巡りを良くすること」が鼻呼吸のメリットの1つです。
◾️口呼吸は血管の病気のリスクを高める!?
一酸化窒素は「血管の壁を修復し、拡張を促す」と述べましたが、慢性的に口呼吸の癖があると、血管まで一酸化窒素が充分に行き届きません。
その結果、血管の内側の壁が硬くなり、
・血の巡りが悪くなり、手足の冷えの原因になる
・血管の内側の壁が硬くなることで動脈硬化や、血栓による心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気のリスクが上がる
などの可能性も考えられます。
◾️一酸化窒素が病原体から気道を守ってくれる
さらに、鼻呼吸によって身体に取り込まれる一酸化窒素には、「殺菌作用」もあるため、気道を清浄に保ち、病原体から守ってくれる働きもあります。
そのため、口呼吸では一酸化窒素を充分に取り込めず、身体の殺菌作用を低下させることにも繋がるのです。
●鼻呼吸のメリット④ 猫背を改善&予防する
鼻呼吸のメリットの1つは「猫背を改善&予防すること」です。
口を閉じて鼻呼吸をすることで、顎の位置が正常になります。具体的には顎が前に出ることで気道が広がり(口呼吸では顎が後退して、気道が狭くなります)、呼吸が楽になります。
また、舌が上顎につくことで頭部が支えられ、安定するようになります。
一方、口呼吸では顎が後退して気道が狭くなるため、なんとか気道を確保しようと頭を前に突き出した「フォワードヘッド」という姿勢になりやすくなります。
ヒトの頭部は5~6kg、スイカ1個分くらいの重さがあります。そのため、フォワードヘッドになると、頭の重さで背骨も曲がるようになり、猫背になりやすくなるのです。
鼻呼吸に戻すことで、前に突き出た頭の位置を肩の上戻すことは、「猫背改善」においても不可欠であると言えるでしょう。
このように、「猫背を改善&予防すること」が鼻呼吸のネリットのメリットの1つです。
●鼻呼吸のメリット⑤ 日常生活や運動のパフォーマンスがアップする
鼻呼吸のメリットの1つは「日常生活や運動のパフォーマンスがアップすること」です。
ここまでご紹介してきた4つのメリットによって、「仕事や勉強、その他の日常生活」や「運動やスポーツのパフォーマンス」が向上することも期待できます。
具体的には、メリット①「呼吸のし過ぎを防ぎ、体内環境が安定すること」によって、脳や身体への酸素の供給がスムーズになりますから、
・集中力や記憶力などの脳の機能を高める
・筋肉に適切に酸素が行き渡るので、運動パフォーマンスが上がる
・疲労が回復しやすくなる
・代謝が高まり、太りにくくなる
など、脳や身体が活動しやすくなる効果が期待できます。
その他にも、ここまでご紹介ししてきたように、免疫力、健康、姿勢の改善などが期待できるため、心と身体、両方のコンディションを総合的に良くする可能性があると言えます。
その結果、健康で快適なライフスタイルの実現に大きく寄与する、と言っても過言ではないのです。
このように、「日常生活や運動のパフォーマンスをアップすること」が鼻呼吸のメリットの1つです。
■まとめ:「健康」には鼻呼吸が絶対不可欠
ここまで、鼻呼吸のメリットとして、
◾️鼻呼吸を防ぎ、体内環境を安定する
◾️免疫力が上がる
◾️一酸化窒素の働きで体温が上がり、血管の修復&拡張を促し、血の巡りを良くする
◾️猫背を予防&改善する
◾️日常生活や運動のパフォーマンスがアップする
の5つをご紹介してきました。
以前の記事で「口呼吸は万病のもと」と言いましたが、鼻呼吸は「とも言えると健康に絶対不可欠な存在」と言っても過言ではありません。
呼吸は「人生の中で最も多く行う運動」であり、「生命に不可欠な存在」。
健康で豊かな人生を歩むためにも、改めて「自分は健康的な呼吸ができているかな」と見直していただくのはオススメです。
※「健康的な呼吸ができているかどうかのチェック方法」はこちらの記事をご参照ください。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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