深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実⑤呼吸のし過ぎのデメリット
みなさんこんにちは!パーソナルトレーナーの吉田です。
「深呼吸のし過ぎは健康に悪い!?90%の人が知らない呼吸の真実」と題してお送りしてきています。
今回は「呼吸のし過ぎのデメリット」についてご紹介していきます。
「ずっと悩まされている不調は、実は呼吸に原因があったにかも?」
そんなヒントをご提供できれば幸いです。
■前回のおさらい
呼吸機能の低下による慢性的な「呼吸過多(呼吸のし過ぎ)」になる原因として、
◾️深呼吸のようにたくさん息を吸うのは健康に良い、という誤解
◾️慢性的なストレスによる自律神経の乱れ
◾️食生活の乱れ(アルコール類、糖質、脂質、食品添加物の摂り過ぎ、
野菜、海藻類、魚介類などの抗酸化作用食品の不足による血液の酸化)
◾️猫背や反り腰などの不良姿勢による横隔膜の機能低下
をご紹介してきました。詳しくはぜひ、前回の記事をご参照ください。
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■ひょっとして呼吸が原因?様々な身体の不調
ここからは、呼吸過多が原因で起こる様々な体調不良をご紹介していきます。
●睡眠の質が低下する
呼吸過多のデメリットの1つが「睡眠の質の低下」です。
具体的には、「夜中に何度も目が覚めてしまう」「睡眠時間は十分に取っているはずなのに、疲れが取れない」といった状態ですね。
呼吸には大きく分けて、
◾️リラックスしている時の、ゆっくり静かな「安静呼吸」
◾️激しい運動をしている時や緊張している時の、速く荒い「努力呼吸」
の2種類があり、その時々の状況や身体の状態に合わせて最適な呼吸に切り替えています。
ところが慢性的な呼吸過多になると「常に荒い呼吸=努力呼吸に近い状態」になります。
そのため「呼吸の切り替え」が上手くできなり、本来1日の中で一番リラックスした状態であるはずの睡眠中に、荒く、呼吸の量が多い「努力呼吸」になっていて、
「ぐっすり眠りたいのに、身体はまるで運動している時のように呼吸が荒い」
という極めてアンバランスな状態になっている方が増えているのです。
このような状態になると自律神経の働きも乱れ、身体は副交感神経が優位な「お休みモード」になかなか切り替わらず、交感神経が優位な「アクティブモード」のまま。
眠りたいのに、身体が活動モードから抜け出せず、眠りが浅くなってしまうんですね。
特に「いびき」をかくという方は、睡眠中の呼吸量が非常に多い状態ですので、健康への悪影響も大きいと考えられます。なるべく早い呼吸改善が必要です。
●集中力、思考力の低下やストレス耐性の低下
慢性的に呼吸が荒く、呼吸の量が常に多い「呼吸過多」と呼ばれる状態になると、「集中力」「思考力」、さらに「ストレス耐性の低下」も招きます。
呼吸過多が常態化すると酸素を細胞に行き渡らせるのに必要な、血液の中の二酸化炭素が少なくなってしまいます。
それにより、酸素が脳や筋肉などの細胞へ行き届きにくくなり、身体が酸素不足に陥ってしまうのです。
特に深刻なのが「脳の酸素不足」です。脳は身体の組織の中で最も酸素の消費が活発な組織なので、「呼吸過多」による悪影響をより大きく受けてしまいます。
脳に十分な酸素を届けられないことで、集中力や思考力といった高度な脳の機能が低下すると言われています。
また、慢性的に脳の酸素不足が続くと、「ストレス耐性」も弱くなり、
・光や音
・気温の変化
・匂い
といった外部の刺激に過敏に反応しやすくなり、場合よっては体調を崩しやすくなることも考えられます。
「集中力が低下している」
「仕事や勉強などでミスが多い」
「ちょっとしたことでイライラしたり、気が滅入る」
「お店の音楽や冷房の風などで具合が悪くなる」
など、心当たりがある方は、脳の酸素不足も原因の1つかもしれません。
●身体の柔軟性が低下し、肩こり、腰痛の原因になる
呼吸過多が慢性的になると、自律神経が乱れることで、身体の緊張が強くなります。
具体的には、筋肉の緊張や血圧、心拍数を高める「交感神経」が過剰に優位な状態になってしまうのです。
このような状態が続くと、筋肉は緊張状態から抜け出せなくなり、
◾️柔軟性の低下
◾️筋肉の血行不良による肩こりや腰痛
◾️運動時の怪我
などにも繋がりやすくなります。
近年、ストレッチ専門店が増え、ストレッチの重要性が再認識されています。しかし、体の硬さが「呼吸のし過ぎ」にあるとしたら、併せて「呼吸機能の改善」も行う必要もあるということですね。
●代謝が低下し、疲労や冷え性、肥満の原因になる
さらに呼吸過多は「代謝の低下による疲労や冷え性、肥満」にもつながります。
私たちが食事で摂取した糖や脂質を何段階かの行程を経て、細胞内のミトコンドリアという器官でエネルギーに変えています。この過程がいわゆる「代謝」と呼ばれる訳です。
ミトコンドリアがエネルギーをつくる際には呼吸で取り込まれた酸素が使われます。
しかし、呼吸過多により酸素が細胞に行き届きにくくなると、細胞内のミトコンドリアでエネルギーが作られにくい=糖や脂質が代謝されにくくなってしまいます。
このような状態が慢性化すると、食事で摂った糖や脂質がエネルギーに変えられず
◾️エネルギーが作られないため、疲労しやすくなる。
◾️代謝が低下により体温が低下し、冷え性の原因になる。
◾️代謝の低下により肥満の原因になる。
などが考えられます。
実際、肥満体型の方の呼吸量のをチェックである「コントロール・ポーズテスト」を行ってみると、20秒以下の方が多くみられます。
※コントロール・ポーズテストの詳細は、こちらの記事をご参照ください。
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■まとめ
今回は「呼吸機能の低下」が引き起こすデメリットをご紹介してきました。
具体的には「呼吸のし過ぎ=呼吸過多」になることで
・睡眠の質が低下する
・集中力や思考力の低下やストレス耐性の低下
・柔軟性が低下し、肩こり、腰痛の原因になる
・代謝が低下し、疲労や冷え性、肥満の原因になる
といったデメリットが考えられます。
この他にも、慢性的な呼吸過多は様々な体調不良を引き起こす原因になります。
呼吸は私たちが生きていくために欠かせない存在。だからこそ、それが崩れるとその悪影響も大きいというわけですね。
次回は「呼吸過多と病気の関係」についてご紹介していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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