見出し画像

稲刈り・ハーブティワークショップ/リーダーシップ・チャレンジ2023開催レポートvol.10

📖講義内容

リーダーシップ・チャレンジ(大隈塾)は9月2日(土)3日(日)に茨城県の秋庭農園にて、第10回稲刈り・ハーブティワークショップを開催しました。

5月に行われた第3回講義の田植えから4か月ぶりの秋庭農園。相変わらずの猛暑でしたが、一面に稲穂が実り、秋の訪れを感じさせる景色が広がっていました。

今回の目的は……

・五感を取り戻す(特に手の指先の感覚、嗅覚、聴覚、味覚)
・自分が食べるものを自分で作ってみる
(「食料自給力」をつける)
・ライフスタイルを見直してみる
・身体を動かす
・越境学習

◆1日目:稲刈り&BBQ

13:00、JR古河駅(宇都宮線)集合。
10回目の講義ということで、もうすっかり打ち解けて「受講生」より「仲間」のような雰囲気が漂っていました。この日も5月と同様、何名かはご家族と一緒に参加されました。

タクシーで秋庭農園に向かい、オーナーの秋庭さんご夫妻から説明を受けたあと、歩いて田んぼへ。5月に植えた箇所を見にいくと、今年は稲の成長が早く、すでに収穫済み。「4ヶ月でここまで育つんだ」受講生のみなさんも驚きを口にされていました。

稲刈りも田植えと同様、チームに分かれて作業をしてもらいました。鎌を使って手で刈り取る昔ながらの方法です。暑い日差しにやられないように、昨年よりもこまめに休憩を取っていただきました。

ある方は「いつも家から最寄りのバス停まで歩くくらいしか運動してない。こんなに身体を動かしたのは久しぶりだ」と、汗びっしょりになりながら作業をしていました。

稲刈り機を使えばあっという間に収穫されるのを、あえて自分の身体を動かしてみる。その手触り、匂い、音、身体の痛み、それらを感じてもらうことが「五感を取り戻す」ことになるのです。時間が経つに連れて、刈り取った稲の山があちこちに出来ていました。

作業が終わり、秋庭さんから総評をしていただきました。「4ケ月かけて育てても、1反で得られる利益が10万円ほど」と農家の事情を説明すると、みなさんはなんとも言えない複雑な表情を浮かべられていました。

第3回講義の田植えと同様、ご家族で参加された方も

暑い中がんばって作業をした後はお待ちかねのBBQ。火を起こして、具材を切って、焼いて、みんなで作業をしてみんなで食べます。「おれこれやる!」「○○さん替わるよ」「こっち人が足りない!」とみんなで声をかけあっている様子はまさに「シェアド・リーダーシップ」でした。

チームメンバーそれぞれがリーダーシップを発揮し、リーダーの役割を共有している組織の状態を示す言葉です。
リーダーといえばチーム内の一人がその役割を担い、チームを牽引するイメージがありますが、シェアド・リーダーシップではチームメンバーの一人ひとりが影響力を持ち、リーダーシップを発揮します。
※組織のビジョンを示したり、最終決定をしたりするために、シェアド・リーダーシップにも正式なリーダーは必要とされています。

◆2日目:ハーブティーワークショップ

2日目はアキバヒロコさんによるハーブティーワークショップ

「今日はみなさんに実際にハーブを摘んでいただきます!」

ヒロコさんのかけ声で外に出た受講生のみなさんは、そのまま近くの畑へ。5月の第3回講義ではすでに摘まれたハーブを乾燥させた「ドライハーブ」を扱いましたが、今回は新鮮な「フレッシュハーブ」を味わっていただきました。

栽培されているハーブを、実際にハサミを使って摘んでいただきました
摘み取った「フレッシュハーブ」をハウスの中で味わいました

「ハーブが好きすぎて、畑まで行ってハーブの匂いだけ嗅いで帰る」こともあるというヒロコさん。秋庭農園には100種類ものハーブが栽培されていて、それぞれに様々な効能があります。

実は、ヒロコさんは9月から自身の「HIROKO HERBS」を株式会社にされたそうです。

昨今の物価高騰によるダメージもあり、農業生産にも大きなダメージを受けている秋庭さん。ここでマインドを「生産者」から「経営者」に転換することを決意したのです。元イタリアンのシェフとして「農を通じた食育」を行う覚さん、「ハーブスクール」でハーブの魅力をもっとたくさんの人に届けたいヒロコさん、それぞれの事業にかける思いを語っていただきました。

昨今の農家さんを取り巻く環境はとても厳しいですが、私たちが生きていくうえで欠かせない「食」について改めて想像を膨らませる機会になりました。都会にいると食は「つくるもの」ではなく「買うもの」になり、生産の過程は見えづらくなります。
そんな中で、「経営者」として新たな道を歩まれ始めたお二人への敬意を込めた、大きな拍手が最後に起こりました。

🖊️受講生の講義レポートより

講義での学び、気づき、感想、自分の部署への応用 など

【田植えについて】

田植えに引き続き、稲刈りも初めての体験でしたが、個人的には田植えよりも稲刈りの方が過酷でした。今回も五感をフルに使いました。
①チームワークの重要性:田植え同様に目標に向けて仲間と一緒に取り組む重要性を学びました。途中から役割分担も明確になり、終わった時の達成感を感じました。
②目標を明確にすることの重要性:「あと30分頑張ろう」よりも「ここまで稲刈りしよう」と明確になった方がモチベーションも上がり、効率も良くなりました。目標を明確にすることの重要性をあらためて感じました。
③採算性:良いものを作ろうとすれば手間も労力もかかるが、収入はそれほど得ることができない現実。企業で鑑みれば不採算なものを残しておくことは考えにくい。農業の採算性について、良いものを守る意味でも社会全体の問題としてとらえる必要があると感じました。

小売業・男性・40代

農業の現状:農業資材価格は高騰する一方、販売価格は上がらず、赤字経営の農家ばかりで離農が増加。ロシア/ウクライナ紛争に起因し、食料自給率をあげる必要性が一層高まっているなか、離農が増えるという現状に、日本は国策としてどんなアクションを起こしているのか疑問を抱いた。稲刈り体験を発端にして、国政に一層興味を持つこととなった。

商社・男性・40代

会社に戻り、同じ課の部下に前回同様、今回の体験を少しお話しさせていただいた所、今回もみんな笑いながら聞いてくれました。 自分で田植えをし、稲を刈り、そのご飯を食べるという一連の体験は、非常に良いものでした。 仕事としてお金を稼ぐという手段としてだけでなく、そういう仕事から得られる「感覚や感動」が人生の一部として重要な気がしました。 今回も前回の田植えと同様に、息子と一緒に参加させていただきましたが、息子も「稲を切った時の感覚が気持ちいい」「そのあと食べたごはんがおいしい」と言っておりました。 大人にとっても、子供にとっても、自ら取り組み、結果を出し、それを分かち合う経験ができるような積極的な生き方が非常に良いと思います。 今回の経験を通じて改めてそう感じました。貴重な経験をいただき、感謝したいと思います。

小売業・男性・40代

メンバー全員でのシェアードリーダーシップが発揮された時の『当たり前にゴールに向かう』 プロセスが理想的だと感じた為、この体験価値をチームに落として、各メンバーから主体性を引き出し、成果に繋げるチーム運営をしたいと感じました。

小売業・男性・40代

【ハーブティーワークショップについて】

畑から摘んだばかりのハーブは大変香りが良く、それを試飲することでより感動することが出来ました。前回同様に体験価値を大きく感じることができ、仕事においても特に研修等を行う際には、体験価値について感じられるように意識して取り組んでいきたいと思いました。 また秋庭夫妻からこれまでの農家としての道のりを伺う中で、ヒロコさんがハーブを事業としてやっていることで夢を語っている姿が印象的で、やはりパーパスが仕事をする上で大切なんだということを改めて強く感じました。

商社・男性・40代

ハーブの生育には、過剰なケアを行いすぎると、香りがあまり出なくなり、ある程度のストレス環境にあることで、ハーブの強く長く続く香りが発生することが理解できました。 秋庭農園さまが、HIROKOHERBとして法人化を行う背景では、人から聞く情報もあったなかで、最終の後押しがChatGPTの助けもあったと伺い、今の時代にあった情報収集を行いつつしっかり整理をされている姿が印象的に残りました。

医薬品業・男性・30代

本講義のGOOD POINT

今回も家族を連れていきましたが、温かく受け入れて頂き、妻も子供もこの体験を楽しめ、喜んでいました。ありがとうございました。

商社・男性・40代

体験することが何よりの価値で、それをシェアできることがありがたい環境だと感じました。また、研修頻度が高いため、塾生同士の繋がりも強くなっていることも研修効果を高めていると感じました。

小売業・男性・40代

🕰️タイムテーブル

【稲刈り&BBQ:9月2日(土)】
13:00 JR古河駅東口 集合
13:30 農園到着 着替え
13:50 オリエンテーション、移動
14:20 稲刈りスタート(途中休憩あり)(2時間)
17:00 手洗いして歓談、BBQ開始
18:30 田植えの振り返り
19:00 BBQ終了、片付け
19:20 秋庭農園発、宿泊するホテルへ
 
【ハーブティーワークショップ:9月3日(日)】
09:30 ホテル発
10:00 秋庭農園ハーブの畑到着、収穫体験
10:30 ハーブティーワークショップ(畑で摘んでハウスで試飲)
11:30 ワークショップ終了
12:00 秋庭農園発
12:30 JR古河駅着

👤講師プロフィール

秋庭覚(あきば さとる)
秋庭農園 17代目
小さい頃は農家にはならないと決めていたが、社会人になり、銀座のレストランで料理人をして行く中で「顔が見える生産者の食材を使って料理をしていくと、完成されたお皿の中身は自分だけの力だけじゃなく、美味しさの元は生産者の方がつくる食材そのものにあること」を身をもって知る。母親がつくっていた食材を試しに働いていたお店に持っていき、 お店のスタッフやお客様に出したところ絶賛され、自分の母親、農業をしてきた実家、育ってきた土地などに感謝が溢れ、その後、帰農を決意したという。

アキバヒロコ(あきば ひろこ)
ハーブティーブレンダー
子供時代は農家とは縁なく育ったが、2011年の東日本だ震災をきっかけに「もっと自分らしく生きて行きたい」という想いから農業体験などに参加するようになる。銀座のカフェレストランで、ハーブティーの知識を活かし、ドリンクの開発やサービスなどを経験。採れたての野菜の美しさ・美味しさに感動し、「農家とはクリエイターであり、創造的な素晴らしい仕事だな」という尊敬と憧れが生まれたという。

その後、職場近くのレストランで料理人をしていた覚さんと出会い、結婚。農業を仕事にすることに。

お二人のプロフィール詳細はこちら

❓リーダーシップ・チャレンジとは


リーダーシップ・チャレンジ(LC)は、会社で仕事(社業)を通じて社会に貢献する人材を育てる、ということをミッションにしています。

そのために、ヒューマンスキルを磨き、リーダーシップを身につけ、幅広い見識、判断力、思考力を学びとり、業界業種を超えた人脈を構築するビジネススクールです。

開講から20年目。本研修を学んだ受講生たちが日本国内のみならず、世界の色々な都市で活躍しています。
彼ら彼女らを、LCの教壇に立ったゲスト講師の皆様に後押ししていただきながら、私たち LCはこれからも、有能な人材を育み、社会に貢献していきます。

詳細はパンフレットをご覧ください

◆講義一覧

🏢2023年度参加企業 (順不同・敬称略)

受講企業
株式会社セブン-イレブン・ジャパン
株式会社セブンドリーム・ドットコム
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
サントリー株式会社
三井物産株式会社
株式会社三井住友銀行
三井物産スチール株式会社
三井農林株式会社
リテールシステムサービス株式会社
エーザイ株式会社
綿半パートナーズ株式会社
第一生命ホールディングス株式会社
株式会社再春館製薬所
外務省

リーダーシップ・チャレンジ 2023開催レポートvol.10
2023年9月15日発行 
大隈塾事務局(一般社団法人ストーンスープ) 
田中渉悟・ひえじまゆりこ yuriko.hiejima@gmail.com 
〒026-0002 岩手県釜石市大平町3-9-1 
TEL:050-3558-7527 
     公式MAIL:ookuma_school@stonesoup.tokyo


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?