〈9月になれば彼女は〉
9月になれば彼女は
大好きな
あのセレナーデを
弾くだろう
窓ガラスを
白い糸の
ように流れる
雨の日も
9月になれば彼女は
名も知らぬ
大きな白い花束を
抱えて
きみの部屋のドアを
叩くだろう
空の雲が
ちぎれては
北へと
流されていく
風の日でも
9月になれば彼女は
きみの耳元で
愛の言葉を囁くだろう
銀のネックレスが
冷える月光に
反射して
真闇の中で
輝く夜半も
9月になれば彼女は
きみの心の中心に
住むようになるだろう
そしてもう
どこにも
きみは独りで
行かないだろう
9月になれば彼女は
世界の花の
女王のように
あらゆる美しさを
超越する
9月になれば彼女は
冷えた大地を温める
太陽のように
世界中の
憧れと微笑みを
独占する
9月になれば彼女は
ずっときみのそばで
眠るようになるだろう
9月になれば彼女は
9月になれば彼女は
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