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(S-)V.League 定点観測 (23-24女子・観客動員ランキング)

アメリカのリーグPVFが終わりましたので、女子バレーボールリーグの観客動員数・国際比較をやってみました。男子が気になる方はこちらをご覧ください。

集計対象国ですが、前回の日本・イタリア・韓国・トルコの4カ国に加えて、フランス・ドイツ・ポーランド、そして別の記事でも紹介した注目の新リーグ、アメリカ・PVFも集計しています。

リーグ別観客動員数(レギュラーシーズンのみ)

平均観客動員数

バレーボール女子・リーグ別平均観客動員数(23-24レギュラーシーズン)

アメリカ > 韓国 > イタリア > 日本 > ドイツ > トルコ・ポーランド > フランス

という感じかなと思います。新リーグ・アメリカPVFがいきなりのトップ、しかもダントツでした。平均4500超は、男女あわせてもダントツ1位です。女子スポーツでこれだけの集客は世界的に見てもすごいことだと思います。しかもリーグ初年度、日本のSVリーグのように制度が変わったとかじゃなく、全くのゼロからのスタートでこの数字です。アメリカの底力を感じます。

続いて韓国。韓国のバレーボール人気は完全に 女子 > 男子 で最近の日本とは逆なのですが、イタリアを超えての2位はお見事。

イタリアをはじめヨーロッパ諸国は集客が伸びない小規模クラブもトップリーグでプレーしており、リーグ全体平均としてはそこが足を引っ張っている格好です。ただ(男子の時にも触れましたが)これに関しては私は良いことだと思っています。小クラブでも実力があればトップリーグでプレーできるというのは夢がありますし、ヨーロッパスポーツの懐の深さを感じます。

日本は2000人を切ってしまいました。来季以降の見通しは暗いように思います。来季はアメリカ・LOVBが開幕します。外国人枠をアメリカ人で埋める日本のクラブが多いので「よい外国人が取れない」というクラブも増えるのでは?またこれだけ観客が集まるとなればアメリカでプレーしたいという日本人選手も増えるでしょう。今季すでに退団が発表されている選手の中にはアメリカが決まっている選手もいますし、水面下で交渉している選手も多いのでは?日本女子バレー冬の時代はまだまだ続きそうです…

のべ観客動員数

バレーボール女子・リーグ別のべ観客動員数(23-24レギュラーシーズン)

アメリカ・イタリア > 韓国 > トルコ > ポーランド・フランス > ドイツ・日本

という感じでした。日本は最下位でしたが、今季はシーズンオフのオリンピック予選を見据えて試合数を少なくしていたということですので、来季以降の巻き返しに期待です。

平均値で他を圧倒したアメリカは試合数が少なかったこともあり、のべ数では控えめな結果でした。ただ開幕したのが2024年1月末ですからね。来季以降、LOVBとの関係性も含めて注目です。

クラブ別観客動員数

クラブ別平均観客動員数

バレーボール女子・クラブ別平均観客動員数(23-24レギュラーシーズン)

1位はアメリカPVFからオマハ・スーパーノヴァ。平均で9800は恐ろしい数字!

2位は我らが日本から・久光スプリングス。SAGAアリーナこけら落としの2試合で7000人台を二日連続達成!ただし2月の試合では5000人台になってしまったので、来季はコンスタントに人を呼び続けられるかが注目です。

3位はイタリア・コネリアーノ。4–5位はアメリカPFV勢。安定感が高く、3000を下回ることがほとんどないというのが優秀。

クラブ別のべ観客動員数

バレーボール女子・クラブ別のべ観客動員数(23-24レギュラーシーズン)

1位はアメリカ・オマハ。男子の1位だったグダニスクが6.5万人くらいでしたからダブルスコアに近い差をつけていることになります。日本だと最近では圧倒的に男子が盛り上がっているように感じますが、世界的に見ればまだまだ女子バレーが元気です。*ちなみにオマハは1試合だけ観客数が不明でしたので、平均値で補間しており正確な数値ではありません。

2位は韓国、仁川興国生命ピンクスパイダーズ。こちらも男子の1位だったグダニスクを上回っています。今シーズンは、元・デンソーの東谷玲衣奈選手、日本でもプレーしたキム・ヨンギョン選手がプレーしていました。少し前、東谷選手がインスタライブで韓国バレーの様子を話していて、とても盛り上がっている様子を伝えていました。一方で、下位リーグがないという問題点にも触れており、近年の韓国代表の低迷も相まって考えさせられる内容でした。日本SVリーグはどうなりますかね。韓国のようにトップリーグだけが突出して、裾野が枯れてしまうようなことにならないといいのですが。

まとめ

ともかく今年はアメリカPVFがすごかった、という一言に尽きるかと思います。日本の伸び悩みは、試合数を減らしていた関係もあるでしょうが、平均値でみても低迷しており、危機的状況かと思います。前述のアメリカ新リーグの影響もあるでしょうし、もしオリンピックで惨敗したらどうなることやら…

ただ世界的に見ればまだまだ女子バレー人気の健在ぶりは見られましたし、良い方に転がる可能性だってあるはず。来季はSVファーストシーズン、期待して見ていきましょう。

Enjoy volleyball !!


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