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絶望から脱出する電車に乗って。

皆さんはTwitterやInstagramなどから「ここに行ってみたいな……よし行くべ!」と瞬時に閃いて実際に訪れたことがありますか?今年に入って私はそんな気ままな理由から、色々と近場に外出しています。八月に早速誘惑してきたのはこのツイート。千葉だとうちから京葉線や都営地下鉄新宿線に乗れるので、学生時代の企業研修にて訪れた馬喰町駅の思い出も遡ってみたい。




思い付いたらすぐ出かける!



一年間おうち生活を続け自炊と一緒に始めたのは、平日の電車に乗って懐かしい駅や未踏の場所へ行くことでした。そんなに遠出はせず、ランチ込みで大体五時間以内に帰宅する範囲。起床して軽くパンを食べてから歯磨きセットと財布、iPhoneとiPad Proを持って調べておいた交通路に飛び乗ります。

派遣通勤でも大好きだった新宿駅南口を使ったり、帰宅時間が遅くなっても埼京線が混み合わない埼玉県方向へ出かけることが多いです。紛失に備えてSuicaには二千円以上入れません。感染危機が強くなってからそれ以上の交通費は自主規制で。


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努力してもどうにもならない問題を抱えて



私はこの二年間、法律上の問題で祖父から受け継いできた自宅と土地を手放さねばならない問題と一人で戦ってきました。派遣の仕事を辞めて家にいるのもその重圧から鬱が再発し、電車に乗れなくなったからです。重度のストレスから血圧も急上昇してしまい、外出時には特に注意を払っています。

いまだ土地相続問題から完全に解放されてはおらず、いつ家裁から召喚状が届くのか分かりません。2021年元旦には「もう死ぬしかないな……」と自宅での終焉ばかり考えるようになり、経済的にも困窮してまさに絶望の底にいました。でも、緊急事態宣言が下って給付金や支援貸付金が受けられるようになり、世間とは逆に開き直りの光明がさしてきたんですね。これが世に言う「アクシデントを幸運にかえて」なのかな……。


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「どうせ死ぬなら、知らない場所をたくさん見てからにしよう」


南新宿駅の歩道橋から首吊りした男性や、時短営業で廃業破産に追い詰められた人々のニュースを毎日聞くようになり、「急増している独身女性の自殺者に、私も入ってしまうんだろうか」と重く暗い不安に向き合わねばならない日々。一番辛くて本気で自死を考えていたのは、元旦から誕生日があった二月の間。

そんな時に縁切り神社のネット紹介にたどり着き、「あれ、ここ徒歩で余裕で行ける場所だ。もう丸々一年間電車にも乗っていないし……帰りは駅経由にして出かけてみよう」と、千円入ったままのSuicaを握って玄関を潜りました。


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一年振りのまともな外出、外は初春の青天

一年振りの外はまだ少し肌寒くて、流れてくる沈丁花の匂いが本当に心地良かった。暖かい日差しに励まされてぐんぐん歩き進むと、しばらく通院していなかった大学病院や薬局が目の前に。卵巣嚢腫で入院した時のことや母親の介護で日参していた記憶が蘇り、とても懐かしかったです。あの頃も本当に苦しかったけど、今とはまた違う苦悩だったような気がしました。


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東京でも有名な縁切り神社である板橋の榎は、驚くことに何回か来た板橋本町商店街のど真ん中に在ります。この周辺はすっかり再開発の熱に覆われて、巨大マンションが次々建設されているんですが、近未来的なビルと木造の古い家が混在していて面白い。すぐ近くの美容院で買える絵馬を奉納し、お守りストラップをiPhoneに付けて地下鉄駅に向かいました。なんだか怖いもの見たさと冒険心がドキドキワクワクして、本当に楽しかったです。

東京で一番強い縁切のスポット「縁切榎/縁切り榎」への行き方と願掛け方法 [2021/8/2 更新] https://en-light.net/archives/24445

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新撰組ファンの間では聖地である「板橋、近藤勇斬首の跡」は、私が生まれた参院のすぐ近くに建っています。いつ来ても綺麗に整頓されていて桜のシーズンはお花がとても美しい。この二年は感染危機がありコスプレイヤーが賑わう新撰組祭も中止されていますが、リニューアルしてすっかり現代的になった板橋駅も良い雰囲気です。


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「どうせ人間、遅かれ早かれみんな死ぬ。やりたい事をしていきたい場所に行って、食べたい物を食べなきゃ大損だ」

近藤さんや永倉さんにご挨拶をしながら、まだ深刻な現実の海で溺れつつもほんの少しだけ生きる気力が上向きになったのを感じました。

近藤勇最期の地(何もなし)|北区・板橋区の新選組ゆかりの地観光スポット https://shinsengumi-kanko.com/kitaku-itabashiku/kondoisami-saigonochi/


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慰めてくれる色々な街の風景



その日を皮切りに家からバスや電車に乗り、片道30分圏内の近場に遊びに行くように意識しました。「明日はここに、明後日はあちらに行こう」と計画を立てると未来が切り開ける気持ちがして。その頃から毎日頼んでいた宅配弁当をやめて自炊に切り替え、食生活も全く変わりました。毎日スーパーで野菜や肉を買う気持ちも充実しています。五月にはオーブンも通販で購入。

バスのロータリーや駅ナカを歩く人達を眺めると、「今、ここに生きている」実感を持てるようになれたし、家で弁護士がドアホンを鳴らす音に怯えなくても済む。ずっと口にしていなかったモスバーガーやケンタッキーフライドチキン、スタバの柚子シトラスティーの味がとても懐かしくて。対応してくれる店員さんも優しくて「お金があると、みんな優しくしてくれる」「物を買って心が豊かになれる」と痛感しましたね。これが資本主義社会で生きるってことなんだなあと。


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板橋縁切り神社を参拝してから、毎日少しずつ台所の拭き掃除やリビングの片付けを始めてかなり不用品も処分。動画を見ながら重曹やクエン酸を購入し、知識をつけつつ数年間積もった不幸と塵を文字通り家から追い出しています。掃除や断捨離をすると運気が上回ると聞いただけど、あれは精神面でも健康になれるという意味なのかもしれませんね。

以前派遣で通勤していた赤坂見附の縁切り稲荷にも行きましたが、少し歩いた紀尾井町ガーデンスクエアが完成していて八重桜も満開。憧れていたとらやカフェやよく立ち寄っていたケーキ屋さんでお土産も買いました。思い出を辿ったり知らない駅で電車を降りたり、久し振りに浦和駅前の映画館にも「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」初日舞台挨拶を観に行きました。

この半年近くでたくさん駅散歩をしてみて分かったことは、楽しかったり充実していた思い出の土地に向かう電車に乗ると「あんなに頑張って生きていたんだから、もう一度くらいやれるさ」という気持ちになれるんですよね。当時は毎日苦痛だった通勤ラッシュを避けて、昼の穏やかな車中に座り車窓を楽しんでいると「過去の必死だった自分」に「貴方がいたから、今の私がここに楽しく存在しているのだよ」とメッセージを送れるような、報われるというのかな。



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これから一年間の生きる目標を決める。



あの初春から梅雨を経て毎日酷暑の夏になってしまったけど、まだ相続問題の状況に進展はありません。でも私はすっかり精神的に健康的になれたし、こうして日々noteを書きながらApple pencilの練習も始めました。生きていて何も無駄はないのだなと思いながら、時々猛烈な不安と焦燥感に襲われます。貯金もゼロだし来月には貸付金も大幅に値下げされてしまうので、何かしらバイトもしなければなりません。

東京だけでなく周囲県にもコロナ感染が拡大しネガティブ思考になることばかりですが、父の残してくれた家に永住出来るようにまずは一日一日を大切に過ごしていきたいと思っています。現在の最大目標は税金とライフライン払いを銀行振替に全て切り替え、自宅で仕事をすること。まずは古くて読み込みが遅いBlu-rayデッキを新型に買い替えることからかな。そうそう、暑さが引いたら早速訪れたいのは高輪ゲートウェイです!父がずっと品川に建築会社を開いていたので、懐かしい場所を巡りたい。

偶然、今朝noteを開いたら……アカウントを開設したのがちょうど一年前だったようです。本格的に更新を始めたのはこの数日ですが、毎日マイペースで大好きなアウトプットをこれからもずっと続けていきたいです。


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マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。