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電車に揺られながら書いた独白③・会社の同期との出世争いに敗れた行く末に

会社の通勤電車に揺られながら、
ただスマホでひたすら書き連ねた独白です。

今回は「会社の同期との出世争いに敗れた行く末に」。


人生を「敗者」として歩んでいたと痛感した社会人1年目


会社というのは入ると出世争いが展開される。

勝った方が出世のルートに乗り、負けた方が窓際に追いやられる。
勝った方である私の同期は会社の花形部署に配属され、
リクルート広告における、先輩の意見としても取り上げられる。

出世争いに負けた私は花形戦線から日陰に追いやられ、
リクルートサイトに「先輩社員の意見」として取り上げられることもなく、
日陰の部署で淡々と業務をこなす。

世間を賑わすアイドルたちですら、
同世代のアイドルとしのぎを削るよう、
仕向けられてる部分もあるんだろう。

彼ら彼女らは「どうせ毎日いいものを食べてるのだろう」
とよく思ってなかったが、
今になって冷静にみてみると、あの人たち大変な中にいるのだなと………

もしかしたら華やかな舞台で「アイドル」と呼ばれる彼らの中でも、
俺のような「名も無き一般人」が羨ましい、
そう思っている部分があるのかもしれない。

考えてみると、給料が俺たち一般の会社員とそんな変わらないとして、
変にワイドショーのネタにされるのってイヤだよな。

オレだったら絶対にイヤだわ。

新人の時からプロジェクトの中心を任される優秀な同期がいる一方で、
かたや俺は会社での人間関係構築に苦労していた。

なにしろ上司への報連相がからっきしできず、それでいつも怒られていたのだ。

俺は上司に怒られるたびに
「他の同期と比べてお前はダメなやつだ」と言われるので
会社に行くたびにブルーになっていた。

俺は同期連中を羨ましいと思う一方で、同時に彼らのことを疎んでいたのだ。
コミュニケーションができないって怒られてるやつは
同期の中ではきっと俺一人だったのだろう。

彼らが俺みたいに苦しんでるなんてことはないんだろうなって本気で思ってた。

逆境での汚名返上

敗者になってしまった以上、なかなかそのレッテルを崩すことはできない。
社会人である以上、汚名返上をするには仕事で報いるしかないのだ。

俺が社会人になって数年経ったある時、
セキュリティ事故が起こって
会社の一大事になったという出来事があった。

セキュリティ事故は会社の事業がITだろうがなんだろうが、
会社としての信用問題に関わる。

会社の信用がガタ落ちになった会社がやることはたった一つだ。

全社員を力尽くで振り回してでも、
顧客の信用回復に向かって躍起になること。

「社会人になって右も左も分からない」
「自分が今の仕事がやりたいと思うかどうか」

そんなことは一切通用しない。

「同期の奴らと比べて仕事も、コミュニケーションもできないやつ」

そんなレッテルを貼られていたが、そこを剥がすことができた事件とも言える。

危機的状況で稼働時間もバカにならなかったが、そんな中で躍起になって働いた。

レッテルを剥がして、同期との出世争い戦線に舞い戻ったが
社会で年数が経つにつれ、同期との出世争いは
俺にとってはどうでもいいことになってしまった。

同期で出世競争をして殴り合うことになんの意味があるのだと。

時が経つにつれ同期入社がどんどん辞めていく中で、
張り合って比べ合うことの意欲が落ちていく。

俺が同期に対しての対抗心、コンプレックスが低下したのと同じくして
同期入社の連中が次々と辞めていく。


終わりに


俺と同期連中はお世辞にも仲が良かったとは言えない。
ただ俺が逆境に放り込まれ、それを乗り越えたことで
ようやく、同期も同期でそれぞれ課題を抱えて苦しんでいるのがわかった。

ある者は心ここに在らずで仕事している。
ある者は毎日咳止めの薬を絶えず飲んでいる。

彼らも彼らで、互いに優劣を比べる中で苛んできたのだろうとわかった。


その時は「この世の中で常識だと言われてることは、何かが違う」
くらいにしか思わなかったが、
俺たちは別にお互いに優劣を比べ合うために生まれてきたわけじゃないはずだ。

そういう理解はしていた。

だから、一つの結論を言おう。

この世の中には「心の癒し」が必要なのだ、と。

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