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知っておきたい注目のピープルアナリティクスとは?

国士無双(こくしむそう)
→ 国中で並ぶ者がいないほど優れた人物。

麻雀をやる人なら国士無双と聞くとパッと役満の国士無双が出てくるはずだ。

そんな役満の意味が国中で並ぶ者がいないほど優れた人物ということだとは知らなかった。

そして、日本にはグローバル人材がいないとか、優れた人材はどんどん国外へ流出しているといったネガティブな話もよく聞く話だ。

ということで、人材マネジメントについて書いていこうと思う。

日本企業が抱える人材マネジメントの課題

日本の人口減少と少子超高齢化が進んでいるということは周知の事実だ。

つまり、国内の労働力やあらゆるマーケットの規模は着実に縮小しているということである。

そんな経済環境の著しい変化が激しい中で、人材の確保は年々難しくなっているというのが現状だ。

人材の獲得、育成、配置、評価、処遇といった、いわゆる人材マネジメントを効率的かつ効果的に遂行していくのか、どの日本企業にとっても重要な課題になっているわけだ。

そんな人材マネジメントの遂行にあたり、注目されているのが、ピープルアナリティクスという手法だ。

ピープルアナリティクスとは、効率的かつ効果的な人材マネジメントを行うために、データを活用して人事施策を検討する手法のことをいう。

このピープルアナリティクスについて書いていくが、ピープルアナリティクスが解決する課題を3つほど挙げておこう。

この3つの課題が日本企業が共通して抱えている人材マネジメントに関するものだという認識を持ち、読み進めてもらえるとわかりやすいはずだ。

日本企業が抱える人材マネジメントに関する3つの課題

  1. グローバル人材の獲得および育成

  2. 商品やサービスのDXに対応できる人材の獲得および育成

  3. 少子超高齢化および人生100年時代に備えた配置および処遇

この3つの課題解決に向けて、実施すべき人事施策は下記のとおりだとされている。

  • 人材育成を担う現場責任者の育成および支援

  • 社員の挑戦や成長を促し強みを活かすための評価制度の構築

  • 経営戦略を実現するために必要な人材の獲得や育成

  • 社員のキャリア開発を支援するための配置および処遇の実施

  • 社員の生産性向上を図るための人事部門の強化

そして、この人事施策を立案するにあたり、ピープルアナリティクスを導入することで、効率的に最適な施策を立案することができると注目されているのである。

ピープルアナリティクスとは?

改めて、ピープルアナリティクスについて説明しよう。

効率的および効果的な人材マネジメントを実現するために、人材に関する様々なデータを収集して分析し、分析結果に基づいて最適な人事施策に活用していく手法のことである。

かつての意思決定といえば、KKDという直感によって行われたてきた。

経験、勘、度胸の3つの頭文字を取って、KKDと呼ばれていたわけだが、そこには根拠よりも直感が重視されてきたという経緯がある。

そんなKKDによる主観的な意思決定と違い、ピープルアナリティクスは社員の人事、行動データを収集分析して、課題解決に向けた客観的な意思決定を可能にするのである。

ピープルアナリティクスでは、人材に関して多角的な分析を行えるよう、様々な情報をデ ータ化しておく。

様々な情報とは、社員基本情報や異動歴などの人事情報だけでなく、社内のメール履歴や議事録といった社員の活動情報なども含み、具体的には下記のようなデータをいう。

  • 社員基本情報

  • 異動歴

  • 評価歴

  • 採用時の性格特性

  • 社員意識調査の結果

  • 社内メールおよびチャットツール履歴

  • 会議や打合せでの発信情報

このようなデータを、人事および人材(Human Resources)とテクノロジー(Technology)を組み合わせたHRテックを用いることで3つの効果が得られるという。

ピープルアナリティクスが人事業務にもたらす3つの効果

  1. 業務効率化

  2. 意思決定の精度向上

  3. 社員への提供価値の向上

実際、ピープルアナリティクスは下記の場面で採用され始めている。

  • 採用

  • 異動配置および昇進の検討

  • 人事育成や研修効果の測定

  • 職場環境の整備

  • 離職希望者の引き留め

ピープルアナリティクスの導入ステップ

それでは、ピープルアナリティクスはどのように導入していけばいいのか、そのフローを紹介していこう。

  1. 目的を決める

  2. 収集するデータを決める

  3. データ収集の仕組みづくりおよび実際のデータ収集

  4. データの分析および仮設を立てる

  5. 施策の実行

  6. 評価および改善

ということで、具体的にやっていくことを列挙していく。

1)目的を決める

まず、ピープルアナリティクスを導入する、分析を行う目的を決める。

目的は採用、育成、配置、評価、処遇といった領域が多くなる傾向にある。

自社の戦略や課題から、どの領域を強化するためにピープルアナリティクスを行うのかを定めることからスタートするというわけだ。

2)収集するデータを決める

目的が定まったら、どのデータを収集するかを決める。

人事情報だけではなく、メールの内容、チャットツールの履歴、会議や打合せでの議事録などの社員の活動情報も目的に応じて収集しなければならない。

データはなんでも集めるのではなく、価値のあるデータ以外はゴミであるということを強く認識する必要がある。

3)データ収集の仕組みづくりおよび実際のデータ収集

実際にデータを収集するにあたって、人事評価の結果を紙ではなくデータで受け取るようにするといった、いわゆるDXを進める必要がある。

この仕組みづくり、つまりは仕様を固めることが命運を分けるといっても過言ではない。

データ化する情報の対象範囲、モニタリング期間、実施時期なども決めておくことが重要になる。

4)データの分析および仮設を立てる

そして、収集したデータを分析し、そのデータによって組織のどのような課題が浮き彫りになって、なにを変えることで解決できるのかという仮設を立てる。

分析対象に抜け漏れがあるのであれば、かならず3)のデータ収集の仕組みづくりおよび実際のデータ収集のステップに戻って改善をくり返す必要がある。

5)施策の実行

仮説を立てたなら、次に具体的にある程度結果が得られる期間で施策を実行する。

ただし、一度の施策の実行では得られる結果に限りがあることは想定しておくべきだ。

そこで重要なことは、様々な角度からの情報を得るために、1回ではなく数回に分けたり、臨機応変に新しい施策を行うことも視野に入れておかないといけない。

6)評価および改善

こうして実際に行った施策は必ず効果検証し、PDCAをくり返す必要がある。

念のため、PDCAの意味について書いておくと、Pは計画、 Dは実行、 Cは評価、Aは改善である。

ピープルアナリティクスは一度で終えるだけでなく、検証した結果をさらにデータとして蓄積し、次の施策に役立てるなど、再度各ステップをくり返すことが重要になる。

社内情報のデータ化の例

結局は、データ化することが重要なのだが、データ化といってもなかなかピンとこない人も多いと思う。

そこで、データ化すべきである情報の例を挙げておくので参考にして欲しい。

  • 社員の基礎情報:採用時に本人から提出を受けた情報、入社日、役職

  • 職務内容:現在従事している仕事の内容、希望職種、キャリアの志向、目標設定

  • 人事評価情報:職務経歴、所属歴、職務能力、成果

  • 勤怠情報:残業状況、始業および退社時間、遅刻、早退、欠勤

  • 能力および資格:持っているスキルやそのレベル、語学力、保有資格

まとめ

ピープルアナリティクスという言葉を初めて聞いたという人も多いのではないだろうか。

個人の力は大切だ。

最小単位は個人になるし、個人の力が強ければそれなりに大きなこともできる。

けれども、やはりチームや組織の力を前にすると、個よりも大きな力になることがほとんどだ。

ただただチームや組織をつくるのではなく、しっかりとした目的や目標を持ち達成できる強いチームや組織をつくっていくためにもピープルアナリティクスを実践してみよう。


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植田 振一郎 Twitter

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。