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アンティーク家具店のしごと日記11


世田谷区で夫婦ふたりでアンティーク家具店をやっています。
お店は、世田谷線上町駅と田園都市線桜新町駅の間。

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こんな場所で、アトリエ兼店舗としてお店を構えて1年と半年。
物件を借りたのはすでに2年前になりそうです。時が経つのはやい!

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ここまで生き残ってきた古き良きモノたち。
一度自分たちが手にしたからには、ここからまた長く使っていただけるようにする責任があると思っています。
今は直接買い付けに赴くことが出来ないので歯がゆい日々でもありますが。。
まだまだ手を付けるべき未修復の在庫はありますので、焦らず、一つずつやっていこうと思います。

お天気の良い日にでも、思い出したらふらりとお立ち寄りいただければ幸いです。


さて今日は、修復ご依頼いただいたアンティークのベントウッドスツールの作業のご紹介です。

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持ち主さまはこの珍しいディテールに惚れ込んでアメリカにて直接買ってこられたそうです。

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実用には耐えきれずそのうち座面は破れてしまったとのこと。木部は素朴な雰囲気で、鋳物部分の重厚さがより引き立っています。今回のご依頼は、格好良さを損なわない上で自宅で気にせず使えるように、とのお話でした。

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早速座面を剥がしてみるとオリジナルはラタンだった痕跡。
今回はガシガシ座ってもいいように、なのでラタンは却下です。

座面について考えつつ、接合部分を圧着して強度を高めます。

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洗浄途中の様子。真ん中の支柱がきれいになっています。
とにかく泥?土汚れがありましたので、もしかしたらお外に長いこといたのかと。。

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木目がキリッと浮き上がると、改めて木を曲げて作ったんだということが意識できます。程よいツヤでピシリと面が整う塗装仕上げです。

続いて座面。
今回はバンド張りのために、丸いオリジナルの枠の中にもう一つ丸い枠を新規で製作。さらに裏面からも木をあてて補強しました。

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↑この座面のオリジナル枠が真円でないので、切り出してフィッティングするのが大変です。

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板座より格段にバンド張りは座り心地がいいと思っています。

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裏板は、鋳物の座面ブラケットを固定するところをかきこみ。

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あまり見ることはありませんが、裏板は色を合わせてマイナスビスで止めました。お客さまのこだわりによっては、マイナスビスもご用意します!

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最後に脚のカタツキをチェックして完成です。改めてビフォーアフターとなります〜↓

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座面の革はオイルの入ったヌメ革をこれからガシガシ使って馴染ませるので、とのご希望で。(前回革のパーツ取りに悩んだ甲斐がありましたネ)

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太鼓鋲は鋳物の鉄色に近くなるように黒染め。こちらもこれから、酸化してエイジングしていけばと。。

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椅子も喜んでると信じたいところであります!また月日が経ったらぜひ見せていただきたい修復のご依頼でした。

ではまた次回に!

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