”一緒に観た二人は結ばれる”? クリスマスには元祖韓流ラブストーリーを!【イルマーレ】名画座スプークス #3
今回も、皆さまの「今日何観ようかな?」のお手伝いを担当させて頂きます、名画座スプークス従業員の伊藤です。
本日もよろしくお願いいたします。
本日ご紹介するタイトルは、2001年に日本公開された、韓国映画「イルマーレ」です。(韓国での上映は2000年との事です。)
2006年には、キアヌ、サンドラ・ブロックの「スピード」コンビによるリメイク版もございますが、今回はオリジナル版のご紹介です。
大まかなあらすじは、
「イルマーレ」―イタリア語で「海」という意味が付けられた浜辺に建つ美しい一軒家を舞台に、
何故かそのイルマーレに設置されているポストは、時空を超えて手紙を送る事ができ、
2年前に暮らしていた男性と、現在住んでいる女性が文通を行うというSFラブストーリーになります。
主演は「猟奇的な彼女」で日本にもブームを巻き起こした元祖韓流スターの一人、チョン・ジヒョンと、
最近では「イカゲーム」の主人公ソン・ギフンでも有名な、イ・ジョンジェ。
イ・ジョンジェさんは、若い頃よりも年齢を重ね最近の方がカッコよくなったと思っている私です。
漫画家さんが、デビュー当時よりも、連載が長くなってくると絵が上手くなるアレと同じ……ではないですね(笑)
さてさてこちらの作品ですが、もう22年前の作品になります。でも、あまり古さは感じません。
今見てもあまり違和感なく見る事が出来ると思います。
というのも、基本的にメインは「イルマーレ」というお洒落な家と海。
そして二人の役者さんのメインの構図ばかりで、時代を感じさせるものがあまり映り込まないのです。時空を超える設定も「手紙」なので、普遍的な媒体です。
今から29年前に、裕木奈江さん主演のドラマで「ポケベルが鳴らなくて」というタイトルのドラマがありました。
主題歌も同じタイトルで発売され、かなりヒット曲でした。
しかし、キーワードを「ポケベル」としてしまったので、曲もドラマもちょっと古いものとなってしまう感じはありますよね。ワードで過去にタイムスリップさせてしまうという。
これが、
「郵便配達員さんがやってこなくて」とか、
「郵便配達員さんのカブのエンジン音が聞こえなくて」とかであったりすれば、あの名曲もまだまだ現役だったのではないか(?)と、悔やまれる今日この頃です。
…とりあえず、「イルマーレ」は今みても全然ストレスなく見る事が出来る作品です。
そして、手紙ベースで表現もまたオサレに感じるんですよね~。
千葉県生まれの千葉県育ちですが、言わせてください。
ステキやん!!!!!オシャレやん!!!!!!!
言葉にすると往復ビンタをされそうなフレーズも、手紙にするとスッと入ってきますね。
こんなフレーズのテンションで物語は進みますので、一人でゆったり見るのもまたいいんですよ。
しかし懸念点もあるにはあります…。
人によっては、この映画のメインであるタイムトラベルの時間軸に対して難色をしめす方もいらっしゃるでしょう。
タイム・パラドックスを非常に感じる事はあると思います。
…しかしそういう方はですね、ノーランの「インターステラー」でも観てください。
この映画に関しては、そこは目を閉じて頂いて。
ショコラティエが、繊細な技術を用いて作った1粒千円超えするショコラを前に、現実的意見で「自分はチョコボールの方が安いしカリカリしてて好き」という感じで来られても困ります。
全ての過程を込みで、ロマンティックに食したいんですよ、こういうムービーは。
なので、そこらへんの時間の整合性等は全て捨てて、ラブのストーリーにだけどっぷり浸かって見てください。
と、この映画の良さを語らせて頂きましたが、タイム・パラドックス以前に、一つリアリティーに欠ける部分をご指摘させて頂くとしたらですね、
二人が時空を超えて、長い時間をかけてポストに届く手紙だけで情報を交換し、そしてそれはいずれ愛と形を変える。
ロマンティックに盛り上がり盛り上がり、そして互いに「逢いたい」と強く願い、時間を場所を決めて現地に赴く。
そこにいるのが、小太り髭モジャの自分みたいのだったら、一体この物語はどうなるのだろう?という懸念は御座います。
目の前をスーっと通り過ぎて帰らないか?
はたまた一応挨拶して、そこらへんの居酒屋に行っても、ウーロン茶にお通しオンリーの、即帰宅Ver.にならないのか?
自分みたいな者は、そこが一番気になりました(笑)
結局、主人公が美男美女ですからね…。
そしてこの映画、当時韓国では「一緒に見に行った二人は結ばれる」という映画だったらしいのですが、
自分はまず、好きな人―片思いの人とどうすれば、ロマンティックムービーに連れていけるのかを、とても知りたいと思いました。
若いとき、自分が好きな人を何とか映画に誘えたのは、ロマンティックとは真逆の、
ジェリーブラッカイマー制作、ニコラス・ケイジ主演の「コン・エアー」
でしたから。
「囚人を載せた飛行機で、すげー事が起こるらしいよ!」
という誘い文句で。
…と、少し私情が入りましたね。申し訳ございません!
この映画、90分という尺で無駄がなく、
一人でしっぽり観るのも、二人でゆっくり観るのも丁度よい作品です。
年末に、少し素敵な “涙” はいかがでしょうか。
2022年の最後に是非、ラブのストーリーをご覧ください!
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