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人間が「弱く残酷な生き物」ということを知っていますか?



【!!閲覧注意!!】


少し長い内容になっているので「人間がいかに弱く、残酷なのか」について、気になる方のみお読み下さい。



あなたは1960年代にアメリカのイェール大学の心理学者、スタンリー・ミルグラムが行った、「服従に関する一連の恐ろしい実験」について知っていますか?

この実験では 「人間の良心が状況によって無力になる様子」を明らかにしています。




なぜ人間は弱く残酷なのか?「ミルグラムの服従実験」の内容(前編)


まず心理学者のミルグラムはこの実験で【男女の被験者】を、

弁護士
消防士
建設労働者

というような「社会のあらゆるジャンルの人々」から無作為に選びました。


そして【被験者】には、

「これは学習と罰の関係についての実験であり、参加すれば一時間ごとに手当て支給する」

と伝えたのです。


さらに実験で【被験者】は白衣を着た博士から、

あなたは【教師役】となり、単語リストを読み上げて【生徒役】の人物に、「関連する単語を当てさせるテスト」を行うようにしてください。

と指示されます。


ここまでは普通に【教師役】と【生徒役】に分かれてのテスト風景ですよね?


ちなみにこの【生徒役】は隣の部屋にいるので、【教師役の被験者】たちからは、

「あいての姿は見えないが、声だけは聞こえる」

という状態になっているのです。


なぜ人間は弱く残酷なのか?「ミルグラムの服従実験」の内容(後編)


正直ここまではいわゆる「普通の実験」という感じですよね?

…しかし、「ミルグラムの服従実験」の怖いところはここからです…。



【教師役の被験者】には『ある指示』が加えられました。

それは、

【教師役】は【生徒役】が答えを間違えたら、電気ショックを与える

という非常に残酷な内容です。



しかも答えを間違うたびに、「電圧を上げるように」と命じられるのです!


ものすごく恐ろしいことを指示してきますよね?(;・∀・)


ちなみに与えるその電気ショックは、「軽度のショック」=【15ボルト】がスタート時の設定で、

「危険:猛烈なショック」=【450ボルト】という段階までの各スイッチが用意されていたのです。


ちなみに死刑などによく使われる電気椅子は、【約500~2000ボルト】と言われています…。

高圧電流を流すその最初と中間と最後の数秒間の電圧は2000ボルト、
その間合いは500ボルトに下げるという。
体温は全体として80℃近くまで上昇し、脳の温度はほぼ水の沸点に達する。

引用:コトバンク


なぜ人間は弱く残酷なのか?「ミルグラムの服従実験」の【本当の目的】


正直なところだいぶ、というか「かなり危険な実験内容」だとおもいますよね?

しかしさすがにこれはあくまで「心理実験」なので、「本当の目的」は別にありました。


それは「本当の実験目的」の対象が、じつは【生徒役】ではなく、【教師役の被験者】の方のみだったということです。


つまり【教師役の被験者】が【無抵抗の生徒役】に対して、

「どれほど強い罰を与えられるのか」

ということを見るのがミルグラムの実験の「本当の目的」だったのです。


なので【生徒役の被験者】は俳優が演じており、

・問題をわざと間違えて罰を受けるようにする。
・180ボルトでは「痛くて我慢できない」と大声で叫ぶ演技。
・300ボルトになると「実験を辞めたい」と言う演技。
・330ボルトでは「何も言わずに黙ったまま」になるという演技をする。

という設定でスタートするものです。


…しかしこの【実験結果】には、意外な展開が待ち受けていました。



ミルグラムの実験結果で「人間は弱く残酷な生き物」ということが証明された


この「ミルグラムの服従実験」ですが、実験結果は予想外にも、

被験者の『約65%』が最後の450ボルトまで罰を与え続けた。

というものだったのです…。


しかもそれは事前に、「生徒役には軽い心臓病がある」という注意事項を聞かされていても、「結果は変わらなかった」という衝撃的なことでした。


最悪の場合、あいてが死んでしまうかも知れないのに、「約半数以上のひとが実験を最後まで続けた」ということが信じられませんよね?


ここで一言付け加えておきたいのは、もちろん【教師役の被験者】たちも平気だったわけではありません。

大多数の【教師役の被験者】が、

強い不安を抱いた。
流れるほどの汗をかいた。
唇を強く噛み締めた。

というような「強いストレス」を感じていました。


なのでみんながみんな、サイコパスのドS野郎というわけではないので、安心してください笑


しかし白衣を着た実験者の博士に、「そのまま続けてください!」と強く促されると、【教師役の被験者】は「ためらいながらも実験を続けた」というのです。


そしてさらに「興味深い実験結果」がありました。

それは、

【被験者】と【犠牲者】の心理的距離が大きければ大きいほど、最後まで命令に従う傾向が強くなる

ということです。


つまり詳しく説明すると、

【教師役】が「問題を出すだけで、ショックは与えない」という立場で実験をする

という条件の場合、参加者の【90%】が実験を最後まで続行しました。


しかし、

「電気ショックを与えるためには【教師役】が【生徒役】の体に触れなくてはならない」

という条件の場合、電気ショックを最大の450ボルトまで上げたのは、「わずか30%しかいなかった」というのです。


つまり、「自分が電気ショックを与えている」という責任を目の当たりにするこで、最後まで実験を続けるひとが「65%から30%まで下がった」ということです。


しかしこの実験結果からわかることは、逆に「匿名性」「他人」などの、自分とあいてとの心理的な距離が大きい(遠い)というような存在の場合、

「人間はいくらでも【残酷な行為】に手を染めてしまう可能性がある」

ということを証明することになります。



【まとめ】人間には「権力に弱く、残酷」という性質もある


この「ミルグラムの服従実験」は驚くべき実験結果となりました。

そして実験手法が「倫理的に問題」だったこと、さらにはその「実験結果があまりにも恐ろしかったこと」などから、「1960年代の学会に衝撃を与えた」とまでいわれています。


しかしこのミルグラムの研究の結果から、ふつうの善良なひとびとも、【権威者】(今回は博士のような存在)がいるだけで、

「非人道的な行為を行うように『誘導』されてしまう」

ということが判明しました。


つまり、立場が上のひとに指示されると、例え自分自身が「悪いことだ」と分かっていても、それに従ってしまう人間の「弱さ」があるということです。


ちなみにこの「ミルグラムの服従実験」はアメリカの他に、

オーストラリア
ドイツ
ヨルダン

など他の国々でも再現した実験が行われていて、

「全ての実験で同様の結果が出た」ということ。


さらに、


【男性】と【女性】で服従する割合もまた「全く同じ結果だった」


ということも分かっています。


以上のことから、

・悪いことと知りながらも【権威者】には従ってしまう。
・「直接的な責任」を感じなくなるほどに【残酷】になれる。

というのは【人間の性質】だったということが分かります。


しかし、これは人間という生き物が、「生き残るために必要なことがDNAや遺伝子に刻まれているからなのではないか?」と心配性わくわくは考えています。


なので大事なのことは、【人間は弱くて残酷な生き物】という人間の性質のことを知った上で、

「どうやって自身の感情をコントロールするべきか?」

ということではないでしょうか?


「弱さ」「残酷さ」というような暗い感情にとらわれないで、「前向きでワクワクするような日々」を過ごしたいものですね(*゚ー゚)


もしこのnoteを読んで、あなたが素直に『どう感じたか』を教えて頂けたら嬉しく思います♪

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