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すぴーの考えごと

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仕事、趣味、家族、社会、哲学などジャンルを問わず、なるべく平易な言葉で自分の考えをまとめていきます。世界は分からないから面白い。
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記事一覧

子供が教えてくれる移動のUX

どこかへ遊びに行く時、検索ツールが発達した現代では、所要時間とコストで交通機関を選ぶ人が多いと思う。しかし子供と出かけるようになってから、移動ではUX(User eXperience ≒ 体験の質)が大切な要素だと思うようになった。 今回は移動の方法を選ぶ際にUXを重視してみてはいかが?というお話。 UXはIT業界でよく使う用語だと思うが、ここで言うUXは体験の質、つまり、移動している時間が快適で満足度の高いものかどうかを指す。 例えば私は豊島区に住んでいて、目的地に向かう

男性が育児参加する本当のメリットは何か

私は昨年4月に育休を取得し、今年5月に復職する予定である。noteで振り返りをしてみたら?と妻に言われたが、育児の記録自体は子供が生まれた時からつけているので、育休を通して分かったことを書こうと思う。 子供が生まれた2020年は男性の育休元年と言われるが、男性の育休取得率や取得日数は依然として低い。そうした中で男性が育休をとるのは、妻のサポートのためにあるものと考えられている、と私は感じている。 しかし私は育休の期間を通して、男性が育児参加することがどのように子供のために

noteのコンテストは書き手にパワーをくれる有り難い存在

気づくのが少し遅れてしまったが、コンテスト「#はたらくってなんだろう」の審査結果が発表された。 私はこのコンテストの応募締め切り最終日に以下の記事で挑戦した。こういう、「〜とは」みたいなお題を出されると真正面からその問いに答えたくなる性分だが、今回のテーマはさすがにまともにやりすぎるとハンナ・アーレントとか哲学の話みたいになるので、対象を絞ることにはなるが自分の経験にも多少立脚する形で書いてみた。 それでもいくつか本を読まなければならなかったので期限ギリギリになってしまった

生きるために生きる、それが人生の目的だと自信を持って言えるように

私は健康に気をつけている。お酒もタバコもやらないし、よく寝るし、駅から徒歩10分のところに住むことで歩く距離を確保し、BMIは標準、健康診断や歯科検診も定期的に受ける。健康を保つことが趣味ということに関しては、最近はさほど否定する人はいないのかもしれないが、「何のために生きているのか?」という眼差しで見られた経験が私にはある。 アンチエイジングなども似た立場にあり、この眼差しを持つ人々は「人間は老いて死ぬのが自然なのだ」と言ってアンチエイジング派を蔑む。本記事ではこの眼差し

女性の話が長いってホント?

炎上した森氏の発言に関するニュースを見ていたら、妻が「でも女性の話って長いよね」と言った。妻によれば中国のネットでは、同じように同情的なコメントも多いという。 ふーむ。森氏に女性蔑視の信念があるかどうかは知りようがないけれども、「平均すると女性は男性より話が長い」のような統計データが背景にあるかどうかくらいは分かるかもな・・・と思い、少し調べてみた。 まず次の記事から結論部を引用する。 一般的に男性より女性の方がよく話すと信じられているにもかかわらず、ほとんどの「対話時間

大企業で働く意味が問われる時代が来た

「#はたらくってなんだろう」のコンテストに寄せて、比較的大きな組織で働いている私としては、大企業で働くことの意味を考えることにする。 まず、現代は大分業時代である。業務を細分化し、専門化することで(特に大量生産の)効率を上げている。しかし一方で、細分化された業務につく人々はその企業全体が何をしているのか体感しにくくなる。そのような経験がある人や、仕事は生活のためにするものと割り切っている人なら、当コンテストの開催背景に書かれている次のような文章に、多少なりとも違和感を感じる

自由意志が幻想だったら何がまずい?

NHKの科学番組「ヒューマニエンス」で、「”自由な意志”それは幻想なのか?」の回を見た。今日はこのテーマについて少し考えてみる。 自由意志が幻想だという話はずいぶん昔からあるが、そうだったら超ガッカリだ!という文脈で言われることが多い気がしていて、ヒューマニエンスの出演者も同様の反応だった。しかし自由意志という言葉が、今からの行動を意識内で好きに決められること、また、無意識に頼らず決めなければならないことを指すのであれば、それは明らかに誰も望んでいない事態だろう。 我々は

優しさを決めるのは動機か、印象か

むかし地元関西に、「厳しさが優しさ」と銘打っている学習塾があった。今ならちょっと問題になるキャッチコピーかもしれないが、子供のためを思って厳しくするのは、子供のためを思わず優しくするよりいいじゃないかという主張が含まれている。実際のところ、動機は優しさを決める要素の1つではあるだろう。 しかし私はもう1つ、忘れてはならない要素があると思っている。パワハラが、それを行った側ではなく行われた側によって認定されるのと同じように、優しさもまた受け取る側の気持ち次第ということである。

挑戦だけを手放しで礼賛する危険性について

「挑戦している君へ」というコンテストが開始されたので、これを機に「ある意味で挑戦を礼賛する記事」と「ある意味で挑戦を否定する記事」の2つを書こうと思う。前者は下記で、後者は本記事である。 まず、世の中で格言とか教訓と言われるものは、人や状況によって真逆の教えが有効となる。例えば、『七転び八起き』という格言を考えた時、これが肯定的に適用されるのは「すぐ諦める人」に対してであり、むやみやたらと頑張る人には否定的に適用されなければならない。だから大抵の格言には真逆の格言が存在し、

清里の父、ポール・ラッシュの人生から信仰と使命感を考える

2017年10月、私は妻と山梨へ旅行をしました。その際、ポール・ラッシュ記念館というところに立ち寄り、彼が残した足跡を見ているうち、これはすごい人がいたもんだということで伝記を1冊買って帰りました。これを読んだのは約3年前ですが、最近ちょっと使命感というものについて思うところがあり再読しました。というわけで今回は読書感想文を兼ねて、信仰や使命感の意義について考えていきます。 日本に賭けたポール・ラッシュの生涯 まず、伝記から文章を拝借する形で、ざっとポール・ラッシュ(以下、

自信に関する勘違いは、ある種の同調圧力を生み出す

日本人は集団の考えに染まりやすいとか、日本社会は同調圧力が強い社会であるなどと言われて久しい。しかし例えばアマゾン創業者であるジェフ・ベゾスの本などを読むと、同調圧力との戦いは海外にも普通に存在することが分かる。その本によると、ある会議で偉い人(ベゾス本人だったか?)が出した提案に対して、出席者の誰も反対意見を出さなかったのだという。それをベゾスは叱責したという話だ。 このような同調圧力が生じるのは、偉い人に対する信頼や恐怖、責任転嫁、意思決定を楽に行いたいという気持ちが働

37歳で亡くなった宮沢賢治を思う

Chiaki さんの下記の記事で、私のnoteをご紹介いただいた。このように自分の記事のURLが含まれる記事が投稿されると、「~さんの記事であなたの記事が話題になっています!」という通知が届く。こういうご紹介に喜ぶと、まんまとnoteの仕様にノセられているようでシャクなのだが、喜ばしいものは仕方がない。私も Chiaki さんのように他の方の note をちゃんと読んで、いいと思ったものは面倒くさがらずご紹介したほうがいいのかもなという気になった。 で、Chiakiさんの記

マーケティング用語を日本語で話してくれという話に感じたこと

何の番組だったか忘れたが、最近ちょっと印象的なエピソードを見た。ある人(Aさん)が会社の立て直しか何かをやっていて、組織全体にマーケティングの思想を根付かせるために、会議の場などで専門用語を日本語で話すよう求めたという話。専門用語というのは多分、以下のような言葉だろう。 https://crowdworks.jp/times/marketing/4134 たしかに、マーケティングの専門用語というのはある程度覚えても、早口で数種類を連発されると理解が追いつかないことがある。

結論を予め考えずに文章を書くことに対する憧れ

文章っていうのは普通、結論を考えてから書き始めるものだと思う。自分も常にそうしてきたが、だからこそというか、結論を予め考えずに文章を書くことに対する憧れのようなものをずっと持っている。 結論を考えるというのは、なかなか大変なことだ。何でも良いから結論があって、それに向かっていけばいいだけなら簡単だけど、書いてみた起承転結を眺めたら全然気に食わない主張になっていることは結構あって、その場合はもう全部やりなおしになってしまう。こういうことを防ぐために、ぶっつけ本番で文章を書くん