○拷問投票6【第一章 〜毒蛇の契約〜】
ドアの向こうには、パッと見でも印象に残るほどに、眼光の鋭い男が立っていた。そのほかの特徴はほとんど目に入らない。
その視線は荒々しくはないので、精悍とは言えない。なんというか、邪な成分は含まれていない、とでも言えばいいのか。情状酌量の余地がありすぎる悲劇の悪役とでも呼びたくなる。絶対に動かない頑強な意思を貫きつづけ、自らの正当性をこれでもかと信じつづけている人物でなければ、このような眼光にはならないだろう。
長瀬にとっては、それがあまりに予想通りだったので、むしろ困惑し