○拷問投票15【第一章 〜毒蛇の契約〜】
目の前のデモ参加者たちは、国家や政府に対して憤りを訴えているようだ。彼らは間違いなく、その国家や政府という存在を、目の前の国会議事堂に投影している。より若い世代の佐藤には、その考え方がよくわからない。
いろんなものがバーチャル上に移行していく現代社会においては、さまざまな概念を物理的存在などに結び付けて理解することが困難になった。その代わり、どの概念も本質の領域で理解することが容易になった。佐藤とて、明確に理解しているわけではない。少なくとも、国家という存在を、現実に存在