◯拷問投票250【第四章 〜反対と賛成〜】
「わたしは、実は、長年、刑事法の研究をしている者です。殺人事件の被害者遺族の方などと面会をする機会もあります。彼らの多くは、犯人がその罪を死をもって償うことを望んでいます。でも、本当に復讐として犯人を殺害する遺族はいません。死刑制度がストッパーになっているのです」
詰まることもなく、すらすらと出てくる。即興で生み出された言葉の群れは自分でも新鮮だった。
「遺族たちの代わりに殺してあげる、それが死刑制度です。人類はきっと遺族たちを哀れんで、法律に基づいた死刑というものを発明し