「本気で本を作りたい」そんなあなたに捧げる、私の経験から得たヒント
私がエッセイ集を作ろうと思ったとき、本の作り方は書いてあってもリアルなことはほとんどわかりませんでした。それは「あなたの采配で」とか「人によって違う」ということだったのだとは思いましたが、私は実際にこうだったというデータや傾向が知りたかったのです。
周りを見ても表面的なことしか見えず、裏でどういった流れがあって動いているのか全くわからないことで不安な気持ちがありました。私はそれなりに本づくりの経験はありますが、noteでは全く違う傾向性があることはなんとなくわかりました。
圧倒的に違った分野で一体どうやって自分の本を作り、それを欲しいと言って下さる方へとお届けするのか。できることならたくさんの方に読んで欲しいし、喜んで欲しい、そう考えながら作った本でした。
本づくりに至った経緯
私はエッセイ集は作ったことがありませんでしたが、オタク的な本づくりに関してはある程度関わっていた経験があります。活動をやめてからかなり経っているので最近の本づくりはよくわかりませんでしたし、文学フリマのことも数ヶ月前に知りました。そんな私だからこそ、10年くらいぶりにやってみた本づくりによって気付いたことをまとめてみようと思います。
2023年の8月になって完成させることができた私のエッセイ集「零れ落ちた光を集めて」ではありますが、ここまで来るまでにはもちろんそれなりの紆余曲折がありました。
★立案
★実行(約2年後)
前半の無料部分、後半の有料部分と分けて解説などしていくつもりです。それぞれ区切りがいいようにまとめていくつもりなので、よろしければ途中まででも見ていって下さい。
※3周年プレゼント企画のため、大幅に書き直しました(2023/12/21)
少し前に掲載していたような大雑把な説明は省き、小ネタ方式に書き換えました。本づくりの流れ自体は他の方の記事や検索サイトでの情報など、いろんなところにありますので、こちらの記事はあくまで追加情報として使って頂けると幸いです。
無料部分です
1、大体のテーマや構成を決める
まず本当にやったほうがいいと思うことは、作りたい本(エッセイ集)についての「テーマ決め」や「イメージ作り」です。これで私は何回やり直しになったことかわかりません。なんとなくでも決めておいた方がいいです。
この軸がちゃんとしていないと、私がやってしまったように当初は「キラキラ」がテーマだったけどこの話を入れたい……などと思ってしまい、全体的に見たときにまとまりのないものになってしまいがちです。
「過去の話から最近の話へと順番につなげたい」「同じテーマ軸に沿った話をまとめたい」「全体的にふんわりと優しい雰囲気の話を集めたい」など、なんでもいいのであらかじめ自分の中で大体のイメージを意識しておくのがおすすめです。
これを決めておくと、作業していてどうするか迷ったときに「テーマに近いのはこちらのほうだな」などと選びやすくなります。ちなみに、最終的に私はテーマを「光」「読むアルバム」にしました。基本的に思い出を描いたエッセイが多いためです。
2、エッセイ集と小説本の違い
私はオタク的活動をしているときに主に小説を書いていたのですが、その場合とエッセイ集の構成はかなり変えて作りました。エッセイ集は小説本よりも気軽に読むことができるようにしたほうがいいのではと思ったからです。
手元にある文庫本を基準にし、それよりも文字のフォントを大きくしました。一行一行のスペースを少し広くしました。読んでいてストレスのないように文字を配置することを心掛けました。このあたりは参考に買ってみた、いろんなnote作家さんのエッセイ集も参考にしながら進めていきました。
小説を好んで読む人と、気軽な気持ちでエッセイ集を読みたいと思う人の感覚はかなり違うと感じました。きっと普段は画面でnoteを見ていることから、ストレスのない配置があると考え、何度も調整しました。
このあたりは実際にプリンターで出力したことがわかりやすくなってよかったように思います。ちなみにPDFというファイルで文書を作ると、コンビニで印刷できるようになるのでプリンターを持っていないという方はサービスを使ってみるのもいいかもしれません。
※ローソンのリンクを貼りましたが、ファミリーマートにもセブンイレブンにも同様のサービスが存在しています。
3、表紙をオーダーできる場所
エッセイ集の表紙を頼めるイラストレーターさんがいなくて、という理由で手づまりしてしまっている方はけっこう多いのではないでしょうか。そもそもペイントソフトがなくて表紙を作ることができないという方もいると思います。
Canvaなどで自分で作るという手もありますが、それよりももっとクオリティの高いものにしたいという方。有料ではありますが、それを本の表紙を書くスキルを売っている人にオーダーするという方法があります。
大体有名どころでいうとこのあたりでしょうか。少しお値段が高めなクリエイターさんもいますが、そこは予算に応じて決めるというのもありかと思います。「表紙 作成」などで検索してみて下さい。元はオタクに適したプランではありますが、かなりセンスのある方が集まっています。
表紙を作るというのは作業的な意味でいうと「表紙をデザインする」「実際に描く」「タイトルなど文字入れをする」に分けられます。これを一部でも自分でできるのか、そうではないかが重要になってきます。どこまで依頼するかが変わってくるからです。
ちなみにこの記事の有料部分にも、表紙をオーダーできるさらにおすすめの場所が追加で記述してありますので、よろしければ。
4、印刷所の選び方
決めておいた印刷所のルールに従って準備を進めます。印刷が予約制のところや、入稿時のデータ形式などでかなり違いが出てきますので注意して下さい。大体の印刷所では冊数とページ数で簡単な見積もり診断ができるようになっているようです。
オンデマンド印刷という1冊から印刷可能な少部数印刷用の技術があり、安いところでは「100Pの文庫本(A6サイズ)」の設定で1030円(1部)からの印刷ができます。その業界最安値と思われるのはこちらの印刷所です。「出来上がりがどんな感じか見たい」など試し刷りとして利用する方が多いようです。
私はそこそこのクオリティが欲しかったので「100Pの文庫本」2500円以上(1冊)のところにしました。もちろんこれはページ設定などで変動します。ちなみに注文の冊数が増えると1冊ごとのお値段も下がっていきます。例えば1冊あたりの値段が高くても、10冊以上になると印刷所によっては一気に1000円以下になったりします。
カバーや帯をつけたり、しおりをつけるなどのオプションがあったり、本づくりにぴったりなフェアがやっていたりするので、いろいろと迷ってしまうくらい装丁については見ていて楽しいです。予算なども加味しつつ選んでみて下さい。
小説本フェアをやっているのはこちら
文豪本フェアをやっているのはこちら
そして私のエッセイ本はこんな感じになりました。
実際にこういった形になってみると、画面で見るときとは全く違う紙の質感などに感動します。普段本を読まないタイプだったとしても「手に取れる形に存在している」という事実はそこまで嬉しいものなのです。
自分が生きた証のようなものを何かの形で「残したい/遺したい」――そう思う方はけっこういるのではないかと思います。一生懸命活動してきた作品があるのなら、それはなおさら強い願いになっているのではないでしょうか。そんなあなたにアナログな形での本づくり、おすすめです。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
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