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ものがたり

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#文章を書くこと

その暮らしだけが確か

その暮らしだけが確か

カーテンの向こう側に見える
鹿の親子が遠くから見ている

視界はクリアで
どこかで行われている反抗と無縁

素直になれる気がしていた
朝露で濡れた草花
カリカリに焼かれたベーコン

お揃いの枕並べて眠ろう
目が覚めなくてもいいよ

これは愛だ
なんて言えないよ 顔が紅潮する
手と心臓が繋がったみたいです

左右が揃ってない靴下とか
角に溜まったほこりとか
面倒な話し合いはまたどうか

迷子になって

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ラッカー(いろ)

ラッカー(いろ)

人はたいていちたいをさらしているし、
なにゆえにナップサックの紐を調整してみたり
終電前の火災はこだまだし
羽の生えたみずいろは泳いでいるし
しっちょうしてるからぶんれつしてるから
雨天りょうようで持ち直すし
ヘップバーンを身勝手と言うにはまだあおいとおもうよ

フィルムを装填するとき銃口を突き付けるような心理になる
ホッピーを教えてくれたとき 始まって終わった
始まってなかったから終わった
両手

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果てて、息

果てて、息

彼女がため息をついたのは、私が全てを吐き出しきった後だった。
「大体わかった。で、どうするの?」
ハツはいつでも合理的だ。でも私が欲しいのは解決策ではなく、上っ面でいいから寄り添いの言葉なんだ。せめて、ハツ自身の評価がほしい。
「いや別に、反対しない。でもさ、今後のことを思うとね。」
副流煙で充満した空気が肺を出入りすると、自分がそのまま煙になってしまいそうになる。ハツはやたら細長いそれを愛用して

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バグ おこしつ

バグ おこしつ


僕がここにいるのにどれほどの意味があ

残寒 満ち

あいつ
なんて遊び やめ
よう

お前なにしてる
煙草 墓 朽ち

僕がここにいるのにどれほどの意味があ

鱗屑 落ち

酔狂はやめにしつ
席を立たないでください
事故防止のた



ある
様子

ある
様式は美しつ

迫りつ来る 来る くる き

この文字列にどれほどの意味が

ない
様子

ない

なかった

そこには誰も

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