小池舞

お芝居とラジオと。 あとコーヒーとカメラとだらーりだら。

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    お返事にお時間を頂戴したい、常。

    言葉を紡ぐことにすごく時間が掛かってしまう。 演劇が終わると、時と場合によっては役者面会というものがある。 さっきまで舞台でなにかをしていた俳優さんと、シラフの人間としてフツーにお話できるのだ。 私はそれがとても苦手で、 お客さんとして観に行った場合、お疲れのところわざわざお話までしてもらってこの後も本番は続くのにな、とか、 創作に掛けた時間に対してポロッと出た一言に責任が取れないな、とか、ちっぽけないち感想が本人に直接届くのはいかがなものかしら、とか余計なお世話が渦巻い

      • 標本の湯「live in 35mm film.」

        松井周の標本室というサークル(と私は呼んでいる)に参加しています。 3/10〜3/12に元映画館という日暮里にある会場で、「標本の湯」を開催します。※標本の湯公式ページ 会場内で展示・ワークショップが乱立し、カオス空間になる予定です。 私は会場全体を使っての写真の展示と、外を歩きながら写真を撮るワークショップ、両面を展開する予定です。 あいた時間は、会場内で記録写真を撮っています。 はじめに〜松井周の標本室について〜 そもそも標本室がどういう集まりか、と聞かれると 「なに

        • 『斗起夫 -2031年、東京、都市についての物語-』 / 2022年12月、写真

          年末に北千住BoUYで行った演劇。 ぺぺぺの会「斗起夫」。 愛する人にカメラを向けるのだ、とたくさん撮った。 フィルムの価格が嘘みたいに高騰していて、もういつまで撮れるか分からない。でも迷わず撮ることを選んでいたい。 誰かのまじめがいつか誰より愛されますように。 2023年の冬、東京。 私は人のことを憂いている余裕もないけれど、 だけどたくさんの、残したい、で溢れているので、決して見過ごしたくない。時間とともに少しずつ忘れていっても断片でいいから覚えておきたい。 202

          • 2022年のこと

            2022年は上半期がすっからかんで、とはいえなにかをしていた気もします。 2023年のすっからかん具合はデジャヴュですが、やはり焦らず、休息休息、と呑気/気ままに浮世離れに過ごしております。 2022年の出来事を、メモしておきたいと思います。 5月 エリア51『てつたう』(せんがわ劇場) 7月 お散歩演劇『め?』(明大前駅付近) 8月 anonet『となりの青いシバ』(デザインフェスタギャラリー) 屋根裏ハイツさん戯曲を遊び倒す研究会『父の死と夜ノ森』(STスポット)

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          • あの日のこと
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            風邪を引いたときの夢を見たい

            恐らくコロナになってしまった。 朝の測定で36.2度だったため、平熱に慢心しきってしまった。 カメラ屋にいつも通り出勤し、カメラの動作を確認していると、若干自分の手先が鈍い。 普段より作業効率も悪い。 気の緩みかもしれない。しっかり働かなくては。私は真面目。 大切な我が子たちが無事に動くことを確認していると、体がずぅんとなってきた。腰、肩、膝の両サイドといった関節が痛い。 噂に聞いていたコロナだと直感する。 いずれ迫ってくるビックウェーブからママチャリで逃げるために、病院に

            深夜空間

            Twitterの機能「スペース」をたまに使う。 平日の深夜1時以降、あるいは昼間の変な時間。 一番誰も聴かない時間。 「小池さん、たまにスペースやってますよね。あれはなんですか?」 と質問されることが増えた。 スペースは、友達とワイワイお話したり、タイトルに沿ったことで意見を交わしたり。交流ツールとして利用されることが多い。印象がある。 私の場合は、一人で話し、一人で本の一部を読んで、それでおしまい。 人が入ってきても声を掛けず、モクモクと読み続ける。そこには異様な光景

            皮肉な友達

            好きだった男の子が変だ。 自己紹介で「趣味は散歩です」と彼が言ったから容易く射抜かれた。 漠然とした遊びを楽しめるなんて素敵〜とゴリラになったあたしは毛並みをフサフサにした。 まぁでもあたしは所詮大人しいゴリラである。付き合いたいとか、何かムーブメントを起こしたいとかいう過激派ではなく、小さな街で波風を立てたくもなかったし、極力視界に入れないことで恋心を隠すようにした。 気づいたら彼が両利きになっていた。 よくよく観察すると授業を右手で、謎の創作活動を左手で行うようになっ

            曽我部恵一さんの新譜 Memories & Remediesよすぎる

            お散歩演劇「め?」 写真

            7月に、明大前駅付近をお散歩をしながら演劇をしました。 藤家矢麻刀さんと吉田山羊さんの企画の第二弾。 「め?」というタイトルの作品。 第一弾の「で?」を柴崎で観て、なにかがずっと心に残ってた。あのときは真冬、寒かったなぁ。 今回は真夏、溶けちゃうぜ。やるなぁ。 ふーたん、ずっと写真を撮ってた。 ふーたんではない時間も写真を撮ってたから、ふーたんの写真なのか小池の写真なのかわからない。役名はDだったので、Dの写真かもしれない。 学生のぬるい活気とか、本数だけは多い電車とか

            あ、先輩

            びっくりした。音も無くいなくなったのに、突然現れた。 とっくに最寄り駅には住んでなくて、家を引き払いに来たタイミングだったらしい。偶然の再会だ。 一緒にお昼ごはんを食べた。 「マジか」を多用する先輩は職場と少し違ってた。 後輩と話すときの、なんていうか、埋めようとしてるときのような気がして、せっかちなのか、気遣いなのか、居心地がよくないときの、だと思う。 先輩は人との居心地の悪さに慣れていなさそうだった。 CAMELのメンソール。タバコ界でかっこいいのか悪いのかわかんない

            Q

            どうしようもない大人の携帯は割れているし イベントが始まる度に終わりを憂いている心と頭が離れていって 変わらない後ろ姿を探しているし、変わらないから、悲しいと思う 体が沈んでってここは海だから目が滲んでいても自然ですってそれはもう撹拌されたあとの話です ヒッチハイクのひとつでも経験してれば得られた勇気を信じたくはないし、中指を立てるほうが勇気がいるんだって思う 眠っていることと起きていることの差を埋めようと重心を下げると眠ってしまうから夢です いつまでも未成年の主張のまま

            さよなら、先輩

            好きな先輩がいなくなった。 掛け持ちしているバイト先、久し振りに出勤して、あれ、最近先輩いないな、って。 机の上にお菓子が置いてあって、 「お世話になりました ツカ」 いなくなってしまったんだ。 って気づいた退勤時、動揺を隠す為にお菓子を食べた。袋は上手く開けられなくて割れたクッキーが少し飛び散った。 わたし、連絡不精だし、聞きたい人の連絡先こそ聞けない性格で、だから先輩の連絡先を知らないままで。 ヅカさん。仕事はテキパキだらだらとこなして、水曜日のカンパネラを文字って「

            エリア51「てつたう」稽古場写真

            第12回せんがわ劇場演劇コンクール。エリア51という団体の「てつたう」という作品に出演させていただいた。 稽古場写真を撮らせてもらった。 室内、フィルム。ちゃんと写るかなって気に掛けながら。 芯がたくさん落ちていて、それをポロポロ集積した場所。 はじめの稽古場がリノでよかった。 落ちても転んでも起き上がれる。 in YAU 途中から稽古場が変わった。 晴れの日が少なかった。 イグサまみれになりながら転がった。 筋肉痛をみんなで分け合いつつ、動き回った。 小道具どう

            ラッカー(いろ)

            人はたいていちたいをさらしているし、 なにゆえにナップサックの紐を調整してみたり 終電前の火災はこだまだし 羽の生えたみずいろは泳いでいるし しっちょうしてるからぶんれつしてるから 雨天りょうようで持ち直すし ヘップバーンを身勝手と言うにはまだあおいとおもうよ フィルムを装填するとき銃口を突き付けるような心理になる ホッピーを教えてくれたとき 始まって終わった 始まってなかったから終わった 両手では足りないを取り急ぐのやめた 歩道橋の協調性があればラブアンドピースだって

            果てて、息

            彼女がため息をついたのは、私が全てを吐き出しきった後だった。 「大体わかった。で、どうするの?」 ハツはいつでも合理的だ。でも私が欲しいのは解決策ではなく、上っ面でいいから寄り添いの言葉なんだ。せめて、ハツ自身の評価がほしい。 「いや別に、反対しない。でもさ、今後のことを思うとね。」 副流煙で充満した空気が肺を出入りすると、自分がそのまま煙になってしまいそうになる。ハツはやたら細長いそれを愛用している。やや前屈みになって吸う姿自体は見慣れたものだ。しかしこの不特定多数の呼気が

            その暮らしだけが確か

            カーテンの向こう側に見える 鹿の親子が遠くから見ている 視界はクリアで どこかで行われている反抗と無縁 素直になれる気がしていた 朝露で濡れた草花 カリカリに焼かれたベーコン お揃いの枕並べて眠ろう 目が覚めなくてもいいよ これは愛だ なんて言えないよ 顔が紅潮する 手と心臓が繋がったみたいです 左右が揃ってない靴下とか 角に溜まったほこりとか 面倒な話し合いはまたどうか 迷子になってしまっては引き返せない 呼び止めてくれるのを待っている背中 泣きじゃくっているの