28歳、キューバへ足を運んで世界の広さと自分の無知を思い知る
2023年10月27日〜11月7日までの12日間、海外へ行ってきました!
滞在期間はまちまちですが、今回の旅行では、ハバナ(キューバ)、メキシコ3都市、ロサンゼルス、イスタンブールを巡ってきました。
国を知るにはかなり短い期間なので、私が語ることが全てではないですが、今回はキューバを訪れてみて、実際に感じたことを書いていこうと思います。
ちなみに、キューバってどこにあるかご存じですか?
考察を書く前に、国の状況もお伝えしたほうが、よりリアルに伝わるかなと思いますので、情勢などにも少し触れますね。
キューバって、あの社会主義国でしょ?
その通りで、キューバは社会主義国。しかも、2021年のトランプ政権化で、アメリカからテロ国家指定を受けてしまい、北朝鮮やイランと同等の経済制裁を受けています。
テロ国家指定前に外資系企業も少し増えたようですが、街を歩く感じ、見覚えのあるチェーン店などは一切なく、個人店がメイン。国営企業の割合が高く、国民に支払われる給与もほぼ一定なのだそう。
輸入される物資も少なく、普通の国では点在しているコンビニや、それに準ずる個人商店などもパッと見だとありません。(飲み食いがしたければ、お店に入るより他ない感じ)
ただし国民であれば、国から格安で住環境の提供や、最低限の物資配給がされるようです。とはいえ、2020年時点での経済成長率ですら、-10.9%と停滞どころか後退しているキューバでの生活は苦しく、その暮らしに嫌気がさした国民たちが、2022年には過去最多の30万人が不法に国外逃亡をしたのだそうです。
キューバといえば…?
日本人としては、キューバに対するイメージって結構薄い気がします。
ないイメージを絞り出してみると、ラテンの雰囲気、クラシックカー、葉巻、モヒート、キューバサンドなどが挙がってくるでしょうか。
私たちの楽しみも例に漏れず、ラテンの雰囲気とクラシックカー、そして、モヒートでした。
タイムスリップしたかのような街並みを堪能する
1950年代から、ずっと現役で使われているクラシックカーたち。
「この車に乗りたい!」と運転手に声をかけると、ゆるめの価格交渉があり、1時間25ドルくらいで、ハバナの主要な観光名所をぐるっと回ってくれます。
オープンカーなので、めちゃめちゃ風を受けるけど、楽しすぎて2回乗った。
クラシックカーの大半は、車が好きそうな若いお兄さんが運転手。比較的、身なりのいい人がやっている印象でした。キューバという国で、クラシックカーを所有できている人たちなので、国の中では高所得層なのかも。
あと、キューバはスペイン語が公用語。
でも、私たちが出会ったごはん屋さんやバーの店員さん、クラシックカーの運転手さんたちは、観光客慣れしていることもあり、毎回すぐに「スペイン語?英語?」って聞いてくれました。
先行きが不安な国に生きていたり、本気で観光で稼ごうと思ったら、やっぱりみんな自然と言語を覚えるんだな…と感じました。
日本人、日本語しか話せないのは、自国が良い国な証でもあるかもと思いつつ、やっぱり勿体なさも感じました(自戒でしかない)。
クラシックカーに乗って、日本に思いを馳せる
でも、キューバにいても日本を感じられることもあって。
兄弟でクラシックカー観光を営んでいるという、このお兄さんは "遊戯王" が大好きなんだそう。「遊戯王は、キューバ人だったら子どもの頃にみんな見てるね!遊戯王カードも流行っていて、お店に売ってるよ。」と言っていました。(びっくり)
彼が得意そうに、日本のアニメ動画がたくさん入っている自分のスマホ画面を見せてくれて、「ああ、日本のアニメって、世界中で愛されているコンテンツなんだなあ」と感動しました。
日本にいると、アニメも飽和状態というか。
どんどん新しいコンテンツが出てきて、目移りして、新陳代謝して‥‥って、流行り廃りがすごくはやい。でもこうやって、地球の裏側で永く愛されるアニメがあるって、もっと誇っていいことだし、もっと大切にするべきカルチャーなのかもと思った。
観光地キューバと、国民が生活するキューバ
もちろん、モヒートとラテンの風も満喫した。でも、ラテンの風は観光客向けに作られた印象が強かったです。
私のイメージするキューバは、「そこに暮らしている人たちが勝手に楽器を弾き出したり、歌ったり踊ったりし始めるような国」だったけれど、そういう人は一人もいなかった。
でも、いろんなブログだったり、先人の話を聞く限りでは、昔はもっと陽気で、明るくて、みんなが歌ったり踊ったりする国だったようでした。
昔といっても、この10〜15年くらいの話なので、キューバの経済状況が悪くなるに比例して、そこで暮らす人たちが音楽を楽しむ余裕も、少しずつ失われているのかもと想像してしまいました。
ただ、観光地になっている場所と、ローカルの方が生活する場所は結構くっきり分かれていたこともあり、短い滞在時間では、ローカルの方の生活圏内は、クラシックカーで通りかかる程度だったので、"本当の生活"がどうなっているのか、私は語ることができません。
生活している人たちの暮らしが、私たちがイメージする「陽気で楽しい暮らし」なのであればいいなあと思いながら迎えた夜。
今回の旅行で1番の裏目玉である「ぼったくりバーで、オットが有り金をぜんぶ払う事件」が起きます(笑)
字面の通り、180ドルくらい(約3万円弱)の勉強代をカモられることになったのですが、かなり私たちの自業自得な部分があるので、気が向いたらまた別のnoteで書こうと思います(笑)
(「おや?」って人についていかなければ、キューバは安全な国だと思います!!!)
もっとも強く、光と影を感じた国
カモられたことは自業自得として差し引いても、キューバ滞在中は光と影の印象を強く感じました。
キューバで暮らす人たちに供給される物資は極端に少ないため、日用品も満足に揃えられず、新しい建物が建てられない、新車が輸入できないと聞きます。
だからこそ、いろんなものをリサイクルしたり直したりして繰り返し使う。
旅行者にとっては、古い街並みがそのまま残っている様子は感動もので、リサイクルして物を繰り返し使っている様子も美しくみえて、タイムスリップした世界に入り込んだみたいに、キラキラ輝いてみえます。
実際、それらは観光資源として重要な役割を担っています。でもその一方で、人々の活気みたいな部分は、今まで私が訪れたことのある10ヶ国の中で最も低いように感じました。(比較対象に偏りがあるけど)
今まで訪れたどの国でも、"通りすがりに、なにか楽しそうにしている人"って必ずいたと記憶しています。
子どもだったり、中年のおっちゃんだったり、お姉さんグループだったり。ケラケラ笑っていたり、楽しげに話し込んでいたり、写真を撮っていたり。
私たちが直接接した人じゃなくても、それぞれが思い思いの生活を営んでいる様子が見てとれる人たちがいました。でも、キューバでは "作られた陽気" は感じたけど、"生身の人々の活気" は、あまり感じられなかった。
あくまでも私が見た中での話に過ぎないけれど、他の国と相対して、元気そうな人や笑顔の人が少なくて、難しそうな顔をしている人が多かったことも、私がこう捉えている一因だと思います。そして、その様子はなんとなく、日本にも少し似ている気がしました。
国の状況と、人々の生活はつながっている
今回のキューバ滞在で、私がこれまで上記のように思っていた海外へのイメージって、本当に、ただの偏ったものの見方だったんだなあと思い知りました。
よく考えれば当たり前だけど、そうじゃない国や暮らしも、たくさんある。
少し話が逸れるけど、それこそ紛争地域に至っては、今日を生き延びられるかもわからないような人がたくさんいる。
そういう世界の状況は、最近は日本でもニュースで少し見かけるようになったけれど、やっぱりどこか現実味が薄いような気がしてしまう。
でも、遠く感じる国にも、私たちと同じように生活を営んでいる人がいる。
その当たり前の事実を、目の前に突きつけられたような感覚がありました。
なんていうか、私、何も知らなかったなあって気分でした。何も知らなかった自分が恥ずかしかった。
「知ろうとしなかった」でもあるし、「知る方法がなかった」でもあるかもしれないけれど、世界は広くて、私はまだまだ無知で何も知らないんだなと感じたし、そう感じるなら、これからもっと知っていくべきだなと思いました。
キューバは、街並みが綺麗で刺激的だった
キューバは、街並みがとっても綺麗で刺激的でした。
でもそれ以上に、世界の広さと複雑さを教えてくれたり、もっと自国の状況や政治事に関心を持つべきだなと思わせてくれた、すごく印象に残った国になりました。
今回の旅行は、「メキシコの"死者の日"に参加したい!」という私の強い思いがきっかけで計画されたものでしたが、全旅程を通して最も心にひっかかったのは、キューバの歪さ。
でも、その現実を目の当たりにしたからこそ、観光で訪れるような場所以外のもっと広い世界、私がまだ目を向けられていなかった海外のことや自国のことに、もっと興味を持とうと思うきっかけになる滞在だったと思います。
長くなっちゃった!ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
次回は、旅行のきっかけになったメキシコの死者の日にまつわる各都市のお祭りに参加して感じたことや、メキシコの人たちのラテン系の陽気さや気さくさを書こうと思います。
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