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時間は有限 徒然草『今日はそのことをなさんと思へど』 から 4/25

水曜日にぼーっと本棚の本をパラパラ見返していたときにたまたま読んだ。
兼好法師の徒然草、第189段。

とてもびっくり。思わずうなずいてしまった。

あるある…!な内容


本文、訳についてはこちらの分かりやすい解説を参考にさせていただきます。

それでは読んでいきます。

今日はその事をなさんと思へど、あらぬ急ぎ先づ出で来て紛れ暮らし、待つ人は障りありて、頼めぬ人は来たり。頼みたる方の事は違ひて、思ひ寄らぬ道ばかりは叶ひぬ。

現代語訳(口語訳)
今日はそのことをしようと思うのだが、思いもよらない急用が先にできて(それに)気を取られて一日を過ごし、待ち人は差し支えがあって(来ず)、(来るのを)期待させない人は来てしまう。あてにする方面のことは(期待と)食い違い、考えが及ばない方面のことだけが思い通りになる。

ほんと、それね・・・!朝これやろーって思ってたのに急に別件が舞い込んでくるし、LINEして返事きた!っておもったらお店の公式LINEとかだし。行き当たりばったりで一日過ぎる。…その後もこのように続きます。

煩はしかりつる事はことなくて、易かるべき事はいと心苦し。日々に過ぎ行くさま、かねて思ひつるには似ず。一年の中もかくの如し。一生の間もまたしかなり。

面倒だと思っていたことが(意外と)容易で、簡単なはずのことは(うまくいかず)とてもつらい。(このようにして)毎日が過ぎていく様は、前もって考えていたこととは異なる。1年の間もこのようである。一生の間もまたその通りである。

うんうん。番狂わせばかり。一年、一生・・・そう言われてみればそうだわ・・・。

そして最後は結びとして、こう綴られている。

かねてのあらまし、皆違ひ行くかと思ふに、おのづから、違はぬ事もあれば、いよいよ、物は定め難し。不定と心得ぬるのみ、実にて違はず。 

前からの予測が、すべて(予測と)一致しないでいくのかと思うと(そうとも限らず)、たまには、(予測と)一致することもあるので、ますます、物事は決めることが難しい。(物事はすべて)定め難いことだと理解することが、真実であり間違いがない。 

ふ、不定ですか・・・なるほど。予測や予定をあてにしすぎるなってことかな。「まあ、期待せず最初からあきらめよう」っていうスタンスではなくって、「どうなるかは分からないから柔軟にとらえて行動していこうね」って考えていけるとよさそう。

壺になにを入れるか

壺を時間、そこに入れるものを様々な物事と捉えて、じゃあなにを入れたい?って考えたら、勿論好きなものを入れたい。ただ花瓶に水がないと花が枯れてしまうように、生きていくために最低限、食事睡眠運動労働家事付き合いetc…もあって、それに時間をあてて、残りの余裕は思ったよりないのかもしれない。

敷き詰め方を工夫する、いらないものは分割、またはカットして、さあ望みのものを。。。

といっても、実際さっきの話のように、上手くいかないこともままある。

だから、ある程度余裕も大事だなと気付いた。

大学の最初のほうで毎月スケジュールをぱんぱんに書き込んでいたのを思い出した。そういう時期もいるけど、その後ちょっとしたことで停滞してしまったことがあるから、なんていうか、ちょっとずつ見つめ直すのがいいんだよ。多忙と暇の両極端に寄らない程度に。

というか、無理に楽しもうとしなくていい、成長しようとしなくていいって思う。一個一個の物事を大切にするためにも、焦って何でもかんでもせず、自分のキャパに合わせて選択しよう。

成長期に食事運動など以上に睡眠が大事とされるように、質を上げるために思い切って余裕をもとう。

P.S

古典といえども、高尚ってことはなくて今に通ずるところがあるよね。内容がすごいって言うよりかは、ずっと伝え続けられているところに意義があるのかなって改めて思った。色々と学べる奥深さがある。

ちなみに兼好法師は、吉田兼好といわれたりもするけど、最近の研究ではどうやら吉田ではないのでは?と言及がされています…!

うろ覚えですが、かなりざっくり言うと、後の時代、江戸時代に全く兼好と関係ないとある吉田さんが家系図をつなげて先祖だと主張したそう…。

いやはや、系図をねつ造って昨今の文書改ざんの問題みたい………

フェイクニュースとか云々にだまされないよう、空気じゃなくて文章を読む力をつけていきたいものですね。


あしたも良い日になりますように。わたしは今日は運動できたからあしたは集中してやることを頑張ります。

ここまで読んでくださりありがとうございました。




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