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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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2021年2月の記事一覧

猫という平和

猫という平和

「猫川柳」

猫という平和を膝ににごり酒

なんだかわならいけど猫をもみくちゃにする

拾い猫

拾い猫

「猫川柳」

もう10年 おまえといるか 拾い猫

拾ってきた猫を飼い始めて、もう10年になる。

夜、僕が外に出て煙草を吸っていると、
必ず猫は僕の傍にやって来て、
僕の足に、長いしっぽの先を「ちょんと」ひっかける。
さりげなく、「私はここにいます」と言うように。
そう、君も僕も、「いま」、確かに「ここ」にいる。

月が静かに灯りをともす夜に、
10年後にはお互いもういないであろう一人と一匹の、

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ふはりと生きる

ふはりと生きる

午睡する蛙の上を吹く風のふはりと生きるすべはあらぬか

「ふはり」は現代仮名遣いで書けば「ふわり」です。「午睡する蛙の上を吹く風の」は「ふはり」を導く「序詞」。国語の教師的に言うと「の」は比喩の「の(~のように)」ということになります。「午睡」は昼寝です。

だから「昼寝をしている蛙の上を撫でていく風のように、そんなふうにふわりと生きる方法はないのか」というくらいの意味になるでしょうか。

「序詞

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所与を生きる

所与を生きる

生きるとは所与を生き切ることだろう 老人のひく 老犬がゆく

まったく及びもつかないほど
必死で与えられた生を生きようとしている命が
たくさんあるに違いない。
それを思い描く想像力があれば
僕らは、どんな困難にも
きちんと向き合えるのだろう。

肉球

肉球

肉球・・。にくきゅうと読む。とても言いにくい。でも、なんだか愛らしい。正しくは蹠球(しょきゅう)と言うらしい。でも、にくきゅうのほうがいい。

『広辞苑』にも『日本国語大辞典』にも出ていない。ことばよりはことに属するか。でも、とても人間臭い。

つい触ってみたくなる。猫は嫌がるが、嫌がると、よけいに触りたくもなる。

ピンク色。すべすべして、柔らかい。いや、決してぷにゅぷにゅしているわけではない。

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死者らのしじま

死者らのしじま

『闇の心象』

耳を澄ませば遥かに聞こゆ 青銅の 尾根渡りゆく死者らのしじま

ここよりは闇の国なり 猫に似た石の地蔵が甘くささやく

僕へ僕へ 闇へ闇へと 降りてゆく 禁忌を犯す誘惑を掌に

風昏き谷 音もなき寂寞を どこまでもどこまでも落ちてゆくなり

サクマドロップ

サクマドロップ

『恋:2』

スキップの君のリュックにしあわせが ことことと鳴りかたかたと鳴る

かたかたとことことと鳴るしあわせはサクマドロップの缶のようだね

猫の夢

猫の夢

猫川柳

にゃんとなく 覗きたくなり 猫の夢猫の語源には諸説があり、『大日本国語辞典』には10の説が紹介されていますが、その中に猫はよく寝るので「寝子」だとするものがあります。

我が家の猫はとんだオテンバ娘で、毎日この猫の一挙一動に翻弄されていますが、それでも遊び疲れて寝ている顔には、「まあ、にゃんとかにゃるさ」と、疲れた今日を忘れさせてくれる不思議な力があります。

このあいだテレビ(ZIP)

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自己紹介

自己紹介

拙者こと、いびつななりのやせっぽの胡瓜の恋のごとく不器用

無器用に生きてきたな、と思い、でも、たぶん、これからもずっと無器用にしか生きられないのだろうな、と思います。
齢60を過ぎ、どのくらいも生きられるかわらぬ中で、これまで考えたこと、今、胸にあることを、ここに書き留めてみたいと考えます。
明であり、むしろ暗、陰であり、悲喜こもごも、叫びのような、呟きのような、メッセージのような、何でもないよ

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