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ふはりと生きる
午睡する蛙の上を吹く風のふはりと生きるすべはあらぬか
「ふはり」は現代仮名遣いで書けば「ふわり」です。「午睡する蛙の上を吹く風の」は「ふはり」を導く「序詞」。国語の教師的に言うと「の」は比喩の「の(~のように)」ということになります。「午睡」は昼寝です。
だから「昼寝をしている蛙の上を撫でていく風のように、そんなふうにふわりと生きる方法はないのか」というくらいの意味になるでしょうか。
「序詞」は歌の中心主題を導くために用いる「序」で、この場合は「ふはりと生きるすべはあらぬか」の「ふはり」を導くために「午睡する蛙の上を吹く風の」が「序」として用いられています。
和歌の勉強をする気のない人にとっては、全く面倒くさい話だと思います。
僕は最近「序詞」は面白いなと思って、よく「序詞」を使った歌を作るのですが、生徒に「序詞」説明するのによくこの歌を使います。
「ふわりと生きたい・・そんなふうに思ったことはない?なかなかそんなふうには生きられないけど、それが僕の理想だな・・」
「これを中心主題に据えて「ふはりと生きるすべはあらぬか」としてみたとき、これを「ふはり」と言う言葉でイメージをオーバーラップさせる・・・本来は必ずしもイメージのつながりは必要なくて、「ことば」だけをオーバーラップさせればいいんだが、とりあえず、イメージを重ねてみたい」
「君たちは、どんな「ふわり」を連想しますか?」
・・風船?シャボン玉?空に浮かぶ雲?海月?羽毛布団?・・何でもいいから、そのイメージを「序詞」としてこの中心主題の前に置いてみる。
「僕は「風」かな・・物干し竿とか、葉っぱにいる蛙の上を風が通り過ぎていく・・」そんなイメージを重ねてみると、こんな歌ができたわけだ、と。
午睡する蛙の上を吹く風のふはりと生きるすべはあらぬか
そう、「のんびり生きたいね・・」
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