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もしも、人形だったなら。


人形のように生きていられた方が、人は幸せなのかもしれない。

例えば宗教にすがる人は多くいる。日本は無宗教の人間も多く信仰心があまりない私のような人間もいるが、それでも何かしらの宗教に属して信仰する人は一定数いるだろう。


何かしら、宗教でも何でもいい。何か縋ることができるものがある方が人は幸せなのかもしれない。盲目的に何かを信じてそのために生きられれば、何も自分で考えずに済んで楽かもしれない。


何も考えない人形であったなら、あまり悩むこともなく幸せに生きられるのだろうか。

人形というのは、何も本当に人形になるわけではなくて、衣食住は保証されつつ、会社のために何も疑わずに働いて、給料でたまに自分へのご褒美を買うような、従順な人間になることだ。


もし会社で孤立しようが罵倒されようが、これが正しいと信じて働き続けて定年までいられればお金に困って餓死することはない。

何かがおかしいと思っても、誰もが冷たいわけではなく、従順であり続ければ誰かしらが憐れんで優しくしてくれるのかもしれない。


自分に過度な期待はせず、皆から好かれて愛される幻想を抱かず、孤独でもただわずかな賃金を得てささやかな幸せを感じる。

日本は少なくともインフラが整っていて、あまり突然停電したり断水したり電車が止まったりすることは少なく、少しでも乱れがあればすぐに正そうとする。


電車が時々人身事故で止まったり数分でも遅れたりすると聞こえてくるのは、

「あーぁ。朝から最悪。なんでわざわざ朝に?せめて時間を選んでよ」

と言った声。またもしかして誰か飛び降りた?また人身事故?人身事故という単語を聞いて背筋が凍るよりも、『またか』と思ってしまうのは国民性?それともただの慣れ?


人身事故という単語を聞いて、恐ろしいとは思わないだろうか。慣れてしまったから?まだ25年しか生きてない私でさえ、人身事故という単語を数回聞いた覚えがある。すべてが飛び降りとは限らないけれど、恐ろしくはないだろうか。


なぜ朝に起きるのか?考えたことはあるだろうか。朝が一番気持ちが不安定になりやすいからだろうと思う。朝起きた瞬間に最も不安になりやすい。精神を病むと分かることは、朝起きた瞬間に過去がフラッシュバックし、胸が苦しくなるということだ。



朝に不安を覚えやすいのは、ある意味生理現象のようだ。朝は特に精神が鋭くなる時間帯であり、横になっているときほど、自分の思考に集中しがちになるらしい。


また、記事によると、起きた瞬間にSNSをチェックする癖は辞めたほうが良いようだ。

「絶えず更新内容をチェックしないと気がすまないとか、SNSのプレッシャーによって不安な状態になっている場合は、SNSチェックを最優先にするのをまずやめてみましょう」


朝起きた際に瞑想をやるのは効果的なようである。まだ完全に目が覚めていないうちに瞑想アプリ等を使用して心を落ち着かせるのが良い。

私もたしかに、朝起きてからしばらくしてから急に不安が襲ってきたので、できれば朝起きた瞬間に心を落ち着かせることが、本当に大事だと思う。


健康で不安もなにもない時はわからないのけれど、朝は一番怖い時間帯である。やはりこれから一日が始まることに対するプレッシャーもあるのではないだろうか。


一日の始まりはおっくうなもの。特に学校や会社があればなおさらだが、無職の状態でも、寧ろどこにも行き場がないからこそ不安になりがちである。行き場があれば、少なくともそこに行かねばならないので、寝ている場合ではなく準備をする。


そうなると不安感は逆に薄れるのではないだろうか。少なくとも仕事がある間は、職場に行くために無職になってからよりも不安感は薄かったように思う。


人間は目的があった方が、きっと幸せなのだろう。


人間は残念ながら人形でもロボットでもなく、感情を持った生き物だ。

私が就労移行支援施設に通いつつ社会性を保とうとしているのも、人とのつながりを求めているのも、ただ『人』であり続けたいからだろうし、やはり縋るものが欲しいからだろう。



最近「シャドーハウス」という漫画が無料公開されており、つい一気読みしてしまったが、『生き人形』と呼ばれる者たちが、主人に仕えつつ自我を持ち、自分たちの人生を取り戻そうとする話だと感じた。



ヤングジャンプで無料公開もされている。「約束のネバーランド」というジャンプ作品も子どもたちが秘密を知って脱出を試みていたが、その秘密を知らないままであれば、何も知らずにある意味『幸せに』生きて死んでいたかもしれないなという感想を抱いた。


『知らない方が幸せなこともある』

とはよくいうが、それで本当に幸せだろうか?何も疑問をいだかず従順にただ人形のように生きるのが幸せだろうか?「シャドーハウス」は色々考えさせられる物語なので、個人的にかなり好きな部類の話である※「約束のネバーランド」も運命に抗う類の話なので、そういう意味でも共通している面が多いように感じた。


ただ会社を辞めたから幸せか?というと、辞めたからと言って幸せになれるとはいえないし、かといって何の疑問も抱かず会社に従順に生きると、ただ日々文句を言いながら仕事を惰性で続ける人たちと同じになってしまう。


その方が幸せかもしれないし、そうでないかもしれない。

今のところ職なしの私には答えはわからないが、成功するまで頑張るしかないし、失敗するのは当たり前だとも思う。


一度失敗したら終わりというのが日本全体にしみわたる国民思想だと思うが、それを覆した人もたくさんいる。ただ成功するまで続けるだけで、成功しても躓く可能性もあるものだが、ただ生き続けるしかないのだろう。


生きて生きて、転んでも生きて、成功したら失敗するし失敗したら成功する。その繰り返しで、いちいち落ち込んでいたら身が持たない。


それが人生というものなのだろうと、逆立ちしても人形にはなれないのだから、そう思うしかないのだろう。


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🌼この記事を読んだあなたへ…

〇「『善意』と『純粋』に傷つけられる
〇「物語のなかで眠りたい(発達障害の兄弟と私)


※私の去年の正社員→派遣になるまでの転職活動日誌。一か月で派遣を辞めていることもあり只の黒歴史のため、このなかの記事20本を来週(日)に有料化して封印します。20本。


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