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発達障害者の一人として、障害者雇用で生きる事務員の備忘録。

前置き


私は、ASDとADHDを併発している軽度の発達障害者です。今は紆余曲折有り、発達障害者の一人として障害者雇用枠で働いています。

誰にでもできる仕事しかできない自分、
職場の人と仲良くなれない自分、
『普通の』幸せって言うのがよく分からない自分、
おそらく一生独身であろうと決意している自分……


そんな現在障害者雇用の事務員として、この『社会』で生きようとしている人間の総括のようなものです。



学生時代からカースト底辺


私の発達障害者としての特性の一つに、平たく言えば『集団で孤立しやすい』という特性があります。
小中高ずっと私はクラスでカースト底辺として生き続け、廊下を歩けば同級生に『キモい』『暗い』と言われるような毎日を過ごしていました。


小中高変わらず、カースト底辺であり続けました。ただそんな私でも、中高吹奏楽部という連帯感を重んじる地獄のような部活を続け、他の人が部活を理由に勉強しなくとも勉強し続けることはできました。

ただ目立つことを恐れ自分が周りより頭が良いこともコンプレックスに感じている部分があり、テストの点数を隠そうとしたこともありましたが、逆に当時は嫌みにとられて反感を買っていました。


なぜ私がここまで孤立し続けて中高に上がるたびに、人間関係をやり直そうとしてきたにもかかわらずうまくいかなかったのか?というと、絶望的に『空気が読めなかったから』だと思います。


あの頃の私には、空気を読んで話すよりも空気を読もうとして黙りこむことの方が多く、愛嬌もなく笑うのも苦手でした。
三人以上で歩くのが苦手で、自分の存在感を消すために黙りこくって少し後ろを寂しく歩くような人間でした。

今でも三人以上の会議や会食は苦手なままです。
自分の苦手な話題(特に恋愛)にかんしては全く入れませんし、リアクションも悪く下手なのでシラケさせてしまうし、盛り上がっていると輪に入れなくてその場から消えたくなります。


ただ、どれだけ努力しても苦手なものはマシにはなるけれど苦手なままです。そういう場を避けられるのであれば、避けたほうが良いと私は思います。


学校では何かというと集団で何かをやらせようとしますし、高校でも部活は強制的に入らされましたが、私はそういう価値観が今でも苦手で嫌いです。

たしかに、集団に帰属することで安心感を得られる人も多いと思いますが、そういう集団においては何かしらの役割を求められることが多いでしょう。


いじられキャラ、リーダーキャラ、仲介キャラ、天然キャラ、癒しキャラ、毒舌キャラ等々。


グループディスカッションでリーダーや書記、タイムキーパーを最初に決めるように、集団においては暗黙の了解で役割を勝手に割り振られます。
そういう役割を窮屈に感じることは決して間違いではないし、私は会社で誰とも深くかかわらないように生きていますが、誰もがそうやって生きていても後ろ指を指されない世界になってほしいと思っています。
※飲み会に行かないからハブられる、会話の輪に入れないからノリが悪いと無視されると言ったことは論外だと思います。


発達障害の診断を受けるまで


新卒入社の会社を短期離職した日


発達障害の診断を受けるまで、私はごく『普通に』生きていきたいと思っていました。とはいえ恋愛には学生時代からあまり興味がなく、自分が結婚する未来が見えなかったために恋愛して結婚、家庭を持つことは全然考えていませんでした。


ただ、それでも独身のバリキャリとして生きていく未来には憧れがありました。当時文系でもプログラミングの勉強をして、システムエンジニアとして生きていこうと決意したのは、就職活動をしていてIT企業に憧れを持ったからだと思います。


大学を卒業したあの頃から私は、自分が一生手に職をつけて生きていくにはどうすれば良いかを考えていました。
新卒で入社した会社は三年以内に挫折して辞めてしまいましたが、それでも私は手に職をつけることにはずっとあこがれ続けていました。


辞めた当時、私はアニメ業界に憧れがありました。
ITの次はアニメか?と思われてしまいそうですが、色々なことを調べて、音響や色彩設計、CGアニメーター等、絵が描けなくともアニメに関われる仕事を探して会社を辞める前から5校以上の専門学校の説明会や見学会に通っていました。

今思うと、只の現実逃避にすぎず、夢のある仕事に幻想を抱いていただけだったように思います。


東京の専門学校への願書を出そうと本気で悩んでいた頃、アニメ業界で気になる会社の口コミを見ていました。アニメ会社の中では有名な方で、もしかすると受かる可能性があるかも?と感じていた会社の口コミを調べたとき、


『この業界の中では残業は少ない方だと思う』
『この業界では給料が高い方だと思うけれどやっぱり安い』


といったネガティブな意見ばかりが目につき、急に夢から覚めたような気分になりました。 

私はそのとき、正直諦める理由を無意識に探していたように思います。


専門学校への願書を出すのを辞めたとき、既にコロナ感染が広まり、テレビの有名人が亡くなったニュースが流れ世間に激震が走っていました。


それでも私は、ただ逃げたくて会社を辞めました。いつかどうにかなるだろうと思って。



あまりに自分が無力だと気づいた日


コロナ禍のなか、求人が激減した時期に私は無職になりました。

事務系の仕事はマルチタスクを求められますし、新卒入社の会社にいた事務の女性のように色々な人と仲良くして円滑に業務を進めるような気立ての良さもなかった私は、それでも何とかなるような気がしていました。


辞職する前は、そこそこ待遇の良い事務の応募にも書類は通過し面接まではいけていましたが、コロナ禍のなか無策で無職になってみれば、全然行きたいと思える会社を紹介してもらえず、転職エージェントにも気を遣われながら妥協しつつ職探しをする日々。


嫌気がさしたころ、私は派遣の仕事をやることを決意しました。けれど、慣れない派遣で全く自分の気質に合わない職場に配属されてしまい、わずか一か月程で私は『適応障害』と診断されました。


その時に私は、人生で初めて精神科に行き、初診でいきなり診断書をもらう運びとなりました。今ではあの精神科医は無責任だったのではないか?と感じていますが、そのおかげで私は就労移行支援施設に通い、障害者雇用の存在を知ることができたと思います。


就労移行支援施設に入所した日


就労移行支援施設の存在を知ったのは、派遣の仕事を辞める前のことでした。
たったの一か月、されど一か月

私が辞めることを決意できたのは、適応障害の診断書でも就労移行支援施設に通う資格を得ることができると知ったからでした。

辞めた後のことを考え、また無職で社会的居場所のない日々を過ごすことに苦痛を感じていた私は、ネットの海をさまよっていました。

そのとき、たまたま検索ワードに引っかかったのが『就労移行支援施設』でした。
当時、派遣の仕事が辛くて初めて精神科に行き、初診で仕事が辛いという話をしていたら涙が止まらず、号泣しながら話したら『適応障害』と診断されました。
初診で適応障害と診断されるのは、正直今でもおかしいと感じています。
けれど、これで私が病気である証明ができた、という安心感はありました。


当時、発達障害の診断を受けていなかった私が就労移行にたどり着けたのは、ある意味奇跡だったと思います。
なぜたどり着けたかというと、たしか『適応障害 仕事』のキーワードで調べ、偶然就労移行支援施設のHPにたどり着いたからでした。

ちなみにですが、就労移行支援施設ってあまり知られていませんよね。

自立支援医療制度、傷病手当、失業手当、障害者手帳、障害者雇用、障害年金etc……


絶対に知っておいた方が良い情報はネットにすべて教えてもらいました。

人から聞いた話によると、精神科に通っていても有益な情報を教えてくれない場合もあります(自立支援医療制度・障害者手帳の存在等)
なぜかは知りませんが、例えば自立支援医療制度を利用すれば医療費が安くなりますが、患者側から医師に言わないといけないケースが多いと思います。


就労移行支援施設とは、ネットで上では『障害のある人や難病を患う人の就職をサポートする施設』と出てきます。就労移行支援施設のほかにも、障害者が通える福祉施設があるため、通常以下の3種類の中の内のどこかに通います。
大きく分けると就労移行支援施設、A型作業所(就労移行支援A型)、B型作業所(就労移行支援B型)の3つです。


就労移行支援施設とA型・B型の違いは、シンプルに働く場所か否かです。
つまり就労移行支援施設は通ってもあくまでお金が貰える訳ではなく、いずれ就職する為の準備をするため、社会復帰の前段階として通う施設です。
似たものとしてはハローワークの職業教育訓練のようなものがあり、社会復帰するために各々が健康管理やカリキュラムに励むような場所であり、お金を稼ぐための場所ではありません。


それに引き換え、A型・B型は一般企業では働けない障害者や難病のある方のためにある働く場所であり、賃金も出ます。

ただ私はあまりお勧めはできないと思っています。低賃金すぎることと、一度雇用契約を結んでしまうとズルズル続けてしまい一般企業への就職が遠のくリスクがあるのが主な理由です。

ちなみに私が通っていたのは就労移行支援施設ですが、サポート体制もカリキュラムも施設によってかなり違います。


例えばPCの基礎知識を学べる施設は多いですが、ただ参考書が置いてあるだけとか、オンラインで学べるサービスが無料で利用できるだけとか様々です。
PCの知識は利用者により異なるため、そういうプログラムはやらず個々の独学に任せる施設もあります。

そういうPCの知識やプログラミングを学べる施設は人気が高く、なかなか入所できなかったりもします。

公認心理士や臨床心理士がおり、認知行動療法に基づいたカリキュラムを学ばせてくれる施設もあれば、スタッフがただ最低限社会人としての良識を教えるだけの場合もあります。

そういう受けられるカリキュラムの違いを知るには、施設を実際に見学して一緒にカリキュラムを受けた方が良いです。


ただ、当時は他の施設にプログラミングの勉強ができるところがあったりしたので、通っている施設を辞めてその施設に通おうとしたこともありました。

私は隣の芝生が青く見えるタイプだったので、そういう勉強ができたほうが面接のアピールポイントになるのでは?と思っていたのもあります。
※ただし、通おうとしていた施設は人気だったので、入居待ちしていました。結局その前に就職できたので、一年間ずっと同じ施設に通っていましたが。


就労移行支援施設に通うメリット


就労移行支援施設の最大のメリットは、面接で話せることと、他の通所者(その施設はほとんど精神障害者の方)や相談員(施設のスタッフ)と社会的かかわりが持てることです。


施設は9時~15時辺りの所が多く時間は短めですが、平日毎日通い色々なカリキュラムを受けるため、他の利用者や相談員と話す機会ができます。他者と関わりますし少なくとも最低限の体力と社交性があることの証明にはなるので、無職でいるよりはマシかと思います。


ちなみに施設のスタッフの方々は、経歴は様々で社会福祉士や精神保健福祉士の資格を持つ人がいる場合とそうでない場合があります。
ただあまりその資格を持っているから頼りになるか?と言えばそうでもなく、相性が最も大事です。
ただ相談員は指名制ではないので、基本相談員との相性は運次第ですが、様々な障害者をサポートした方は説得力があると思います)

※説明は専門学校のHPが分かりやすいです。


発達障害の診断を受けた日


就労移行支援施設に通い始めて二カ月程が経過し、正直私は発達障害の診断を受けるかどうかはすごく迷っていました。
当時は、発達障害の診断を受けられることは知っていたけれど、かなりまともだし第一印象は全然そうは見えないと他人から見られることが多く、診断を受けて絶望するのが怖いと思っていました。


ただ、私の背を押してくれたのはハローワークで働いている、精神障害者の就活をサポートする専門の方※でした。

※精神障害者雇用トータルサポーター
 …精神障害者で就活をしている方のサポートをする方。精神保健福祉士もしくは臨床心理士等、何かしらの専門資格を持っています。
そういう方が市のハロワにいるかどうかでまた違ってくるかもしれませんが、なかには発達障害者専門のサポーターが存在する市もあるようです。ちなみに、障害者向けの窓口があり、そこにいた方に『障害者ではないですが、発達障害の診断を受けるか悩んでいて、今就労移行に通いながら就職先を探している』と話したら会わせてくれました。

ただ、そういう専門の方がいる時といない時があるので、もし時間を合わせられれば、障害者枠※で働きたい方は一度お話してみることをお勧めしたいです。
ちなみに私が相談したのは仕事というより発達障害の診断を受けるかどうかで悩んでいることだけで、就活の相談は主に就労移行の相談員と転職エージェント(障害者雇用枠専門)でしたが。


※障害者枠について
…障害者枠とは、健常者が一般雇用という形で雇われるのと異なり、障害者としてその枠で企業に雇われる形をいいます。
精神障害者や身体障害者は、障害者枠か一般雇用かを自ら選んで就職することができます。

障害者枠で働くことは義務ではありません。
障害者枠はどうしても給与水準がかなり低いです。その代わり企業によっては病休が取れたりある程度の配慮を求めることが可能になりますが。
※私の場合は有給が他の人より比較的取りやすい程度ですが。

障害者枠の説明が長くなりましたが、私はハロワのサポーターに背中を押してもらい、その場でその人が知っている精神科に電話して繋いでもらうことができたから予約をして行くことができました。
※ただし通常は精神科を紹介するようなことはしないようなので、例えば就労移行の相談員の方に精神科の評判を聞く等すれば教えてくれる可能性があると思います。


また、その人曰く、精神科の中には一目見て『発達障害かどうかは見て分かるけれど、君はそうは見えないから診断はできない』と言われる場合もあるようです。
精神科の中には自由診療でしか診断を受けさせてもらえず、高額の診断費用を払わされる場合もあります。
ただ、通常は医師が発達障害の診断が必要と判断すれば自由診療ではなく保険診療内で診断を受けられますし、私が紹介していただいた精神科は医師が温厚な方で、初診で『発達障害の診断を受けたい』と話したらあっさりと診断を認めてくださいました。


※ただ、電話で予約の際に保険診療で診断を受けられるかどうか、お金はいくらかかるかを聞いておいた方が良いです。もし自由診療かもしれないと言われたら、高額の費用を要求される可能性があります。また人気の精神科は一か月待ちの場合も多いので、早めに予約することをお勧めします。



発達障害の特性と診断について


発達障害の特性に関しては、正直千差万別としか言いようがありません。ですので、あくまで私の話は一例として捉えていただけると嬉しいと思います。


私はASDとADHDの併発であり、『自閉症スペクトラム』と診断されています。就労移行に講師として来ていた心理士の方によると、『広汎性発達障害』という呼び方は古い言い方で、現在は併発の場合は『自閉症スペクトラム』と呼ぶのが普通だと言っていました。


ただ、私は正直『自閉症スペクトラム』という呼び方があまり好きではないです。

特に私の場合、ASDの特性よりもADHDの特性の一つである、『注意欠陥』の方が少し重度で問題ありと診断されていたので、自閉症スペクトラムという名称は誤解を招くのではないかと感じました。


そもそも、発達障害当事者でさえ『広汎性発達障害ではなく、今は自閉症スペクトラムという言い方に変わった』なんて知らない人の方が多いでしょう。ただ個人的には、履歴書の印象は就職活動においてかなり重要ですし、正直名称なんてどうでも良いと感じる方も多いでしょうが、私は関係あると思います。

※ちなみに、上記の記事によると2013年から自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群など、すべてひっくるめて『自閉症スペクトラム』と呼ぶようになっているようです。


また、私の場合は軽度の発達障害と診断されていて、ASDの特性である『集団に馴染めない』『暗黙の了解が苦手』等とADHDの特性である『焦るとミスをしやすくなる』『マルチタスクが苦手』といった特性があるので、仕事上では配慮が全くないと厳しいですが、日常生活ではあまり影響はありません。


ただ、私はあまり特性による影響が出づらいだけであり、例えば注意欠陥の特性が強く出てしまう人は、日常的に忘れ物が多かったり大事な約束にも遅刻をしがちだったりするかと思います。
私は忘れ物に関しては、忘れやすい物(定期等)は必ず前日には鞄に入れて置いたり、約束の日は15分以上前に目的地に着く計算で行くようにしています。

それが出来ない人もいますし、私の場合気を付ければ何とかなる程度ではありますが、これが仕事になると勝手が違います。


私から見て、『残業をしないと終わらないほどの膨大な仕事量×締め切り厳守』で焦らされるような仕事の仕方をしているのに、皆当たり前のようにこなしているように見えます。
ただ私の場合はマルチタスクが苦手、焦るとミスをしやすいと言った特性があるため、あまり締切が早くスピードが求められる仕事は振らないように今は配慮してもらっています。


ですので、発達障害の特性に応じて向き不向きは違いますが、発達障害者が選べる仕事の範囲は狭く、一般的に給料が低い一般事務のような仕事か、さらに給料が低い工場や清掃の仕事等になりがちです。専門的知識があればクリエイティブな職業に就くこともできるかもしれませんが、経験がなければ基本どこにも雇われません


ですから、どんな仕事でも自分の特性に合っている仕事が良いですし、配慮を受けられれば出来る仕事もあると思います。私の場合は事務仕事が得意な訳ではないですが、配慮を受けることで現在一年以上仕事を続けられています。


障害者雇用の種類とメリット・デメリット


私が障がい者雇用での転職を考えた際にネットで調べたり、就労移行支援施設の相談員と話したりして考えたことを書きだしていきたいと思います。

障害者雇用のなかにはA型作業所、B型作業所も含まれますが、私がここで取り上げたいのは『特例子会社』と一般企業の障害者雇用枠の二択です。

なぜこの二択なのか?ということについては、前述のとおり、A型・B型作業所は圧倒的に賃金が低く自立しづらいこと、そして一度働き始めたら抜け出すのが困難になる可能性があるからです。

※例えば、雇用先に頼られてしまい辞めづらくなる・転職活動が億劫で進まない等、現在アルバイトで働いている人でも同じような状況に陥る場合もあると思います。



私は、特例子会社は最低賃金で雇われる場合が多いと聞いており、実際給料は全体的に低いと感じました。
ただし、一般企業の障害者雇用枠だからと言って給料が高いとは限らず、かなり低い給料の企業も多いです。

昇給やボーナスがあるか、正社員登用してもらえるか等の基準を増やすと、余計に狭き門になりがちですが、なかには特例子会社でも障害者雇用枠でも初めから正社員登用してくれる企業もありますし、福利厚生が良い所もあるため、就活する際はそういう会社を狙うと良いかと思われます。


ちなみにですが、私は特例子会社で働くかどうかも検討はしていましたが、結果的に一般雇用の障害者雇用枠を選んでいます。
その最大の理由は、経歴として残る懸念があったからです。もし自分が将来障害者雇用でなく健常者と同じように一般雇用で働きたいと考えた際、相手側が調べれば特例子会社で働いていたことがバレる可能性があると思われます。

ただし、特例子会社で現在働いている知人に『その会社で働き続けたいか』と聞いたら、『できればずっとここで働きたい』と答えていたので、やはり配慮を受けることができ、同じ障害者として生きる人たちと共に働ける場は貴重だとも思います。
一長一短ですので、どちらにせよメリット・デメリットはあるかと思います。


障害者雇用枠で働く『今』


私は一般企業で障害者雇用枠で働いていますが、そのなかで感じるメリット・デメリットについて書きます。


メリット

 〇障害者を雇えるほどの規模があり安定した企業に雇ってもらえる

 〇健常者と比べ配慮事項を面接で必ず聞かれるため、一定の配慮をしてもらえる
 ※なるべく口頭だけでなくマニュアル等の書面で指示を貰えるとありがた  い、ダブルチェックをしてほしい、月に一度は通院のため休みたい等
 ※逆に「配慮事項がない」と話すと、なぜ障害者雇用を選んだのかと聞かれてしまうため、配慮事項は話せるようにした方が良いです。

 〇企業にもよるが、福利厚生が比較的整った会社が多い


デメリット

 〇あまり高度な仕事を任せてもらえないことも多く、社内ニート化しやすい
 〇上司が障害者雇用に慣れていない場合、手探り状態であり無茶ぶりをされることもある
 〇周りが優秀な人が多いと劣等感を抱いてしまう
 ※後から入った新人の方が、仕事が増え裁量も大きくなり、余計に劣等感を抱く場合もある。
 〇周りが健常者ばかりの場合、周囲と話しづらく孤立しやすい


書き出してみると本当にメリットもデメリットも山のようにありますが、個人的にはメリットの方が大きいと感じています。
デメリットとして挙げたことは、正直全部私が実際に感じている部分ですが、それでも福利厚生が整っていて周りが優秀というのは良いことだと思います。

そのせいで劣等感を抱きやすいのは事実ですし、自分だけ先に帰ることに罪悪感も抱きやすいですが、あくまで自分は周りと違う『障害者』であるという自覚さえあれば、それほど気にならなくなると思います。


周りと違うことに孤独を感じるのは当たり前ですし、現に私も職場で仲の良い人がいない為、相談もしづらいですしモヤモヤしても吐き出しづらいです。

ただ、実際発達障害者は周りの健常者と同じように仕事のスピードが速くないですし、私の場合は特に平均より処理速度が低いため、他の人と同じように残業すればできる、というわけでもないのです。


周りと違うことは当たり前ですし、障害者雇用枠で働いている人間は周りと比べてその分給料も低いです。
配慮してもらう分周りより低い給料で働いているのですから、周りと比べてできないことを必要以上に恥じる必要はないと思います。

ちなみに、ADHDの場合ストラテラ等の薬もありますが、あれは効果がある人間とない人間がいます。

主治医曰く、効果のある・なしは半々のようです。ネット上では薬を飲んで頭がすっきりした、仕事が捗った等の意見が散見されますしそういう漫画も見ますが、私は効果を一切感じませんでしたし、正直副作用による吐き気に苦しめられました※ただし私はコンサータの方は飲んだことがないので効果を知りません。


『薬を飲めば治る病気とは違う』のだと、周りが理解していなくとも自分が理解している必要があります。理解してもらえずとも、発達障害者は脳に凹凸がある生来の特性であり、病気ではないということを自分自身が理解し、周囲に理解されずとも自分で自分の特性に応じたマニュアルを自ら作っていくことが必要だと思います。


※自分のマニュアルに関しては、参考に『就労パスポートというものがあります。テンプレートもありますので、DLして使ってみても良いかもしれません。ただし、面接で渡す資料としては文章量が多すぎるため、個人的には簡潔にまとめて履歴書に書いた方が良いと思いますが、身近な人に渡して説明するのも良いかもしれません(※私はあまり渡す書類が多いと良くないと判断しましたが、就労パスポートは渡しても問題ないはずです)



あとがき

発達障害者だろうがなかろうが、この世に一人として同じ人間はいません。私は友人も恋人もいなくとも、自分が自分らしくいられる方が良いと考えて生きています。

文字数の都合で書けなかったことがたくさんありますが、自分の総まとめとして改めて書きました。もし本を出すのであれば、もっと同じ発達障害者の方向けに役立ちそうな知識等を書き残したいです。

創作大賞に応募しました。
今後も断続的にでもかき続けたいと思います!


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