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飛び降り自殺未遂レポ

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2020年8月17日、13階建ての建物の屋上から飛び降り自殺を図るものの、助かっちゃった人の入院日記。
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#体験談

栗日記 復活編④

栗日記 復活編④

手術の後は毎回、身体の自然な反応として、38.5度くらいの熱が出る。
その熱は何日かはひかない。
そのせいか、発汗が止まらなかった。
特に毎食後は滝のような汗が出た。
普通はそうはならないらしく、看護師さんから何度も心配された。

集中治療室には自分ではしゃべれない人もいた。

入院においても看護師さんやお医者さんとのコミュニケーションは大切だ。
しゃべれない患者さんの対応は、看護師さんも相当苦戦

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飛び降り自殺未遂レポ⑩

飛び降りたことも、それで死ななかったことも、全部運命なのではないかと思った。

左腿から皮膚を移植する手術はすぐに終わった。
しかしその後が大変だった。
肌をはがした後の左足が、処置する際に信じられないほど痛む。

これまでで最高の痛みだった。

「痛み止めはありますか」
「なんでこんな痛い思いをしてまで生き延びなければいけないんですか」
そんなことを口走っていた。
我慢の限界なんてとうに超えた痛

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飛び降り自殺未遂レポ⑨

ただでさえ生きづらい、生きていけないと感じていたから自殺を決行したのに。
その上後遺症が残るような大怪我まで負ってしまった。

もっとキレイにくたばるはずだったのに。
飛び降りなければよかった。

みんなに迷惑だけをかけた。

頻繁に、看護師さんにそんなことを愚痴った。

すると、「それはまだ何かしなければいけない役割があるからだよ」と助言をもらえた。

看護師さんは優しかった。

集中治療室に比

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飛び降り自殺未遂レポ⑧

発作が起こった最悪の夜は、案外あっさり終わった。
手術があるたびに病室が変わった。
個室で1週間ほど過ごすこともあった。
そこで久しぶりに見たテレビはとても新鮮だった。画面越しに、五体満足の人たちが元気に活動していた。私にとっては貴重な「正常な世界」の情報だった。
入院している患者さんは私以外はほとんどお年寄りだった。
集中治療室にいた時は見えなかった久しぶりの自然光が嬉しかった。
左腕の次は右腕

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飛び降り自殺未遂レポ⑦

体が健常である内は、頭の中に常に逃げの選択肢があった。
その気になればいつでも自分で自分の命を絶てる。
それは自分でも気づかないうちに心の支えになっていたらしい。

手足が自由に動かせなくなった状況で、もはや自分の意思で死ぬことはできなくなった。
自分の内にあった、大切な自由への選択肢が消えた。
「こんなに不自由なのは生まれて初めてだ」と思った。

複雑骨折した左腕は、骨が体の外に露出していたらし

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飛び降り自殺未遂レポ⑥

私が身勝手に自殺することで、家族がいかに取り返しのつかない傷を負うのか。

家族の心も、私の家族そのものも崩壊する、消えてなくなるということを、言って聞かされた。

私はとんでもなく最低なことをしようとしたらしい。

正しいと思って自殺を決行したが、周囲の反応を見ていると、それも揺らいでくる。

私の家族が壊れなくてよかった。
失敗してよかった。

結果から言って私は、自殺の誘惑に勝つことはできな

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飛び降り自殺未遂レポ⑤

私のTwitterのつぶやきを精神科医さんが読んでくれた。
先生によれば、「うつの症状で飛び降りたのではない」ということだった。
冷静に思考した末での自殺だったと。

それにはとても納得した。
衝動的な自殺ではない。

そもそも私が初めて自殺を考えたのは、6年も前のことだ。
あの時は、強迫性神経症に悩んでのことだった。少し衝動的だったかもしれない。

それに比べると今回は、とても緩やかに死に向かっ

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飛び降り自殺未遂レポ④

水が飲めない事と同じ位苦痛だったのが、退屈だった。

首から上しか動かない以上、天井を見つめるしかできることがない。
それが24時間、何週間も続くとなると、言葉では表現しにくいタイプのつらさだった。

喉が渇いて口の中はカラカラ。
身動きは一切できない。
声もまともに出せない。
助けも求められない。
天井を見つめるしかない。
何の情報もないところにひとりで放置されてしまった。

二度と経験したくな

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飛び降り自殺未遂レポ③

ベッドに寝たきりになりながら、「何故こうなったのか」と何度も考えた。
13階から跳べば、楽に確実に死ねると思っていたのに。話が違うじゃないか。

それでも、地面に激突した直後とか、一番痛い瞬間に意識を失っていたのは幸いだった。

入院してしばらくの間は流動食だった。
その後、お粥とか柔らかいものが食べられるようになった。

しかし何を食べてもおいしいとは感じられなかった。
牛乳すらもまずいと思う位

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飛び降り自殺未遂レポ②

母と兄の顔を見て、渾身の飛び降り自殺計画が失敗に終わったことを、私は悟った。

しかし、思ったより後悔の念は湧いてこなかった。

私は、私自身の意思に基づき飛び降りた。
それがどんな結果に終わろうとも、私が自分の意思を貫き通したという事実は変わらない(いや、このザマだが)。
計画通り、ちゃんと飛び降りた自分が誇らしかった。

入院当初、動くのは首から上だけだった。
全身怪我だらけ。
両腕は粉砕骨折

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飛び降り自殺未遂レポ①

2020年の8月17日

13階建ての建物の屋上から飛び降りた。

建物の屋上まで登りきったところで、記憶が途絶えている。
薬をODしたからだ。
落下時の衝撃で、記憶が多少飛んだのもあるかもしれないけど。

目を覚ましたらベッドの上だった。周りには何人も白衣の人がいた。

そこが病院だと理解するのに時間がかかった。
目を覚ました私の第一声は、看護師さんに向かって言った
「誰ですか!?」だった。

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