飛び降り自殺未遂レポ⑧

発作が起こった最悪の夜は、案外あっさり終わった。
手術があるたびに病室が変わった。
個室で1週間ほど過ごすこともあった。
そこで久しぶりに見たテレビはとても新鮮だった。画面越しに、五体満足の人たちが元気に活動していた。私にとっては貴重な「正常な世界」の情報だった。
入院している患者さんは私以外はほとんどお年寄りだった。
集中治療室にいた時は見えなかった久しぶりの自然光が嬉しかった。
左腕の次は右腕の手術が待っていた。こちらも大手術だ。
全身麻酔で、今回は14時間眠っていた。
前回と違って、今回は、手術後に喉の渇きを訴える私に看護師さんがすぐに水を飲ませてくれた。本当に助かった。
手術後の、麻酔が切れた後の右腕の痛みはシャレならなかった。右腕に触れられただけで激痛が走る。
深夜の集中治療室で、またも私は喚き散らすこととなった。
大きな手術はこれが最後になった。
手術があるたびに、体がバラバラになるような思いをしていたから、終わるのは嬉しかった。

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