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こどもの読みもの

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こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
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#読書感想文

晩夏

晩夏

シュティフター 1857

裕福な商人の息子として生まれた主人公ハイリンヒ。妹クロティルデと共に家庭内の教育で育った彼は、専門を持たない学者を志し、植物や自然現象の研究に取り組み、毎夏を山ですごしている。ある日、丘陵地で薔薇が咲き誇る白い家に立ち寄る。館は図書館、絵画堂、自然科学の実験室などを備え、地所では農園、家具工房、温室も営まれていた。ハイリンヒは館で日々の営みに通じていく。そして、ナターリ

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ガリバー旅行記

ガリバー旅行記

スウィフト 1667〜1745

大学で医学を修めたガリバーが、船医として色々な国を訪れる物語。
第一部「小人国」リリパット
第二部「巨人国」ブロブディンナグ
第三部「空中の浮島」ラピュタ
第四部「馬の国」フウイヌム
スウィフトがこの小説を書くに至った背景には、長期にわたって政権を握る与党ホイッグ党に対する批判が込められていました。野党トーリー党の論客であったスウィフトをはじめ、トーリー党に共鳴す

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チョコレート工場の秘密

チョコレート工場の秘密

ロアルド・ダール  1964

イギリスのある大きな街のはずれにある、今にも崩れ落ちそうな木造のボロ家。
主人公チャーリー少年の家です。
両親とそれぞれの祖父母、七人で、飢えと寒さに耐えながらの極貧生活を送っていました。
ですからチャーリーが大好きなチョコレートを食べられるのは年に一度、誕生日に一枚だけでした。
その家の近くには、ワンカ氏の世界一有名なチョコレート工場があり、夢のようなチョコレート

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クローディアの秘密

クローディアの秘密

🖌カニグズバーグ 1968

📖隠居している富豪のフランクワイラー夫人は、弁護士宛てに手紙を書いていた。それは、ある少女に「秘密」の権利を譲る理由を説明するものだった・・・・。

🎻もうすぐ十二歳のクローディアは二番目の弟ジェイミーと家出をする決心をする。理由を秘密にして。
🎺二人は着替えを詰め込んだバイオリンのケースとトランペットのケースを手にニューヨーク行きのバスに乗り込んだ。行き先は

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アンクル・トムの小屋

アンクル・トムの小屋

🖌ストウ夫人 1852

📖19世紀のはじめ、ケンタッキー州のシェルビー農園では、恩情溢れる主人一家の下で、黒人奴隷たちは幸福な生活を送っていた。しかし、主人一家の農園経営の失敗が重なるにつれ、黒人奴隷たちの運命も変化しはじめる・・・・。

📎物語は一つの起点から始まります。そこから二つに分かれる展開で物語は進みます。黒人奴隷たちの二つのグループのうち、一つのグループは自由なる北へ、他方は暴

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最後の一葉

最後の一葉

🖌O・ヘンリー

スウとジョンジーは煉瓦造りの三階建ての最上階にアトリエを持っている。ジョンジーは肺炎で床についていて、蔦の枝が中ほどまで這い上がっている建物に目を据えて、葉の数を数えている。彼女は生きる気力を失い、もう五枚しか残っていない蔦の葉が散り終わるとき、自分の生命も終わるのだ、という妄想に陥っているのだった。
自分から生きたいいう気を起こさない限り助かる見込みはほとんどない、と医者に言

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アンネの日記

アンネの日記

「 わたしはどこへ行くにも、歩いて行かなければなりません。 」

📔【 アンネの日記 】

🖌アンネ・フランク (1929〜44)

ドイツ・フランクフルト生まれ。アンネ一家は1944年8月4日に拘束されました。アンネはドイツのベルゲン・ベルゼン収容所で同年10月30日に死去。

📎アンネの一家(両親と姉)はドイツに住んでいました。ですが、ユダヤ人であるための迫害から逃れる為にオランダに移住

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星の王子さま

星の王子さま

「 かつて子供だったことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない 」

📔【 星の王子さま 】

1943年刊

🖌 サン=テグジュペリ

📖 六年前のことの話。僕の操縦する一人乗りの飛行機が故障して、サハラ砂漠に不時着した。一週間分の水しかなく、修理するも、なかなか直らない。翌朝、男の子に起こされ、ヒツジの絵を描いてと頼まれた。彼は、一人で住む小惑星から来た王子で、世話をしているバラのわがま

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