マガジンのカバー画像

こどもの読みもの

178
こどもにおすすめの本。 かつて、こどもだった大人におすすめの本。
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

羅生門

羅生門

芥川龍之介 1915

天災や飢饉が続く京の都。朱雀大路にある羅生門も荒れ果てて、引き取り手のない死体が打ち捨てられる有様。

・・・・雨の降るある日の夕暮れのこと。一人の男が石段に座り途方に暮れていた・・・・。このままでは飢え死にして、いずれこれらの死体と同じ運命・・・・。

「羅生門」は芥川龍之介が日本の古典「今昔物語集」から題材をとった、王朝物といわれる作品の第一作目です。
この作品の登場人

もっとみる
二十四の瞳

二十四の瞳

壷井栄 1952

「昭和三年四月四日、農山漁村の名が全部当てはまるような、瀬戸内海べりの一寒村へ、若い女先生が赴任してきた・・・・。」

洋服を着て自転車で通勤する若いおなご先生と、十二人の新入生との心のふれあいの物語。

作品の有名な場面。
生徒のいたずらでアキレス腱を切って自宅療養する大石先生の遠い家まで、親に内緒で、泣きべそをかきながら見舞いに行く一年生たち。
「どうしたの、いったい?」

もっとみる
火垂るの墓

火垂るの墓

野坂昭如 1967

『…七月六日、梅雨の名残の雨の中を、B二九が明石を襲い、清太と節子横穴の中で、雨足の池にえがく波紋をぼんやりながめ、節子は常にはなさぬ人形抱いて、「お家かえりたいわあ、小母さんとこ、もういやや。」およそ不平をこれまで言わなかったのに、泣きべそをかいて言い、「お家焼けてしもたもん、あれへん。」…』

こちらアニメ映画になりました。「となりのトトロ」と同時上映だったのですが、あま

もっとみる