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自律と利他主義があれば、どんな組織でも活躍できる!?SORABITOの組織作り - プロダクト開発部(前編)

今回は、「SORABITOの組織づくり」をテーマにプロダクト開発部(以下PD部)というエンジニア組織の取組みをご紹介できればと思います。

「自律」と「利他主義」という2つのキーワードが生み出す、個々のメンバーのスキルアップと組織の一体感の醸成のからくりを是非読み解いていただければ嬉しいです。今回は2回に分けてお送りします。初回は、「組織の土台づくり」をテーマに進めていきます。

後編はこちら

話し手:
田村 重穂(たむら しげほ)
プロダクト開発部 部長
エンジニア歴20年以上。銀行、証券、商社、製造、メーカーなど様々な業種と、パシリ、プログラマ、SE、PM、営業、企画、CTO、VPoEなどのさまざまな役割を経験することによって、「ハイパー雑用系便利屋エンジニア」に育ち、今なお伸び代しかないと自負。SORABITOのCTO 高野とは10年以上の戦友(同じ職場はSORABITOで3箇所目)であり、メンターでもある

聞き手:
定田 充司(じょうでん あつし)
社長室 室長
兵庫県淡路島生まれ。東京証券取引所、JETRO、freeeを経て2020年3月入社。「i-Rental 注文」の立上げでは、リード獲得、セールス、アカウントマネジメントの企画から実行まで幅広く担当。直近は社長室にて、優先度に応じて経営企画・事業開発・PRなど役割を日々変更中。趣味は旅行、競馬、外食、高校野球、高校駅伝など多数


自律と利他主義が組織力を最大化する

ー田村さんは今年1月に入社されましたが、今年1月以降、SORABITOでどんな仕事をされてきましたか?

田村:
僕の仕事は、大きく4つあります。

・PD部の組織作り
チームの進む方向を定め、チームとして機能する仕組みを作る
・緊急サポート
プロダクト関連の全プロジェクトにおける緊急事案の対応
・非機能要件のロードマップ作成
「セキュリティ」「コスト」「パフォーマンス」を中心にプロダクトの「見えない機能」を強化する
・他部署連携
社内相談窓口、いわゆる情報システムチームの結成・運用

ーその中でも22年7月の全社オールハンズの発表で、「組織作り」の話が僕にはとても面白く刺激的でした。今回は「組織作り」に焦点を当てて、田村さんの話を聞きたいと思っています。

田村:
PD部の組織作りについては、22年1月時点でメンバーがいる以外は空っぽの状態だったので、まずは(1)チーム方針を策定しつつ、(2)メンバー共通の価値観を把握して、(3)現実課題への対応するという3つの取組みを進めてきました。
で、(1)を決める上で僕が何を大事にしているかをまず言語化したんです。それを踏まえて、下表のとおり組織作りに当てはめた感じです。具体的な施策だけを見れば、意味が分からないと思いますが、根底には「①自律」と「②利他主義」の2つのキーワードに紐づいていることを理解してもらえれば良いです。詳細は追って説明するので、安心してください(笑)

何故この2つが大事かと言えば、①自律と②利他主義があれば、SORABITOに限らずどんな組織でも活躍できるエンジニアになれると思っているからです。メンバーにはそういう人材になって欲しいという意図をもって、それぞれの施策を選んでいるという感じです。

この2つを実践できる人を具体化すると以下になります。

① 「自律」している人
・謎解きが好きで、難解な言葉を使ってごまかさない人(難解な言葉を使うのは、自身のスキルをごまかしがちな人)
・(去年の技術が今年も使えるとは限らないため)極力固執しない考え方を持ち続けられる人・普段から学ぶ意欲が高い人
・やりたいことをやれるなら、放置をしても成果を出せる人
② 「利他主義」な人
・組織に属する以上、自己の利益よりも他者の利益を優先できる人

①と②は相反しているように思えますが、自律には「個の能力を伸ばせる人」という要素があり、「個」の能力を伸ばすことが組織力を最大化する(=利他主義の実現につながる)と思っているので、①と②は紐づいているという整理をしています。

以上を意識しながら、(1)チーム方針を策定し、(2)メンバー共通の価値観を把握して、(3)現実課題への対応する、につながっていくわけです。

PD部の組織作り - STEP1 チーム方針の策定

田村:
まず、チームの方針として、「『当たり前に』改善を継続する。」と「PD部は他のチームを助けるために存在している。」を掲げました。

そして、「当たり前に」改善を継続するため、以下2つの施策を導入してみました。

・勤務時間の20%で課題改善/自己成長を図る機会を作ること
・個人の性格/希望を活かした配置をすること

1つ目については、1人で学ぶだけではなく、皆で共有した方が組織としては効率が良いので、勉強会を実施しています。何を学習テーマに選ぶか、そして参加すること自体も自由だし、テーマが重複すれば2人でやれば良いと思って始めましたが、各人が無理して頑張ることなく、継続して開催できています。
自律のためにも、自分の未来のために使う時間として20%タイムは働き続ける限り止めない方が良いと思うくらい大事だと思っています。最も学習すべきことは(学び続けるための)「学習法」ということですね。

ー2つ目について、個人の希望を完全に生かすのは難しいと思うのと、個人の希望を尊重しすぎれば、他のチームを助けるという意識が薄れる気もしますが、どうですか?

田村:
そもそもSORABITOという組織にいる時点で一定の制約に従うことが優先されます。話が大きくなるけど、日本人というだけで縛りが出るのと一緒です(笑)SORABITOの組織の優先事項の範囲でしか個人の希望は尊重されないようにしています。なので、あくまで利他主義なんです。
一方で、SORABITOのビジョンや事業に共感して入社している時点で、会社の想いと個人の想いの大半は重なっていると思うんですよ。だから、組織と個人の両軸から見て重なる部分をどう最大化させるか、つまり各メンバーがSORABITOで成長できる選択肢をどう多く持てるかは大事なことだと思います。一方で、組織の都合もあるし、メンバー間でどう補完するか?その辺りをチームのみんなで会話するようにしています。

PDの組織作り - STEP2 メンバー共有価値観の確認

田村:
チーム方針として「自律」と「利他主義」をまず掲げたわけですが、この2つを機能させるためには各メンバーの価値観を共有し合うことが大事だと思っています。とは言え、SORABITOという組織に属している以上、まずはSORABITOのバリューをしっかり理解・実践できる人であることが大事です。特にSORABITOのバリューはビジネスパーソンとして当たり前なので、エンジニアとしての技術力以上にバリューへの共感や実践できる可能性を僕は重視しています。嬉しいことに、今のPD部のメンバーはバリューには皆同意しています。細かい理解の違いは個々の価値観の違いなので気にしないし、バリューで判断できないものは事業戦略をもとに判断すべきものです。

まずはバリューに対する納得感を確認した上で、更に深いレベルで議論したところ、メンバー共通の価値観として、新たに3点が見えてきました。

・興味のフォーカスが「ヒト」ではなく「事象/課題」
・みんな違っていて、みんな良い
・すべての対策は「場合による」

せっかくの共通点なので、3つの価値観をさらに尊重したいので、以下2つの施策を取り入れてみました。これらも自律と利他主義から生まれたアイデアです。分かりますかね?(笑)

・打合せ中に「しょーもない」ことを話す
・無理に一体感を持たないことにする

ーいや、価値観の尊重と施策のつながりが分かっていないのですが(笑)、打合せ中にどんな「しょーもない」ことを会話するんですか?

田村:
えっ、しょーもない話ですか?
鶏むね肉を柔らかく仕立てる方法とか、今やってるゲームでバグ見つけたとか、バグの仮説で盛り上がって本題入れなかったりとか。。。(笑)

もう少し真面目な話をすると、毎週メンバーに①今週は何をやって、②気づきは何で、③来週は何をするかをスプレッドシートに書いてもらっています(ただし、書く書かないは各メンバーの自由)。そして、書いてもらって分かることは、個人個人が全然バラバラなことに興味を持っていて、色んなことをやっていることが可視化されます。その結果、価値観や関心事含めてお互いの理解が深まるし、各メンバーを知ることにもつながります。その結果、何か問題が発生した時に、ここはフォローできるという感覚を掴めるので、実は利他主義につながっていくと考えています。

ーなるほど、理解できました!スプレッドシートの共有で思い出したのですが、PD部では、チームみんなで各メンバーのミッションシート※を評価し合うと聞きました。バリューにあるOPENの典型例だと思うし、チームの一体感を生む仕掛けではないか?と思っています

田村:
単純に目線が多い方が良いことも一杯書けるし、僕もラクなので(笑) 
あと、僕自身そもそも「評価」という概念も特に無いというか、僕が期待する「自律」は他人との比較ではなくて、あくまで自分との戦いです。自分に集中しろよと。だからメンバー間で評価を比較する場では全く無いわけです。みんなの価値観をより共有するという意図が強いです。「こいつ自分に厳しいな」「デザインに興味あるんだ」「インフラ強いんだ」など価値観やスキルの共有を地味に続けていけば、いざという時に協力し合えると思います。

ー自分との戦いって良いですね。さらに「無理に一体感を持たない」という施策があるわけですが(笑)、具体的に何をするんですか?

田村:
「自分の意思を大事にする。自分の意思を他人に強要しない。」という意識の持ち方です。自分の心の在り方がすべてを映し出すというところがスタートだと思っています。これは自律ですね。
一体感については、大好きな浦和レッズの試合をスタジアムの二階や三階で見ていた時にふと思ったことで、凄く良いプレーを見たら自然と盛り上がる、あの雰囲気がとても好きです。でも「ゴール裏の応援団の集まりに来い」と言われたら自分はイヤなので(笑)、強制されることなく、突発的な事象が発生した場合にあのような一体感を生み出せるチームでありたいと思っています。

以上、2つの施策を取り入れた結果、

・他人の個性を尊重し、相互利用できる流れができている
・前例に頼らず「今のベスト」を語れるようになっている

というメリットが現状は生まれています。

ーとてもスッキリ、腹落ちしました(笑)組織づくりのSTEP2の時点で沢山聞きすぎたので、続きは後編に移ります!後編では、「日々発生する現実課題への対応」、そして「メンバーとの日々のコミュニケーション」に触れていきますので、よろしければ、引き続きご覧ください!

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