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ヤギと暮らす元園長先生!新メンバー参戦!②

前回、新メンバーの元園長先生をインタビューしました。今回は、その続編をお届けしようと思います。

石川移住からsonrakuと関わるまで

Q 移住後に、農業法人からNPO設立、そして学校法人の統括園長とユニークな経歴をされていますが、どうしてこのような経緯になったのですか?
 職業人として経験してきた様々なことを活かして、社会課題を解決する仕事(ソーシャルデザイン)がしたいと思うようになりました。
農業法人に在籍しその会社の新たな事業領域を模索しながら、地域が抱える様々な課題を見つめた結果、安心安全な食とエネルギーの地産地消、中山間地の活性化に関することに取り組むことにしました。NPO法人を設立して地域で様々な活動をしていく過程で、「地域づくり」とは「人づくり」であるという結論になりました。

中嶋さんが設立された「特定非営利活動法人未来の暮らしデザイン研究所」

 コミュニティーは人の集まりなので、人の意識が変わらないと、どんなに良いモノでもそれが伝わらないし、結果、地域が変わっていかないことを感じたからです。しかし、「人づくり」と言っても既に価値観の固まってしまった大人はそんな簡単には変わりません。
 そこで急がば回れと取り組むことにしたのが「子どもへの社会教育」の実践でした。子どもは頭が柔らかく、理屈ではなく日々の経験や五感をとおして様々な事を素直に受け入れることができます。さらには、その子どもの姿から大人の気づきへと繋がることが意外と多いのです。

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日本と海外の青少年を繋ぐ活動(ドイツにて)

 このような教育活動は地域や社会、自然環境の中で、社会教育の一環として行われることが多いのですが、この国の教育に必要とされている「生涯学習体制の確立」という観点からも、この「社会教育」と「学校教育」の両方(さらに「家庭教育」も)がバランス良くあることが重要で、そのことを感じ始めたタイミングで地元の学校法人から教育改革を特任する統括園長というポジションのオファーがあり、当時、国際バカロレアやESDユネスコスクール認定校を目指していた学園で、様々な改革を試みました。

sonrakuは社会的インパクトを生み出せる

Q sonrakuとの出会いはいつだったのですか?
 私が設立したNPO法人が関わった環境省関連の仕事の一環で、地域の間伐材や林地残材の有効活用と小水力発電の施設見学に中四国地方へ行った際に、西粟倉村で元湯の薪ボイラーや薪づくりの現場などを視察させてしたのが最初の出会いですね。ちょうど元湯がオープンする直前くらいだったと記憶しています。井筒CEOや役場の方にいろいろとご案内頂きました。

Q 統括園長というポジションを次の方に託し、ご自身はsonrakuと関わろうと思った理由はなんですか?
 教育者という職業は、一人ひとりの人間が育つのをサポートをするというたいへん素晴らしくそして責任が重大な仕事だと思います。特に私が携わった幼児教育(3歳〜5歳)は根っこの教育といって、その子どもの人間形成に関わるとても大切な役割を果たし、幼小中高15年間の学びの連続性の基礎となる3年間の責任は重大です。
私がいた学校法人は3つの施設を運営していましたが、幼児教育に特化しており、小学校以降の学びについては地域の小学校にバトンをつなぐことになり、教育理念に沿って18歳まで一貫教育をすることが出来ず、単体では地域にソーシャルインパクトを与えるような教育活動は出来ない、という限界を感じたからです。

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      3年間の教育課程の修了を証する卒園式

「地域づくりは人づくり、人づくりは教育から」という考えは今も変わっていませんし、むしろ地方創生の要はその地域でどれだけ生涯教育体制を確立出来るか?ということだと思っています。なので、3年間限定で子どもたちの教育に関わることはその分野(幼児教育)の専門家であるプロパーの先生にお任せし、私自身は地域での社会教育と学校教育を含め、エネルギーや食と農、福祉など、より大きな視点で地域や社会を創っていけて、さらに社会的インパクトを起こせる可能性がある組織に関わりたいと思うようになりました。

航法士としての役割

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Q 「社会的インパクトを起こせる可能性がある組織」がsonrakuだったということですか?
 そうですね。まだまだ組織としては小さく、今期で8期目なので、井筒CEOとは、これからが第二の創業期だという話をしていて「社会的インパクトを起こせる組織をこれから創って行く」という言葉の方が正しいです。
もともとは市場開拓や総需要喚起に関わる、マーケティングやセールスが専門なので、0を1にする仕事は、自分の性分にも合っていると思います。
 
Q 今後、ソンラクでやりたいことって具体的にありますか? 

sonrakuのビジョンは「ワクワクとサスティナビリティが織りなす地域を作ろう」そしてミッションは「エネルギーを起点に、分野を超える新事業を創出する」です。


 分野を超える新事業という点では、教育や農業ビジネスにも関わっていた人間なので、山村や島に留学するプログラムの提案とか、地域の優秀な人材が都市や海外に吸い取られないように、地域の文化や環境、産業などを活かしたその地域ならではの質の高い教育プログラムを創ったり、地方における良質な暮らしを安定したものとするエネルギーと食糧の地域内循環のしくみを作るなど、地域の内部経済の循環をアクセルし、より良い未来のための持続可能な地域づくりをしていきたいですね。

 そして、社内的には、COOの役割をしっかりと果たしていきたいと思います。COO(最高執行責任者)というのは、“ロジック担当”の実務家で、会社の中長期の成長戦略を描く戦略家(“イマジネーション担当”)のCEO(最高経営責任者)と取締役会とが決めたゴールまでどのように行くのか?その執行方法を決めて導く、いわばナビゲーションのような役割を果たすことになります。

 飛行機に例れば、CEOが機長、取締役会は副操縦士、COOは航法士(GPSを利用したナビゲーションシステムが未発達であった時代の航空機には、天測をしながら、自機の位置・針路などを測定し操縦士に報告する航法士が乗務し、その他、航空機関士や無線通信士も含め5人で飛行機を飛ばしていた)にあたります。

相互信頼のもと、CEOとCOOがそれぞれの役割を補完し合って、ソンラクの組織としての足腰を強くしていくことですね。まだまだ若い会社なので、私の今まで培ってきた経験を活かして、ビジョンとミッションを共有しながらゴールに向かって社員各自が自走できる組織を創りたいですね。

~おわり~

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