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そもそも魔王って倒さなきゃ駄目なのか?【第一章 旅立ち編 0】

〜プロローグ〜




ーとある王国のとある宮殿ー

「女王様しっかり!もうすぐ…もうすぐですよ…!」

「苦しい…う、生まれそう…」

「ええ、全員見守っていますよ!安心して下さい!」

「はぁ…はぁ………」

「陛下!陛下も何かお言葉を!」

「おおおお、おお、み…皆落ち着け!ここ…こういう時こそ冷静にするものだ!冷水はあるか!?今すぐ頭からかけてくれ!」

「はい!我々はずっと冷静です!お気を確かに!」

「イザベル大丈夫だ!私がついているぞ!ゆっくり深く深呼吸だ!ヒ、ヒ、フー!が効くらしいぞ!」

「ちょお…あなた近い…いやぁ…」

「近くていやとのことです陛下!」

「そ、そうか?…すまない…」

「え、嫌?」

「一旦下がりましょうか!陛下!」

「玉座にてお待ちを!陛下!」

「ぬぅ……皆が私を追い出そうとするのが辛い…」


【アレクシウスはイソイソとその場を後にした!】





「イザベル様まもなくですよ!ほら!頭が見えてきた」

「もう一押し!頑張って下さい!」

「あ、あああああぁぁ……!!!」








………………オギャー…オギャー…






「はぁ……はぁ…」

「イザベル様おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」

「オギャーオギャー!」

「…はぁ………ふふふ…」

「この子のお名前はどのようになさいますか?」

「名前は…もう……決めてあるの…男の子なら…◾️◾️◾️…」

「ああ…生まれてきてくれて…ありがとう…私の…かわいいかわいい◾️◾️◾️」

「…この子が…私達の……」


ー謁見の間ー




「陛下、イザベル様の容態は至極健康体、たった今お眠りになられた事をご報告申し上げます」

「うむ、ご苦労であった。何事もなく出産の儀を終えられた事を喜ばしく思う」

「はっ!」

「…………なぁ」

「はっ!」

「もしかして私は最初から玉座でドンと構えていた方が威厳を保てていたか?」

「いえ!そのような事はございません!付き添われる陛下のお姿、大変ご立派でした!」

「べんちゃらはい、分かっている」

「無礼は承知だ。申してみよ」

「はっ!クソ邪魔であられました!」

「早いな、許してから早いな」

「せめてもっと言いよどむとかないか?」

「はっ!失礼しました!」

「その、はっ!ていうのをやめろ、今はいい返事をするところではない」

「はい!」

「……もうい、して◾️◾️◾️の方は?」

「陛下、こちらに」

「スー…スー……」

「おぉ……!よくぞ生まれてきた我が息子にして勇者◾️◾️◾️よ!」


アレクシウスは勇者◾️◾️◾️を抱き抱えた!



「■■■よ、お前には我が王国ラルアガランの命運と、魔族によって危機に晒されたこの世界の存亡、そして何より勇者としての使命を全うするため、ありとあらゆるものを授けよう」

「まずは知恵を与えよう。知恵はお前が敵を打ち破るための策を立て、世界の安寧を築いていくしるべとなるであろう」

「次に技術を与えよう。技術は己の剣を研ぎ澄ませ、魔法を手足のように自在に操り、戦いの中で勝利を掴む基盤となるであろう」

「最後に愛を与えよう。愛はお前が人々を信じる心を育み、守りたいものを守るため、時に勇気を奮い起こす原動力となるであろう」

「勇者としての誇りを胸に、正義の剣を振りかざせ。さすればどんなに暗い闇の中でも、その剣は希望の光を放つだろう」

「ああそうだ、仲間もたくさん作れ。仲間を作り共に絆を深め、互いの力を信じよ。その絆が、お前を支える最強の力となるはずだ」

「与えられた全ての力を以って証明してみよ。お前が生まれてきた意味は、この世界に永劫の平和をもたらすこと、そして……」




「この世にいる魔族を一匹残らず根絶やしにすることだ…!」



〜To be continued〜


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