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全員が同じ目線に立っているから実現できる“毎年成長”。年賀状業界の成長企業とタッグを組み、歩んできた軌跡とは

創業から50年、印刷業界から挨拶状業界へ。インターネットの普及とともに事業を展開し、業界のニッチトップを走ってきた株式会社GREETING WORKSグリーティングワークス
 
編集長のみやたけ(@udon_miyatake)が営業担当の西宗とともに、大阪本社にお邪魔してお話を伺ってきました!

株式会社GREETING WORKS
http://www.greetingworks.com/
創業:1972年5月
本社:大阪府大阪市
事業内容:印刷物・物販のECショップの運営 / インターネット関連のITサービス

1972年創業の印刷会社発の挨拶状事業サービス

インターネットの普及ともに成長してきた

─── はじめに、グリーティングワークスさんの事業内容とお二人それぞれの職務内容を教えてください。

小松:私たちグリーティングワークスはインターネットを通じた挨拶状事業を中心に展開しています。「100% message」をブランドコンセプトに掲げ、インターネットを通じて世界中の人々の伝えたい想いを、言葉・写真・デザインで表現しお届けすることが使命です。

挨拶状事業では、フォーマル挨拶状印刷の専門サイト「挨拶状ドットコム Professional」やデザインはがき印刷専門のポータルサイト「挨拶状ドットコム Designer's」、年賀状印刷の専門サイト「挨拶状ドットコム 年賀状印刷」などを運営しています。

私は会社の主軸となる挨拶状事業の責任者を務めています。

間所:私は挨拶状事業のデジタルマーケティング領域の責任者を務めています。前職では広告代理店に勤めており、昨年6月下旬に入社して以降、ソウルドアウトさんと一緒にデジタル広告の運用を行なっています。

(左)株式会社GREETING WORKS 執行役員 小松氏/(右)同社 挨拶事業部 事業推進課 間所氏

─── グリーティングワークスさんは1972年に創業し、インターネットが普及し始めた頃の2004年に「挨拶状ドットコム」をスタート。まずはフォーマル挨拶状の印刷サービスから始められたんですよね。

小松:現会長の徳丸は、もともと金融機関の営業マンで転勤族だったそうです。金融機関では転勤の際、得意先に挨拶状を送る習慣があり、そこで使えるサービスをつくり事業をスタートさせました。

当時、「フォーマル挨拶状」に特化している会社はありませんでした。印刷業の片手間でサービスをしている会社はあったのですが、私たちはニッチトップ戦略をとってきました。

─── サービスへの注目度は高かったのではないでしょうか?

小松:私が入社した2005年の年末から、一般のお客さま向けに年賀状印刷の受付をスタートさせました。予想以上の注文がきて、12月上旬にサイトを停止したほどでしたね。

数人の社員で24時間印刷して、夜中に裁断して……と必死でした。「版下」と呼ばれる、製版を行なうための原稿を用意して、同じデザインのものを大量に製作していきます。しかしそれでは間に合わないとわかってきて、翌年の年末、お客さま自身のパソコン画面上で校正ができるプレビュー機能を業界でいち早く導入しました。
 
─── 市場の中で先行してニッチトップとなり、事業を展開してきたんですね。
 
小松:そうですね。ほかにも、無料で住所録を作成できるサービスも先行して始めました。挨拶状ドットコムの「マイページ」に登録すれば、自分だけの住所録を作成でき、宛名印刷のサービスや、投函代行のサービスもできるようになります。

ここ10年ほどで、インターネットの発展とともに大手企業など他社の参入がかなり増えてきました。ですが、写真事業をやっていて年賀状事業に広げるなど、異業種からサービスを始める会社が多く、私たちのように印刷会社の延長でサービスを展開している会社はほとんどありません。

─── では、ほかの会社と比べるとどんな強みがあるのでしょうか?

小松:私たちの強みは、他社よりもバリエーション豊富なオリジナルデザインです。グリーティングワークスでは、190人以上のクリエイターさんに私たちからデザインを指定して発注しています。他社のサービスではデザインを流用している場合が多いのですが、私たちは年賀状や挨拶状専用のものを用意しており、近況や季節の挨拶など、用途に合わせて自分らしい手紙を作成できます。

両社が一つのチームとなって事業成長を

市場の中でどれだけシェアを取れるのか。常に新しいチャレンジを続ける

─── では、ソウルドアウトとの取り組みを振り返っていきたいと思います。最初はどのようなきっかけで取引が始まったのでしょうか?

小松:もともと私たちは自社で広告を運用していたのですが、事業拡大によって職務が広がり広告運用に時間をとることが難しくなっていって。本来であれば、私も好きなのでやりたかったのですが(笑)。

そこで広告代理店を探しているときに、オプトさんより、地方、中小・ベンチャー企業に特化した支援会社を立ち上げると聞き、ソウルドアウトをご紹介いただきました。

─── では、直近の取り組み内容を教えてください!

小松:ここ2、3年では、Googleショッピング広告の配信を強化しています。GoogleのP-MAX(パフォーマンス最大化)キャンペーンやYouTube広告など、新しいプロダクトにも積極的に挑戦しています。

西宗:Googleショッピング広告の配信は、年賀状・挨拶状業界でも先行して始めました。

Googleショッピング広告を配信するには、Googleマーチャントセンターに登録する商品情報(データフィード)と、Webサイト上に掲載されている商品情報を常に一致させておく必要があります。ですが、はがきの枚数によって価格の変わる年賀状・挨拶状は、設定が難しく。

データフィードに詳しい前担当者が他社に先んじて配信を開始し、私が担当に変わってから、配信金額を約4倍に強化しています。年賀状の広告は休日に配信量が伸びるという特性があり、そこをコントロールしながら効率よく獲得に結び付けるために、配信方法を工夫しています。

現在はPLAとSSCを組み合わせた配信で、ROASが当初の2倍以上に成長しました。

PLA:商品リスト広告
SSC:スマートショッピングキャンペーン

*PLAとSSCの違いの詳細は下記noteを参照

─── Googleショッピング広告は、業界の中でも新しい取り組みだったんですね!P-MAXキャンペーンも競合他社に先行して始められたのでしょうか? 

西宗:そうですね。P-MAXキャンペーンは、リリースされて間もない昨年の年末に始めました。

始めた背景は大きく二つあります。一つ目は、グリーティングワークスさんの課題解決に繋がる配信ができる可能性が高いと思ったからです。年賀状業界は離脱率が低く、新規顧客の開拓が広告で重要な指標となっています。P-MAXキャンペーンは、これまで配信できていなかった広告枠に配信できるので、新規顧客の増加に結び付けられると考えました。

二つ目は、CV(獲得数)の拡大に繋がると思ったからです。競合他社がSSCの出稿を始めたり、「年賀状」というキーワードでの広告出稿はレッドオーシャン化したりしていて。新しいプロダクトを他社に先行して始めたいと考えていました。

ですが当時、社内のP-MAXキャンペーンの事例では、一勝一敗といった状況だったんです。かなり悩みましたが、グリーティングワークスさんのアカウントでは、SSCや検索広告の一般ワードのキャンペーンである程度のCVがあったことも踏まえ、P-MAXキャンペーンとは相性がいいと判断し、配信をスタートさせました。

─── 配信の結果はどうでしたか?

西宗:獲得の柱であるSSCと同程度のCPA(獲得単価)で、かなり好調でしたね。検索広告の一般ワードのキャンペーンと比較すると、4分の1のCPAでCVに繋がりました。

─── 前例がない中での挑戦、とてもかっこいいです。

小松:西宗さんは、新しいプロダクトが出ると「ほかではまだやっていないけれど、グリーティングワークスならうまくいくと思います。挑戦してみましょう」と提案をしてくれるんです。すごく頼もしいな、と感じています。

西宗:ありがとうございます。提案するときには、グリーティングワークスさんが年賀状市場の中でどれだけマーケットシェアを取れるのか、ということを意識しています。

市場自体を広げるのは、大手の会社がやっていくことだと思っています。なので、私たちには、市場の中で誰もやっていないことに挑戦したり、競合他社ができていないところまでやりつくしたり、そういったことが求められていると思うんです。そしてそれらの成功確率を高められる方法を考え、提案しています。

データを可視化して運用の効率化を

─── グリーティングワークスさんでは、アンドデジタル社が開発・提供している「カシカ」を昨年から導入していると伺いました。

西宗:数値の共有をリアルタイムで行なっており、いい意味での緊張感があります。

※イメージです

─── カシカを使ってどのようなことが可能になったのでしょう?

間所:一言でいうと、効率的な運用です。

年賀状のプロモーションでは、繁忙期になると一日一日の細かな調整が成果を左右します。そこでカシカを使って必要なデータを一元管理し、常に数値を比較し、スピーディーに対策を講じながら運用しています。

例えば、競合他社との比較です。Google広告の管理画面でみることのできる「オークション分析」のデータで、主要なキーワードの入札状況を日々確認しています。年賀状の広告は、瞬間風速的な変化が起こることもあり、リアルタイムに競合他社の動きを察知しておく必要があるんです。

データを使って広告運用をすることで、各プロダクトへの適切な予算配分が可能になりました。今後カシカを使いこなして、さらに効率的な運用をしていきたいと思っています。

*グリーティングワークスさんが、カシカで行なっていることの例
・昨年対比で曜日傾向をチェック
・個人 / 法人をわけて既存注文率をチェック
・商品別に新規 / 既存の割合をチェック
など

 ─── これまでソウルドアウトとは15年ほど取り組みを続けてきました。ソウルドアウトとの取り組みを通しての成果はいかがでしょうか?

小松:直近だと、件数は昨年対比で10%増加しています。年賀状市場が停滞しているといわれている中ですが、デジタルマーケティングの取り組みのおかげで、グリーティングワークスは成長し続けられています。

パートナーよりも近い「社員」同士のような関係。全員が同じ目線で議論する

─── 成長し続けているとは素晴らしいですね。打合せではどのような話をすることが多いのでしょう?

小松:成果が悪いときには、もちろん改善施策について話し合います。ですが、成果がいいときには、「次に何しよう」という会話にシフトしていきますね。新しいチャレンジの話が多いです。

西宗:媒体のアップデート情報を共有すると、皆さんニヤニヤしながら見ていらっしゃいます(笑)。

小松:広告の話をし始めたらいつまでも止まりません(笑)。それぐらい「どう攻略していこうか」という話をよくします。

─── お互いの印象を教えてください。

小松:西宗さんはグリーティングワークスのサービスに関する理解度もかなり高く、競合他社やユーザーの動向、外部環境の変化を踏まえた上で、仮説ありきの提案をしていただけます。全員が同じ目線で議論できている感覚がありますね。

間所:ソウルドアウトさんが扱っていないサービスのことを紹介してくれることもありますね。グリーティングワークスの拡大を第一に考えてくれていることを感じます。

西宗さんは非常に心強い存在です。パートナーという言葉よりもさらに近い「社員」のように思っています。私が悩んでいることを親身に考えてくれたり、妄想の話でも相談にのってくれたりと、年齢も近いので喋りやすいです。

西宗:ありがとうございます!小松さん、間所さんは、私の提案に対して否定から入るのではなく、まず意図を理解してくださいます。そして目的や課題を共有して、もっといいものにできないか議論して実行するんです。一任されるのではなく、一緒に取り組んでいる感覚がありますね。

小松:ソウルドアウトの皆さんは、私たち広告主に対する向き合い方が、ほかの代理店さんと比べても人間臭さがあって好きです!

─── これまでの取り組みを通じて、印象に残っているエピソードを教えてください。

小松:私たちが扱っているのは季節商材で、繁忙期である年末は、休日も関係ありません。

7年ほど前ですが、私たちが日曜日に出勤していて昼ご飯を食べに外出したときの話です。たまたま、会社の近くの喫茶店にソウルドアウトさんの担当者二人がいて、私を見つけて話しかけてきてくれたんです。グリーティングワークスのことを二人で話していたようで、仕事の日以外にも私たちのことを考えてくれていると知り、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

西宗:私が印象に残っているのは、担当し始めた頃のことです。大きなミスをしてしまって、謝罪をしにグリーティングワークスさんを訪問しました。

そのとき小松さんからは「誰しもミスはあるもの」「次に起きないようにすればいい。前の運用担当者を超える成果を出すにはどうすればいいか、一緒に考えよう」とおっしゃっていただきました。「頑張ろう」と強く思いましたね。

小松:なんとなく覚えていますよ。人間なのでもちろんミスはするものです。どう考えても自動化ができない領域はあります。

「100%message」人と人との繋がりをつくり続ける

年賀状のもつ価値を届けていきたい

─── 最後に今後の展望を教えてください。年賀状や挨拶状は、スマートフォンやSNSの普及もあり、ユーザーは減ってきていると思うのですが、そんな中でどのような挑戦をしていきたいと考えていますか?

小松:おっしゃる通り、年賀状や挨拶状の発行数は減ってきている現状があります。また、お客さまの年齢層も30代から60代と高めです。私たちのサービスを利用してくださる方はリピーターさんが多いのですが、そういった、私たちのファンの方たちを大切にしていきたいと思っています。

また、発行数が減ってはいるものの、なくなることは絶対にありませんし、デジタルが当たり前の世の中では、紙の価値が見直されてきている流れもあります。

私たちは、地方の会社ではありますが、インターネットで全国展開してきました。場所は関係ありません。次のステップとしては、新しい商材・サービスも展開していくこと、既存のサービスを伸ばしていくことで、年賀状という文化を伝えていく役割を担っていきたいです。

間所:私は入社当初から、「アナログをデジタルで拡大させたい」という想いがあります。年賀状や挨拶状はアナログであり、文化的価値や情緒的価値をもつものです。私自身、紙というアナログなものに魅力を感じます。だからこそ、自分の得意なデジタルを使って、アナログの価値を届けていきたいです!

─── 紙の価値や文化を伝えていくためのグリーティングワークスさんの取り組みを教えてください!

小松:「年賀状思い出大賞」という、年賀状のもつ力を多くの人に伝えたいという想いで始めた取り組みがあります。

年賀状は一年に一度だからこそ、お世話になった人やご縁のあった人と、心を通じ合わせる機会を与えてくれるんです。そんな年賀状にまつわる思い出やエピソードを集めて紹介しています。14年目を迎え、累計で1万を超える作品の応募がありました。

年賀状で人生が変わった、という方もいて、年賀状の力の大きさや素晴らしさを感じます。それと同時に、私たちがサービスを通して提供していることを、改めて問い直すきっかけにもなっていますね。

*第14回年賀状思い出大賞

*過去の受賞作品

画像引用元:第14回年賀状思い出大賞|年賀状印刷なら挨拶状.com【2022年 寅年版】

─── 年賀状で人生が変わった、とはどのようなエピソードなのでしょうか?

間所:小学校で出会った大好きな先生に毎年年賀状を送り続け、大人になって「私も先生になりました」と報告ができた、という話がありました。二人の関係があったからこそ、その方は先生になるという夢を叶えられたんです。年に一度だけの年賀状で繋がる仲。このような感動的なお話が本当にたくさん寄せられます。

私も去年年賀状を送りました。実は、大人になって初めて送ったのですが、年始に手書きのメッセージが届くと嬉しいです。文字にはその人の人柄が出ますし、温かい気持ちにさせてくれます。

─── エピソードを読んでいると感動しますね……。西宗さんは今後どのようなことに挑戦していきたいですか?

西宗:これからはますます、広告代理店の業務や立場が問われてきます。広告業務を代理で行なうだけでは、支援できない部分が増えてきていますね。「伴走者として」寄り添い、マーケティングコンサルや経営コンサルといった領域まで踏み込んでいきたいです。

グリーティングワークスさんでは昨年からカシカを導入し、広告ごとの新規顧客と既存顧客の割合や、各顧客の購買データを見れるようになりました。中には、新規で購入したものの、何回目かの購入で利用しなくなってしまう既存顧客もいるとわかってきました。2回、3回、4回と継続してもらうためにはどうすればよいか、考えていきたいです。

これからも、グリーティングワークスさんの売上拡大に貢献していきます!


※おまけ※地方の価値ある食材をお届けする新規事業

小松:グリーティングワークスの関連会社で、美味しい旬食材をご提供するブランド「みさら」を始めました。

 日本全国の美味しい食材を探し、これまで培ったインターネットのノウハウを駆使して届けていきます。現在は、うなぎの通販を行なっています。全国有数の産地、鹿児島県大隅産の希少な超特大うなぎです。通常、水槽の中には3万匹のうなぎを飼っており、その中の3%だけの、流通量のかなり少ないうなぎです。

 美味しさで人と人との繋がりをつくることで人を笑顔にしていきたい、と思っています。「100%message」のブランドコンセプトとも通じることですが、商品に込められた想いをきちんとお客さまに届け、コミュニケーションを大事にしていきたいです。


編集後記
久方ぶりのオフラインでの取材では、皆さんのつくり出す空気を感じ取れ、終わってからもしばらく高揚感に包まれていました。
"成果を出すためには広告主の会社の商品・サービスへの理解が必要"とはよく言われていることですが、取材を通してそれを実感しました。お客さまと一つのチームとなって仕事をしていくことで、事業成長に結びつくのだと感じています。

 【インタビュー・執筆:みやたけ(@udon_miyatake)】


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