「怒り」の手放し方(続)
京大卒元メガバンカーの総一郎です。
いつからだろうか、僕はあまり「怒り」という感情を感じなくなったし、「怒り」を感じても絶対にぶつけないようになった。
それは、怒りっぽい父親を見て「あぁなってはいけない」「怒ってる大人はカッコ悪い」と思い続けていたのが大きい気もする。
初対面の人にもよく「ずっとテンション一定ですね」とか「落ち着いてますね」とか言われるし、
付き合いの長い人にも「怒ることあるんですか?」と聞かれる。
そんな僕が、昨日僕なりの「怒り」の手放し方、というより、「『怒り』をぶつけないための考え方」をお伝えしたので、
今日は「ぶつけずにため込んだ『怒り』をどう消化するか?」をお伝えしたい。
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▼「怒り」の手放し方(続)
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僕が「怒り」の手放し方を自分のものに出来たと思えるのは間違いなく『嫌われる勇気』という本のおかげだ。
元々感情の起伏は小さいのだが、『嫌われる勇気』を読んでさらに「怒り」の手放し方に磨きがかかったと思っている。
以前『最もおすすめの本』『最もおすすめの本(続)』という記事で『嫌われる勇気』についてご紹介した。
https://note.com/soichiro_k/n/n52a58da304a8
https://note.com/soichiro_k/n/n81ceddcf0c01
この二つの記事で、本書で最も衝撃的な内容の二つ、「原因論と目的論」と「課題の分離」についてご説明したのだが、
本書は「怒り」についても衝撃的な内容を教えてくれる。
それは「『怒り』は二次感情」というものだ。
これを知っているだけでも「怒り」を感じたときに自分を俯瞰して見ることが出来、冷静になれる。
例えば、
子どもに対して怒る母親も、誰かから電話がかかってきたら急にワントーン高い声で「もしもし?」と「怒り」をしまい込み、電話が終わるとまた「怒り」を取り出して怒り続ける。
つまり「怒り」は意図的に出し入れする ”コントロール出来る感情” であり、他の一次感情を感じたことをきっかけに意図的に作り出した二次感情だという考え方だ。
「『怒り』が抑えられない」とか「ついカッとなって」という言葉が有るが、それは気のせいで、『怒り』は意図的に作り出しているのだ。
彼氏が浮気をしたから「浮気するなんて最低」と怒る。
子どもがなかなか寝ないから「早く寝なさい」と怒る。
これは、彼氏に浮気されて「寂しい」、子どもが言うことを聞いてくれなくて「悲しい」「虚しい」という一次感情がもととなっている。
この一次感情を感じる原因を解消するために、
「彼氏にこの寂しさを知って反省してほしい」
「子どもに早く寝てほしい」
と思うわけだが、そのための手段として「怒り」を意図的に作り出しているというわけだ。
たしかに、「彼氏に反省してほしい」「子どもに早く寝てほしい」のであれば、
「私浮気されて寂しいな」とか、「○○ちゃんが早く寝てくれたらお母さんうれしいな」とか伝えるという手段も有るだろう。
なのに「怒り」をぶつけるのは、それが面倒だからだ。
より安直に、相手を威圧して力づくでコントロールしようとして「怒り」を使っているのだ。
相手が思い通りに動いてくれないという「原因」のせいで「怒り」を感じたのではない。
相手をコントロールしたいという「目的」を達成するための安直な手段として「怒り」を使っているのだ。
ここでも「原因論と目的論」が役に立つわけだ。
「『怒り』は二次感情で、自分は何かの『目的』を果たすための安直な手段として『怒り』を用いている」
「『怒り』は捏造されているだけで、本当に心のうちに有るのは別の一次感情だ」
と考えると、そもそも「怒り」等存在していないことに気づくことが出来る。
加えて僕の場合は、昨日の記事で述べた、
「人生の限りある時間で『怒り』を感じる時間は短ければ短いほど良い。」
という考えが強くあるし、
「怒ってる大人はカッコ悪い」
という価値観も有るので、カッコいい自分であろうと思うと「怒り」は記憶の彼方に行ってしまう。
これは今この瞬間から簡単にできるものではないと思う。
僕は長年「怒ってる大人はカッコ悪い」と思い続けたうえで、『嫌われる勇』を読んで理解も深めたから出来ることだと思う。
ただ、逆に言えば、時間をかければ出来ることだ。
もし「人生の限りある時間で『怒り』を感じる時間は短ければ短いほど良い。」と感じるのであれば、『嫌われる勇気』を読んでみると良いと思う。
PS(追伸)
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