【映画】オッペンハイマーの感想
真実が万人受けするわけではないことは十分に分かりますが、エンターテイメントだから何も語らないのは少し違う気がします。
きっと、オッペンハイマーが好きで、科学者が大好きな人が書いた作品ではないのかなっと思ったのが観終わったあとの一番の感想です。
ただ、3時間の映画としてはお金を払って観てよかったと思いますし、いい作品だったと思います。
この時代の科学者を知ってい人にとっては、様々な科学者が出てきて面白いです。
出てきた科学者として、今まで私の記事の科学者シリーズで紹介した科学者としては、オッペンハイマー、ボーア、ハイゼンベルクが出てきました。
あとは、マイトナーの時に紹介したハーンとかも出ていました。
他にも、科学者シリーズの中で紹介した科学者が何人も出ていたので、そこらへんは面白かったです。
見えにくいですが、相関図としてはこんな感じです。
実は、映画のオッペンハイマーを観に行くまでに、かなりの葛藤がありました。
心の中で都合が悪いことは語られず、アメリカ側の政治的側面から見たオッペンハイマーについてなんだろうと思っていたので、観てもなんとも言えない感情だけが残るのかなっと思っていたので。
ただ最後は観ないで後悔するよりも、観て後悔するかという気持ちでいってきました。
まぁ、結果映画について色々考えて悶々とした気分になってしまったのですが、あまり後悔はないですし、新しいことを考え出すきっかけになったので良かったと思います。
ちなみに映画では、原爆の父のオッペンハイマーと水爆の父であるテラーの2人について描かれています。
ここからは少々ネタバレを含みます。
最後はたぶんエンリコ・フェルミ賞の授賞式なんじゃないかと予想しているのですが、テラーと握手をする場面で、これによりすべて許されように演出しているように私は感じました。
これに関しては、政府が根拠のない証言をしてオッペンハイマーを陥れたことに対しての非を認め、そのうえで与えた名誉なのに、それをあんな形で表現しているのにはちょっとだけモヤっとしました。
まぁ、私が曲解しているだけかもしれないので、本当は違う意味もあるかもしれませんね。
他にも納得がいっていない場面も多く存在しますが、エンターテイメントなので、人それぞれの解釈と表現方法があるので、心のうちにとどめておこうと思います。
ただ、ドイツ軍が降伏する前に原爆を日本に落とすことが決まっていたことと、原爆が成功したときに喜び以外にも色々な感情があったことだけは入れて欲しかったという、私のわがままを残しておきます。
私個人としては、原爆は作ることは避けられなかったと思いますが、使わなくても良かったと思っています。
原爆を落とされただけで莫大な被害がありましたし、後遺症も数多く存在します。
さらに、ウランやプルトニウムの採掘による被害、そして原爆の開発にかかわった科学者も放射線の被害で亡くなっています。
オッペンハイマーも62歳で亡くなっています。
兵器をつくるには大義が必要でした。
その大義が勝手に違うものにされていたことに気付いた人たちは何を思い、何を悩んだのでしょうか。
つくった人が悪いのか、それともつかった人が悪いのか。
私はつくった人の一部は、十分に罪を背負い、その恐ろしさについて理解していると思います。
でも、つかった人の一部は、その恐ろしさを理解せずに、必要だと言い続けると思います。
きっと何が正しいのかは、私みたいなただの科学者好きには分からないと思います。
しかし、過去から学び、未来につなぐ努力をし続けなければいけないと思います。