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20240429「当然に許す」

皮鯨の縁を歩き
とぼとぼ右向いて
左をちらり
落っこちそうな所でも
気をつけて進めば
ゆっくりでもいい
右回りで右に落ちれば救い
左に落ちれば救いに行く
左回りもまた同じ
影は黒さに紛れるから
明るみの所にわたしがはみ出す
陰影を照らし
肌を濡らし
ざくざくの表面でも
つやつやの角度でも
その一服を飲み干すだろう

汲んできたそれらを貯め
少しずつ持ち出す
同胞の出自をもって
透明さを覗いて
自分の顔が写っている
素知らぬそれは
いつも見ていないはずで
誰彼を案じ
誰某を忘れている
当然に許しておけばいい
苦味と甘さで
ふくよかな新緑を認め
鮮やかな山々を歩こう
多少でこぼこの方が
楽しめると思う
巡るそれらに一旦佇む

ざらざらの方へ向かい
その土を撫でる
どこから来たのか
見当ないけれど
わたしもまたどこで生まれたのか
本当の所は知り得ない
誰かが憶えて
誰かが忘れる
そんな風景を進み
遅れて来るわたしのどこかで
緑の香りで元気になるのだろう
空気を鱈腹飲み込み
静かでゆっくり吐き出そう
少し落ち着いたら
目の前のこととして
許しが得られるとしておこう

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